公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)では、これまでの国内外20を超える災害復興支援の経験を最大限に活かし現在、宮城県気仙沼市と岩手県遠野市に現地事務所を開設して支援活動を行っています。
東日本大震災では死者14,981人、行方不明者9,853人(5月11日時点)、全壊した家屋は83,754戸で、3カ月が経つ今も10万人近い方が避難生活を余儀なくされている。SVAは3月14日に三部義道SVA副会長、16日に事務局次長の市川と緊急救援担当の白鳥が現地入りし、状況の把握と支援活動を開始した。
阪神淡路大震災では神戸事務所を2年3カ月間開設し、5年間支援を継続しました。今回も2年以上の長期に渡る支援を想定。
4月15日、気仙沼市本吉町、清凉院境内にコンテナハウスを設置(事務室、物資倉庫、最大25名が宿泊可能な宿泊棟)、車両8台(2tトラック1台・軽トラ2台・乗用車5台)を投入、現在スタッフ2?3名の他15名程のボランティアが常時活動中。
1)気仙沼市災害ボランティアセンター(VC)運営支援
当初SVAスタッフ2名と車両2台を派遣して、市の社会福祉協議会と協同し、市災害VCの立ち上げ、運営支援を行った。3月28日に市災害VCが開設され4月末まで運営に関わった。またSVAは市災害VCのもとで、他団体と分担し、本吉地区と唐桑地区の21避難所の巡回を担当。
SVAボランティアが2チーム(本吉地区、唐桑地区)に分かれ、21ヵ所の避難所を巡回して物資配布(アマゾンのほしい物リストも利用)、ニーズ調査、炊き出し・入浴送迎の調整を行っている。また、現在は避難所から仮設住宅に移動している被災者の方もでてきており、今後は仮設住宅でも継続した支援を予定。1日に4?5ヵ所の避難所を巡回している。
いまだ市内で水道などインフラが整っていない地域を中心に1週間に9ヵ所の避難所を対象に温泉施設への送迎を実施(4/21--5/30)。
行先は岩手県一関市「かんぽの宿」で、中型バス2台で送迎を行っている。9ヵ所の避難所から週5回(全45回)、延べ743人が利用(5月30日終了)また、5月14日?16日山形県最上町の観光協会が主催の山形温泉ツアー(2泊3日の旅)をSVA三部副会長が仲介となりSVA気仙沼事務所が調整し、10ヵ所の避難所から合計183人が参加。
全国の協力団体と共に炊き出しを行っている。これまでに陸前高田や気仙沼市本吉地区の避難所や小学校16ヶ所で約6,000食を配食。
5)行茶(ぎょうちゃ)プロジェクト
避難所で緑茶やコーヒーを挽き、それらを一緒に飲みながら避難所にいる方々の声に耳を傾ける傾聴プロジェクトの調整。4月21日より開始。地元僧侶有志を中心に5月末までに3ヶ所の避難所・集会施設にて計6回実施している。参加人数は各回20人--50人。
6)各イベントの企画調整
・足湯のんびりタイム 5月14日から市内の避難所を対象に震災がつなぐ全国ネットワーク関係者と共に足湯活動を開始。足湯は、利用者に足を湯につけていただきながらも実際は手を揉むことによってコミュニケーションを行う活動である。
・母の日イベント 資生堂より寄贈された化粧品(化粧水・乳液・口紅、制汗スプレー、水のいらないシャンプー)とフェイスパックのセット合計300セットを5月8日の母の日イベントにて配布。
・子どもの日&青空カフェ こどもの日のイベントとして、あそびーばーにてプレイパークのスタッフと協同し、ラオスやカンボジアのコーヒーとタイのお菓子を振る舞った。200名が参加。
宮城県と気仙沼市の両教育委員会と連携し、市内の11ヵ所の小学校(生徒1885名)に4月19日、ノートや鉛筆など18種類の学用品セットを配布(4/19)。また、被災した学校計10校(生徒1373名)へ5月31日に防災ずきんを配布。
8)絵本を届けるプロジェクト(子どもたちへの支援)
気仙沼市内の小学校へ配布。
<1>階上小学校8箱(低/絵本3箱、児童書・図鑑2箱。中高/児童書・図鑑3箱)
カンボジアのメッセージ贈呈
<2>津谷小学校6箱(低/絵本・図鑑2箱、児童書1箱。中高/図鑑1箱、児童書2箱)
<3>小泉小学校4箱(低/絵本1箱、児童書・図鑑1箱。中高/図鑑1箱、児童書1箱)
カンボジアからのメッセージ贈呈
<4>馬籠小学校2箱(低/絵本、児童書・図鑑1箱。中高/児童書、図鑑1箱)
NPO日本冒険遊び場づくり協会(プレイパーク)、Youth for 3.11と協力し、気仙沼市大谷地区にて子どもたちのために遊びの場(あそびーばー)を4月26日より開設。活動に興味を持たれた小学校の校長先生が訪れ、その後授業の一環として児童の学びの場としても活用されている。※あそびーばー来場数:土・日 子ども約100人、大人20?30人。平日や雨天 子ども約20人
11)家周りの片づけ・清掃
市の災害VCと連帯してSVAの拠点がある本吉町の前浜地区を中心に被災家屋周辺に散乱したがれきの撤去作業、津波によって砕けた神社の鳥居の片づけを行った。
12)コミュニティ支援
今回の震災の被害は甚大で、中長期にわたる支援活動になることが予想される。本当の被災地の苦しみはこれからでり、神戸でも遅々として復興しない町、仮設住宅で多発する孤独死、復興の個人差による心の溝に人々は疲弊していったのは震災から1年経つ頃であった。
とりあった手を離さないように、SVAは地元の人々と一緒に復興に向けた活動を行っていく。
5月上旬に岩手・宮城県内の図書館や児童館、幼稚園などをSVAスタッフが訪問し、ニーズ調査。
6月には岩手県遠野市に現地事務所を開設し、SVAの得意分野であり、公的な支援が後回しにされがちな図書事業を中心に活動を行う。活動地域は山田町、大槌町、大船渡市、陸前高田市など岩手県沿岸部。具体的には避難所や仮設住宅の公共スペースに図書スペースを設置し管理。
また移動図書館車を巡回させ、被災地の方々が避難生活の中にも本(絵本や雑誌も含む)を手にすることで日常を取り戻すひと時と、様々な情報を入手する手段を提供する。
さらに移動図書館に合わせて読み聞かせ、映画会、落語、行茶などのイベントも組み入れる。