これまでタイ・ミャンマー(ビルマ)国境地域で移動図書館、教員セミナー等の活動を実施してきました。西部にはカレン族が多く居住していますが、電気や学校という公共サービスが届いておらず、タイの最底辺の人々よりさらに厳しい生活を送っています。これらの問題に加え、国籍未取得、言語や文化の違いによる差別や偏見などの問題も多く、子ども達が教育を受ける機会が奪われており、それがタイ国内でもほとんど認識されず放置されていました。
そこで今年度は、教員の協力が得られた4箇所の中学高校で奨学金支給を行い、現地調査による詳細把握とともに支援を継続しきます。
写真:瀬戸正夫
タイ国内には8-9族の少数民族が暮らしている。それぞれ文化的出自の異なる民族がミャンマー(ビルマ)、ラオス、中国雲南から尾根伝いに移動してきて山の斜面に焼畑耕作を行っている。
タイ北部からミャンマー(ビルマ)にかけての先住民である。タイ国内に10数万人居住しており少数民族の中では最多。ミャンマー(ビルマ)を中心に民族独立闘争を行っており、現在は迫害により難民としてタイ、ベトナム、シンガポールなど各地に居住。以前は、農業は女性、狩猟は男性という生活をしていた。
写真:瀬戸正夫
パリチャート シーサンシップさん ターソンヤーンウィタヤライ高校1年生
タイ北西部・カレン族系の人が多く暮らすターク県ターソンヤーン郡に住んでいます。
お母さんは下の子どもの出産時に亡くなりました。お父さんはミャンマー生まれのカレン族ですが、どちらの国籍も持っていません。タイ国内で仕事が見つからず、ミャンマーで建築現場や農業の雇われ仕事をしています。3人の兄弟は越境して就学しており、1歳の赤ちゃんとパリチャットさんはお父さんと一緒にミャンマーで暮らしています。
毎日、船で国境を越えて通学しており、渡し賃は年間2,000バーツです。船着場から泥んこ道を歩かなければならないので、通学靴の他にサンダルを持って通学しています。赤ちゃんの面倒を見る人がいないときには学校を休まなければなりませんが、家事、子守をしながらでも成績優秀です。