この度、馬喰町ART+EAT にて、モンの人びとの手から生み出された美しい絵本と、内戦から難民キャンプまでの道のりや日々のくらしを表現したタペストリーを展示します。
みなさまのお越しをお待ちしております。
「刺繍でつづるモン族の物語」展
期間:2009年2月3日(火)--21日(土)
場所:馬喰町ART+EAT
〒101-0031
東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ 竹澤ビル202
TEL/FAX 03-6413-8049
URL http://www.art-eat.com
営業時間:11:00--19:00
(最終日は17:00まで)
日・月・祝日休廊
※ クラフト・エイドで扱っているモン族の手工芸品の販売も行います
「モンの人々」について
古くは中国の揚子江流域を起源とし、現在は中国、ミャンマー(ビルマ)、ベトナム、ラオス、タイと広い地域でくらしを営んでいます。
山を転々と移動し、焼畑農業を行う山岳民族で、近年まで自給自足の生活を送っていました。しかし、ラオスでの内戦やタイ政府の定住化政策によって、山を降りた人びとは新しく貧困という問題に直面することになりました。
そんななか、クラフトの製作は、彼らに貴重な現金収入をもたらし、急速に衰退していく伝統技術の継承にも役立っています。
モンの人びととSVAの図書館活動
1985年からSVAは、タイの東北部、ラオス国境近くにあったバンビナイ難民キャンプで、印刷所と図書館活動を中心とした活動を始めました。
しかし、もともとは文字を持たず、現在のローマ字表記によるモン語の識字率も低く、本もない状態の中で、どうやって図書館を始めればいいのでしょう。そこで、私たちは日本から絵本を持っていき、子どもたちに見せたり、読み聞かせをしたりしました。そのうちに、子どもたちは絵本が大好きになり、毎日、図書館に遊びに来るようになりました。しかし、しばらくたつと、日本の絵本だけでは足りないことに気がつきました。モン族には、モン族のものが必要なのでした。そこで始まったのが、民話語りの伝統を残すモン族の民話の録音収集と、刺繍絵本作りでした。
針と糸に親しんでいるモン族においては、刺繍は一番身近で親しみやすい表現方法だったようです。モンの男の子たちが文章と下絵を書き、女の子たちが刺繍をする布の絵本は、モン族の人びとにとっては、だれでも取り組みやすい、自分たちの表現方法だったのかもしれません。
小さい女の子たちから、お母さん、そして、絵や文字などを書いたことのないおばあさんまでがこの刺繍の絵本作りに加わりました。次々にいろいろなお話を刺繍で縫い綴り、100冊近い刺繍絵本ができあがったのです。
90年代に入り、バンビナイ難民キャンプは閉鎖しました。これらの絵本を作り出したモンの子どもたちは、もう図書館に遊びにくることはありません。刺繍絵本を作った人びとは、散り散りになりました。アメリカやフランスに移住した人も大勢います。
モンの人びとが顔を寄せ合い、おしゃべりしながら作ったであろう刺繍絵本。眺めていると、人びとのくらしや言い伝え、嬉しい思いや悲しい思いがあふれてくるような気がしてなりません。