SVA 社団法人 シャンティ国際ボランティア会

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煙仲間掲載原稿-日本人スタッフの声

2005/9


「ミャンマー難民の帰還はいつ頃になりそうですか」とよく質問を受ける。しかしこればかりは答えようがない。図書館に来ている子供たち、難民キャンプの様子などについては簡単に答えることが出来るのに。20年以上も難民生活を強いられているミャンマー難民の帰還については、残念ながら今も目処は立っていない。あと10年或いはそれ以上先になるのではないかと言う人もいる。20年以上という長い歳月の中で難民キャンプには三世代までに至る人たちが存在している。ある日、12歳になる少女に「祖国に帰りたいと思うか」聞いてみた。すると「祖国のことはよく知らないから、帰りたいとは特に思わない。でも両親からミャンマーは怖い国だと聞いているから、今は帰りたくないかな。」という答えが返ってきた。祖国を知らない子どもたちにとっては、こう思って当たり前かもしれない。一方で、図書館で行っている高齢者活動に参加していたお爺さん一人にも同じ質問をしたことがあった。彼の答えはこうだった。「私が生きている間に祖国に帰ることはおそらく無理でしょう。でも微かな希望は持っています。生きている間に祖国の土をもう一度踏みたいですから。もし私がここで死んだならば、いつの日か、祖国が平和になった時にでも私の骨を運んで行ってもらえませんか?お願いしますね。」と最後は頼みごとをされてしまった。お爺さんは笑って言っていたが、私は笑えなかった。


2006/2


「ミャンマー難民の第三国定住」についての会議が先日、バンコクで開催された。UNHCR主催のこの会議にはNGOの他、難民の受入れ国からの代表など約60名が参加し、第三国定住における各国の政策や取り組みが紹介され、また懸念される点などについて話し合いが持たれた。NGOs側からはCCSDPT(難民支援事業調整委員会)が代表して難民キャンプから集めた情報をまとめて報告を行った。


2006/1


2005年11月15日から17日の3日間、メーソットにて第3回図書館員合同研修が開催された。2003年から毎年実施している研修であり、年に1度、SVAが活動している7ヶ所の難民キャンプの図書館員が一同に顔を合わせ、各キャンプで抱えている問題などを発表し合ったり、活動内容について意見交換を行ったり、難民キャンプにおける図書館活動のより一層の理解統一、そして活性化を図ることを目的としている。ただ、残念なことに7ヶ所の図書館員が全員揃ったことはない。タイ政府からの許可が大きく影響しているからだ。基本的に難民がキャンプの外に出ることは禁止されている。しかし、NGOのスタッフとして働く難民が研修などの理由で一時的に外に出ることは許可されているが、キャンプを管轄している郡・県の内務省によって方針が異なるため、許可が下りないキャンプもある。でも実は方針があるようでないような、曖昧な部分も見える。


2005/12


ヌポ難民キャンプの図書館委員会は図書館が開館した2002年5月に構成され、SVAと共に図書館運営に携わってきた。同キャンプはSVAが活動を開始する前からキャンプ図書館が1館あり、図書館委員会も存在していた。だから他のキャンプと比較して、図書館活動の意義をすでに理解していること、また難民の人たちの読書関心など高く、活動を開始する上での基盤がすでに整っていることはSVAにとって大変有難いことではあった。しかし既存の図書館委員会は図書館は「静かに本を読む場所」との意識が強く、子どもの活動を中心とした図書館を作りたいと願っていたSVAに当初、反発の声が多かった。説明に説明を重ね、何とか理解を得たものの、開館後から様々な問題に直面することとなった。


2005/11


現在、SVAが難民キャンプで支援している図書館は全部で22館。1館につき2人の図書館員が働いている。図書館でもっとも大切なのはこの図書館員。どんなに立派な図書館を建てても、どんなに良質な絵本を配布しても、図書館員次第でこれらが全く無意味なものになってしまうからだ。22の図書館は大きさもデザインも同じ、本棚に並んでいる絵本も同じ。しかし開館後の様子は様々である。子どもたちの関心を引くように館内をきれいにデコレーションして明るい環境作りに励む図書館もあれば、壁にかけているポスターや絵が破れていたり、はずれかかっていたりしていてもそのまま。本棚の中もぐちゃぐちゃ。図書館員によってこんなにも違ってくるのだということを実感した。また絵本の読み聞かせ、歌やゲームなどの文化活動を積極的に行っている図書館にはいつも子どもたちが溢れている。暗い雰囲気の図書館で活動にもあまり力を入れていない図書館には、当たり前だが子どもはあまり来ていない。自分だったら、館内が温かい雰囲気を漂っていて、図書館員のお姉さん、お兄さんが温かく迎えてくれる。そして大好きな絵本を読んでくれて、一緒に歌を歌ってくれる、そんな図書館があったら絶対に行きたいと思うはず。


2005/10


メーソットから165キロほど南下したところにウンピアム難民キャンプがある。ここは1999年に設立されたキャンプで以前はワンカー難民キャンプとモカ難民キャンプという2つのキャンプであった。ところが、これらのキャンプは1997年と1998年にミャンマー軍の越境攻撃を受けた。そして、学校を含めて多くの家が焼かれ、火災に巻き込まれ3人が死亡、約20人ほどが負傷したといわれる。そこで、タイ政府は難民の安全を考慮し、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協力して彼らを内陸部に移動するよう促し、現在のウンピアム難民キャンプへと統合された。


2005/6


難民キャンプで図書館活動を開始して、「これまで何もすることがなかったが、図書館という場所で有意義な時間を過ごせている」という声をよく聞く。そして年代や宗教を超えた人たちが一同に集まる場所であるということも高い評価を受けている。しかし度々訪れる中でふと思うことがあった。それは高齢者の姿がほとんど見られないということ。話しを聞いていくと、難民キャンプ内では活動に参加する場もなく、家の中でただ日々を過ごしているという。何故だかすごく寂しい気持ちになった。


2005/5


タイ西北部ターク県ウンパン郡にヌポ難民キャンプがある。人口は約12,000人。仏教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が共存している難民キャンプだ。

SVAが同難民キャンプで図書館活動を開始したのは2002年1月。同年5月に2館の図書館を開館した。活動開始に伴い、図書館委員会を設置。自治組織である難民キャンプ委員会がメンバーを選出した。図書館委員長、副委員長を柱に計9名のメンバーで構成された。


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