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カンボジア事務所スタッフ紹介2

2011.1.26   カンボジア

カンボジア事務所国際担当の江口です。


今回のスタッフ紹介は、絵本読み聞かせの達人、ステラです。

ステラは、SVAの移動図書館車に乗ってスラムを訪問し、学校に通えない子どもたちに教育の機会を提供する仕事をしています。

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ほっとシャンティ SVAブログ-カンボジア

【名前】ステラ・サヴィ
【生年月日】1981年9月21日生まれ
【星座/血液型】乙女座/O型
【出身】プノンペン
【SVA歴】3年
【家族構成】6人家族(父・母・弟二人・妹)
【趣味】家で大声で歌うこと、河沿いでダンス、週末小旅行、映画鑑賞(ホラー好き)
【夢】スラムの子どもたちが、本を読む習慣を身につけることで様々なことを学び、

   自らの力で地域社会を改善していけるようにすること

過去について


わたしは、1981年に首都のプノンペンに生まれました。物心がついたときには、ポルポト時代は終わっていましたが、そのもたらした混乱がまだ続いていました。家は貧しかったので食べるものがあまりなく、小さい頃から働きに出ている両親の代わりに兄弟の面倒をみたり、家事を手伝っていたりしていました。小学校に上がっても、家の手伝いをしていたため勉強に専念できず、中学校では一年間休学しなければなりませんでした。

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スラムで絵本の読み聞かせをしているステラ

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こちらはスラムでの紙芝居の様子

わたしの家族は、祖父母の時代までは比較的裕福な家庭でした。両親は当時としては教育レベルが高く、父は高校、母は中学まで卒業しました。母はフランス語が話せ、父はそれに加え英語、ドイツ語も話せます。しかし、ポルポト時代と長く続いた紛争が、わたしの家族の運命を大きく変えました。両親の教育は途中で断ち切られ、ポルポト時代が終わった後もその後の混乱でまともな職につけず、父は自転車タクシーの運転手、母はマーケットで野菜を売らなければなりませんでした。家は貧しく、わたしは高校卒業後、幼稚園の先生をしながら大学に進学するも、授業料が払えず中退せざるをえませんでした。

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こんなに多くの子どもたちが集まります



SVAで働いている理由


わたしがSVAに入ったのは、幼稚園の先生を10年ほど勤めた頃、過去の自分と同じような境遇にいるこの国の最も貧しいスラムの子どもたちに対し、自分ができることを何かしたいと考えたからです。幼稚園の先生として働いているときは、比較的裕福な子どもたちに教育を提供していましたが、スラムにいる学校にいけない子どもたちにこそ、わたしは教育の機会を届けたいと願うようになりました。

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スラムの子どもたちとカンボジアの伝統的音楽を演奏している様子

(*学校に行っていないスラムの子たちは、自分の国の文化でさえも学ぶ機会がないため、
  移動図書館活動は自国の文化にふれてもらえるよう工夫されています。)


どんな仕事をしているか


わたしの仕事は移動図書館活動といって、移動図書館車に乗ってスラムに行き、絵本や紙芝居を使った読み聞かせをするほかに、子どもたちと体操や童謡、ゲームを楽しんだりしています。その日の活動のしめくくりには、車にいっぱいのせた絵本を開放し、自由読書時間を設けています。読み聞かせにより本への興味をより膨らませ、自由読書時間を通して子どもたちは読む力を向上させ、想像力豊かに育ちます。さらに、移動図書館活動前に行われる体操や童謡、その他のゲーム活動は、子どもたちの潜在的な能力を伸ばし、読書への興味を高めるよう工夫しているだけでなく、手洗いの歌や英語の数字歌など楽しみながら学ぶことができるようにも工夫しています。

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紙芝居をつくっているステラ

事務所にいるときは、移動図書館活動に必要なものを制作しています



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ごみ山近くのスラムで聞き取り調査をしているステラ

このようにして、学校にいけない理由などを調査するのも彼女の仕事です

夢について

わたしの夢は、自分と同じような、貧しさゆえに十分な教育を受けられないスラムの子どもたちに、教育の機会を与え、自らの力で未来を切り拓いていけるようになってもらうことです。スラムでの移動図書館活動を通しての学びが、学校に行けないスラムの子どもたちの「生きる力」につながり、自分の未来を切り拓くと同時に、子どもたち自らが地域社会改善の主役になってほしいと望んでいます。

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スラムでの移動図書館活動を終え、子どもたちに見送られるステラ


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カンボジアには首都プノンペンだけで、数百以上のスラムがあるといわれています。スラムができはじめたのはポルポト時代が終わった1979年から1980年の終わりごろで、就労の機会を求めて多くの人が今なおカンボジア各地からやってきています。スラムに住む人々は、日雇い労働やバイクタクシー、路肩での物売り、ごみ拾い、そしてナイトクラブや性産業などで生計を立てて暮らしています。

このスラムに移動図書館車で訪れ、昔の自分を彷彿させる学校に行けない子どもたちに、学びの機会をもたらしているステラさん。普段のステラさんはとてももの静かなので、ずっと控えめな人だと思っていましたが、前回ご紹介したヴィチェットさん同様、彼女もまた、自分の辛い過去とあえて向き合い、立ち向かっています。今回、彼女から話を聞き、まだ自分にはないそんな強さや覚悟をもった彼女が、かっこいいなと思いました。

カンボジア事務所
江口 秀樹

(社)シャンティ国際ボランティア会カンボジア事業へ

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