2021.05.18

混乱が続くミャンマーから ~子どもたちの声~ Vol.1

ミャンマー

こんにちは、事業サポート課の松本です。

2021年2月1日の軍事クーデターを受けて、今でも毎日のように痛ましいニュースを耳にします。その中には多くの子どもたちの被害も報告されています。

実はミャンマーでは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年6月(※)より小中学校が閉鎖され、現在まで1度も開校されていません。小中学校が閉鎖されてから間もなく1年が経とうとしています。
※ミャンマーでは6月が新学期の開始月となります。

新型コロナウイルスと軍事クーデターにより、学校へ通えなくなった子どもたちがどのような生活を送り、どのように感じているのか、今年の3月に現地職員が子どもたちやその保護者へインタビューを行いました。そのインタビュー内容を複数回に分けてお伝えします。

軍事クーデター後の街の様子

やる気が湧かない(テインタンさん、11歳、女の子)

私の名前はテインタン(仮名)です。11歳です。ヤンゴンから少し離れた村に家族と一緒に住んでいます。
新型コロナウイルスの影響で学校が閉鎖になってから、家では両親を手伝ったり、兄弟や近所の友達と遊んだりして過ごしています。特にお絵描きをして過ごすことが多いです。休校の間の勉強は、これまでの学校の授業を復習がほとんどで、たまに母親の携帯を借りて、インターネットでの勉強方法を探したりしています。

学校に行っていたときは、わからないことがあれば先生に聞くことができましたが、今はそれができません。長い間、どこにも行けず家に居続けることでムシャクシャすることも多くなり、友達や家族に当たってしまうことがあったり、何かをする意欲が湧いてこないことが多くなったと感じています。そうすると、もちろん私は家族から叱られ、なんだか窮屈に感じます。泣くことも増えましたが、楽しいことを考えるようにしています。お絵描きを楽しんでいるときは、そういったやり場のない気持ちを忘れることができます。

今後も、家にいる時間が長くなりそうです。勉強に集中したり、何か新しいものに挑戦できるように色んな本が手元にあればいいなと思います。

働かずに学校に戻りたい(ピョーチョーさん、11歳、男の子)

僕はピョーチョー(仮名)といいます。学校が休校になるまでは学校に通っていましたが、今は家計を支えるためにレストランで働いています。働いているので勉強する暇はありません。

働いているレストランでは夜の8時になるとバケツや缶をたたきます(※)。別に楽しいわけじゃないですが、ムシャクシャしている時に思い切りバケツや缶をたたくと少しは気が晴れます。

職場のレストランは自宅とは別の街にあるので、知らない場所で家族と離れて暮らすのは寂しいです。正直、働きたくないし、学校に戻りたいです。

※市民不服従運動(CDM)の一環として決まった時間に金物を鳴らすという抗議が行われていました。

ミャンマー事務所スタッフのメッセージ Vol.1

ミャンマー事務所スタッフのメッセージ Vol.2