図書館員同士が学びあい、技術を向上させるために始まったこの「おはなし大会」も、今年で13回目の開催となりました。これまでSVAが活動を行ってきた州から図書館員6名、初等教育担当の州教育局員、教員養成校校長を招いて行われるこの大会には、今年は総勢101名が出席。選りすぐりの図書館員ばかりです。この全国大会に出場するのは、簡単ではありません。
まずは、各州の教育局から学校へおはなし大会の案内が出されます。ここで、日ごろから読み聞かせ活動をしている図書館員は出場するかしないかを決めます。腕試しで出場を決めた図書館員は、今度は各州が主催する予選を突破しなければいけません。そして最終的に州の予選を通過した6名のみが、この全国大会の壇上に立てるのです。
いくら普段から子どもたちの前で読み聞かせをして慣れていても、いざ50名の子どもと100名の出席者を前に読み聞かせをするということはとっても緊張することです。前の晩までは緊張のため寝れず、食事も喉を通りません。出番前の図書館員の顔は、緊張でガチガチに固まっています。この条件は皆同じです。勝負の行方を左右するのは緊張をプラスに変え、どれだけ自分の力を発揮できるかです。
ですが、読み手が満足しているだけではいけません。審査項目の中には聞いている子どもたちの反応も入っているのです。子どもたちも壇上に上がり多くの大人に囲まれて緊張している中、いかにその緊張を溶きお話の世界に誘うかが図書館員の腕の見せ所です。3日間の開催で、66名の図書館員がその腕を披露しました。皆工夫を凝らした教材を使用し、会場ではその腕を盗もうと真剣な視線で図書館員を見つめる姿がありました。
今年の優勝はバンテイミンチェイ州のチェン・チャニーさんで、「はらぺこあおむし」を人形を使って、「むしゃむしゃ、おいしいな」と楽しいお話を披露してくれました。優勝者として名前を呼ばれたときのガッツ・ポーズには、これまでがんばってきた彼女の気持ちが込められていると感じました。この優勝が彼女にとって自信と励みとなり、これまで以上に子どもたちにお話の世界を伝えていってほしいと思います。
鈴木晶子
写真上:お話で使用した工夫満載の教材
写真下:今年の優勝者のチェン・チャニーさん