SVA 社団法人 シャンティ国際ボランティア会

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スタッフからの便り(スタッフ日記)

『さよならさくら』


赴任当初にある家畜を飼って懲りた後、一匹の雄猫を飼うことにした。子猫で雄とはわからずに日本的な名前を、ということで「さくら」と名づけた。すでに約2年半私と同居してきた。疲れたときに、にゃーと迎えてくれるのに癒され、宿舎の日本人が時に気まずくなった際も愛らしいしぐさで間に入り、なぐさめとなった。1年目を過ぎた頃、発情期が始まり、異様な泣き声に飼い猫にするんだから、と不安ながらも手術を考えたが、当時所長であった市川さんより男として可愛そうだ、という情けをもらいそのままとなった。しかし、首輪や蚤取りシャンプーなどのおかげでメス猫に全く相手にされないさくらの発情期は年中となってしまった。毎晩出かけていくがいつも落ち込んだ顔でかえってくる。

そんな、さくらも昨年は私も出張が多く、いない間にはじけたのか出て行ったまま帰ってこなくなってしまった。雄猫は良く、夢中になってメス猫を追いかけているうちに帰りがわからなくなることがあるそうだ。一度顔みせ程度に戻ってきたさくらの顔はすでに、私の愛らしいペットではなく、野生の雄になっていた。それを見て、私もあきらめるしかないと思った。疲れたらいつでも、とえさはそのままにしている。
次回はメス猫にしようと心に決めた。逆に、戌年、ということで少し尊重されることになった間抜け犬ハナが番犬として、秘めていた可能性を発揮しつつあるが、野良犬との遠吠え合戦にうるさがられ、小屋に閉じ込められる夜の方が多い。

アフガンでは時に孤独の戦いがある。携帯やインターネット設備がある今ではそれでも外部とのコミュニケーションが身近になったがそれまでは、宿舎に帰れば全く外部との通信はなかった。そんな時に、愚痴を聞き、酒の相手となり、慰めてくれたさくら。もしかしたら、もっと時間を有効に使うようにと、わざと突き放してくれたのかもしれない。

2006年1月29日

アフガニスタン事務所

山本英里

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