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特集:阪神・淡路大震災から20年

神戸、そして東北へ 阪神・淡路大震災から20年。 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)

1995年1月17日午前5時46分。兵庫県南部を震源とするマグニチュード7.3の地震が起こりました。

関連死を含めた死者が6,434人、住宅被害の約64万棟が倒壊するなど大きな被害をもたらした阪神・淡路大震災から2015年で20年を迎えます。

シャンティは、阪神・淡路大震災以降緊急救援室を設置し、国内外の緊急救援活動に取り組んできました。

そして、2011年3月11日午後2時46分マグニチュード9の東日本大震災が発生しました。

震災から4年経った今も、長期化する仮設住宅暮らし、空き室が増えてきた仮設団地に取り残される不安、今も安定しない原発などその土地に暮らす人々の悩みは増しています。

シャンティは4年経った今だからこそ、地域の人々に寄り添い、共に支えあいながら前に進むためのお手伝いをさせていただければと考えています。

神戸、そして東北へ。

「今でもあの日(3.11)を忘れない。まさか、自分が在職中に、阪神・淡路大震災を上回るような規模の国内災害が起きるとは夢にも思わなかった」

語り手:市川 斉(シャンティ国際ボランティア会 常務理事)

当時シャンティ神戸事務所長として阪神・淡路大震災を経験。震災からの20年は日本にとってなんだったのか。そして東北にどのように神戸の教訓が活かされたのか。震災にシャンティはどのように向き合い、どのような姿勢を持って活動をしたのか、またすべきなのかを語った。

阪神・淡路大震災の支援活動では、民間団体同士で連携した活動ができなかったことが大きな課題だった。「大規模災害ほど、日ごろのネットワークが生きる」ことが教訓であり、この20年間、地震、水害をはじめ様々な災害に対して、団体同士で連携を取りながら関わった。しかし、今回の災害は、想定をはるかに超え被災地が広範囲で、お互いに連絡をとりながらも、自分たちのできる範囲で活動せざるを得なかった。
そして、大規模災害ほど日常的な課題があぶりだされて、一気に噴出してくる。過疎化があぶりだされ、高齢化が進行していく。また、予期せぬ原発事故。いまだに放射線の被害が確定せず、その影響が計り知れず、目に見えぬ放射線が人間関係を分断して、復興を考えるにも二の足を踏む状態を作っている。

被災当時の番町地区での炊き出しの様子(※他団体の活動)

事業開始よりも、撤収の方が難しい

一方、シャンティとしては、2015年まで東北での復興支援事業の継続が決定しているが、どのような形で事業を終了するのか、地元の方々が、新たな形で動きだせるようにバトンを渡すのか、大きな岐路に立たされている。大規模災害で長年かかわったからこそ、事業開始より撤収の方が難しい。一般論ではあるが、事業の撤収は団体の都合で決まり、現地の人々のことが十分に考慮されないこともある。現地の人々のためにどういう撤収なのか正解はない。しかし、走りながら、決めていくしかない。

左:発災後発足したボランティアグループ「すたあと長田」の事務所、右:当時のシャンティの神戸事務所

南駒栄公園で被災した子どもと遊ぶ様子

現地の人々と痛みを分かち合って行動できているのか

シャンティの基本姿勢のひとつとして、「苦難の中にいる人びとと痛み、悲しみ、喜びを分かちあい、共に歩みます。」と掲げている。この姿勢を貫き通せるのか、自分たちの都合だけになっていないか、本当に、現地の人々と痛みを分かち合って行動できているのか、神戸の時と同様、今、まさに、そのことが問われている。

シャンティが2015年に行う東日本大震災被災者支援の活動

東北の被災地域では、震災から4年を経てもなお、多くの人々の生活再建の目処が立っていません。特に住宅再建で「復興の遅れ」が顕著となってきています。2015年も東北の皆さまに寄り添い、顔の見える関係を築きながら活動を行ってまいります。

気仙沼事務所では

  • 子ども支援(あつまれ、浜わらす!)

    「あつまれ、浜わらす!」は、子ども達が自然体験を通じて「生きる力」を身につけて行くための活動です。子どもは、漁業体験や海水からの塩づくり、「いかだ体験」などに挑戦しながら、代々、海辺の厳しい自然の中で暮らしてきた人々の経験や知恵を学びます。子ども達が「ふるさと」に誇りを持ち「未来」を創って行くためには、地域の魅力や暮らしの知恵を伝える大人の存在が必要です。この活動を地元の力で継続して行くために、地元出身の職員が中心となって、2015年中に気仙沼で新団体を立ち上げる予定です。

  • まちづくり支援

    シャンティでは、復興支援のキーワードとして「つながる人の和」と「人々が集まる場づくり」、「地元の人材育成」を念頭において活動して来ました。「階上(はしかみ)地区まちづくり協議会」にはアドバイザーとして参加し、これまでに、住民の話し合いを繰り返して「復興まちづくり提言書」を作りました。2015年は、この計画を基にして、公園づくりや「震災遺構」(被災した宮城県立「向洋高校」校舎:震災と津波の経験や記録を後世に伝えるための建物)を実現させるための復興まちづくりの支援活動を行います。

  • 漁業支援

    震災をきっかけに結成した協同グループ「蔵内之芽組」は、漁業の復活と若手漁師の育成に力を入れています。協同グループという新しい漁師のカタチが「これからの海の仕事」を継続させ、漁村の活性化やコミュニティの再生へと繋がっていくための支援をしていきます。さらに「こいわかめ」に続く加工海産物を通して、消費者との顔の見える関係を築き、訪問する人を増やすお手伝いをします。また漁村内の海産物直売所「海の駅よりみち」は、地域交流の場としての機能を高め、より多くの人が訪れやすい場づくりをしていきます。

岩手事務所では

  • 移動図書館

    仮設住宅から恒久住宅への転出が始まったとはいえ、岩手県の仮設団地の入居率は今も80%を超えています。多くの被災者が「仮設暮らし」を余儀なくされており、用地取得の問題、建設資材の高騰、入札不調などがからんで、仮設住宅での生活がさらに長期化することも考えられます。一方、仮設住宅からの転居が進めば、取り残される不安など、仮設住宅に残らざるを得ない人たちの精神面や生活環境の悪化が懸念されます。
    2015年も図書サービスを、震災によって将来に不安を抱くことになった方々に提供していきます。
    活動(陸前高田市、大船渡市、山田町)

  • コミュニティー図書室の運営

    陸前高田市では、岩手事務所が仮設団地内で運営する「陸前高田コミュニティー 図書室」の友の会を、2014年に地域の方たちと共に立ち上げました。
    今後の復興計画の動向をうかがいつつ、コミュニティー図書室のあるべき姿を考え、具体化していきます。

山元事務所では

  • 移動図書館

    災害公営住宅などへの引っ越しが本格化する中で、仮設団地では高齢者や障がい者の孤立化が心配されます。山元事務所では移動図書館活動を2015年も継続し、仮設団地を中心に利用者が本を通じて安らぎや心地よい刺激を得たり、生きていくうえで必要な情報を入手したりできる、そのお役に立つことに力を注ぎます。ストレスケア、子ども支援なども念頭に置きつつ、目指すのは、自由に交流できる心のよりどころづくりです。
    活動(宮城県亘理郡山元町、福島県南相馬市)

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    2015年も東北への支援活動を行っていくために、引き続きのご支援をお願いいたします。