「突然、雲のように湧き上がった高さ8メートルの波が家族を流し去った」。
昨年11月、バングラデシュ南部を襲った巨大サイクロン「シドル」は、4ヶ月を経た今も人々の心に傷を残したままです。約3400人が命を落とし、約150万世帯が家を失いました。夏が近づき、「再び、巨大なサイクロンが来たらどうしよう」という村人たちの不安な声が聞こえるなか、SVAは復興支援活動を続けています。3月からは4つの村でサイクロン・シェルター(避難所)の建設を始めました。再びサイクロンに襲われた時に村人の命を守る建物です。
建設は順調に進んでいますが、資金が不足しています。引き続き温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
SVAでは「地域の集会所の再建」、「サイクロン・シェルターの建設」、「子どもたちへの教材や学用品の配布」などの活動を行っています。今回は「サイクロン・シェルターの建設」についてご紹介致します。
◆集いの場となるサイクロン・シェルターの建設
SVAのシェルターは、ただのシェルターではありません。災害発生時に避難所となるだけでなく、普段は周辺の村の人々が集まる施設となります。そのほかにも、学校に行けない子どもたちのための「村落学級」として、または成人学習の場としての活用など、人々が話し合いながら、使い方を決めていけるような施設になることを目指しています。例えば、子どもから大人までの識字率向上を目的とした図書館活動、職業訓練としてのコンピューター教室など。
保健医療の分野でも、母親学級や予防接種の会場として活用される可能性もあります。
シェルターが活用されるためには建物だけではなく、村人たちへの防災教育が必要です。サイクロンが村を襲った時は、すぐに近所で声をかけ合い、一緒にシェルターへ避難する事が大切です。「何かあった時は、みんなであそこへ逃げよう」と付近の村人たちに頼られるシェルターにするためには、普段から様々な目的で人が集い、愛着をもって使われる場になることこそが大切だと考えています。
◆逃げ場を失い、水にのまれた村人たち
ガジマハムッド村では、シェルター建設のために土地を提供してくれたシディーク・ラーマンさん(34歳)が、サイクロン当夜の悪夢のような出来事を語ってくれました。「外の異変に気づき、家族を連れて村の小学校へ避難しようしましたが、水が四方から押し寄せてきて、たどり着けませんでした」。ラーマンさんは3歳の息子を胸に抱いたまま長時間、木にしがみついていたそうです。
木から下り、父の姿がないことに気づきました。その後、親戚や村人たちの手を借りて父親を探し続けましたが、13日後、自宅から数km離れた場所で遺体が見つかりました。
「家の近くに避難できる場所があったら、父親を死なせずにすんだはず、もう誰も失いたくない」というラーマンさんの言葉に、私たちはあらためてシェルターの重要性を痛感しました。
「村人たちの命を救えるのであれば」と受け継いだ土地の提供を決めたラーマンさん
* * * SVAは「住民主体」の復興支援を大切にしています * * *
みなさまのあたたかいお力添えをよろしくお願い致します。
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ご協力ありがとうございました。
(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)東京事務所
緊急救援担当 木村、白鳥
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