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教育奨学金事業・中高生学生寮の運営

あれから10年…“生きるちから”


sc20060822-1-1s.jpg   クロントイ港そばの燃料倉庫群裏手にあるチュアパーンスラム。そこに暮らすチンタナー・コンマンさん、23歳。請負トラック運転手の養父、工場で働く母親、請負仕事の妹とその息子の5人で、収入の少ない不安定な暮らしをしている。
 チンタナーさんは1996年5月2日当時13歳のときに先天性心疾患による気管支拡張症のため、世界的にも極めて珍しい心臓と肺の同時移植手術を受けた。

 

 

 術後経過は順調だったものの、余命3年と診断され、移植臓器が起こす拒絶反応を抑えるために高価な免疫抑制剤を飲み続けなければならない。薬の副作用による吐き気や頭痛を抑えるための薬などを合わせると数十種類にもなり、「毎日何錠飲んでいるのか、もう自分でもわからない」量になっている。
 職業専門学校で手工芸を学んだ後、体力的に通学は無理と判断し通信制の大学に進学。手術から10年が経った。一時は体育の授業に参加できるほどに元気になったが、今は体力も落ち、たびたび高熱を出しては入退院を繰り返している。体調不良に苦しみながらも勉強を続け、あと数教科、今年中に卒業の見込みとなっている。自分のノート代くらいはと以前はアルバイトなどしていたが、ここ数年は体調を崩すことも多く、やせ細り、立っていることも苦しくなってきた。それでもチンタナーさんは「生きる機会をもらったのだから、毎日を精一杯生きていくしかない」と決してあきらめない。手先の器用さを活かして座っていてもできるビーズ細工のアクセサリーを売って少しでも両親の経済的負担を減らそうと努めている。
 しかし彼女は決して弱音を吐かない。体調がいいときはSVAの地域図書館に通い、子ども達に手芸を教えたり、室内装飾を手伝ったりする。明日のこともわからない身ながら、いつも明るく笑顔を絶やさない彼女は、今日も闘っている。

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