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教師の声から考えるミャンマーの教育事情

2016.3.4   ミャンマー

ミンガラーバー

快適な1.2月が過ぎ、暑さが際立つ季節になってきました。最近は夜であっても寝苦しくなってきました。これから2~3ヶ月は暑さとの戦いです><

昨年ピー郡寺院学校15校104人の教師を対象に教員研修を実施しました。その後、教員研修や日々の学校での教育環境に関して先生方の声が届きました。今回はその声のいくつかを紹介するとともに、その回答から垣間見れるミャンマーの教育について考えてみたいと思います。

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1.生徒の管理が難しい

比較的多くの教師が、授業にすら集中することができない生徒の対応が難しいと打ち明けてくれました。一般的に公立学校に比べて寺院学校には家庭環境が恵まれない子どもたちが在籍しています。家庭で勉強する姿勢を身につけていない子は授業に集中することが難しく、授業中騒いでしまうそうです。また、この生徒の管理は学校の環境がより難しいものにしているようです。教室の区切りがない場所でうるさい生徒たちを管理するのが難しいと回答した教師がいました。

ピー郡の寺院学校の中には、異なる学年が同一のスペースで仕切りなく勉強している学校があります。勉強しているときに他の学年の雑音が聞こえてくるため、子どもにとっては授業に集中することが難しいのかもしれません。

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しかし、そもそもこの「管理」について多く語る教師がいることはミャンマーの教師の教育観を物語っているのかもしれません。ミャンマーの教育では規律や道徳を重んじています。生徒は教師の言うことやルールを守らなければならないと考えられることが多いです。そのため教師は生徒を「管理」しなければならないと考えるのかもしれません。多少わんぱくであったり、自由に振舞ったりすることはそれ自体子どもらしいことなのかもしれませんが、そういった面であっても教師にとっては否定的に捉えられている可能性があります。

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2. 教科の知識を身につけたい

この回答も比較的多かったです。教員研修では、教授法や児童中心型教育、教案作成などのトピックが主だったのですが、そもそも教師自身が教えている算数・ミャンマー語・社会科のような教科の理解を深めたいという教師が多くいました。

寺院学校であっても教師は大卒であることが多いのですが、公立学校の教師と異なり寺院学校の教師になるためには事前の研修は不要です。現在、公立学校の教師になるためには小学校段階で最低でも1年は研修を受け政府が雇用しますが、寺院学校の教師はその必要がなく各寺院学校の校長先生が自由に教師を雇用します。

事前研修の機会が不十分であり、教えている内容の理解が不十分であるため、教科の知識をよりつけたいと思う教師が多くいるのかもしれません。以前お話した寺院学校の教師の中に、教えている内容がよくわからないけれどとりあえず教えているという教師がいました。これは生徒の不理解に直結しますし、教師が暗記中心の教授法を取りやすくなるかと思います。

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3. 学習=暗記

いくつかの教師の回答に散見されたことなのですが、学習を暗記だと捉えている教師がいました。研修では暗記というよりも生徒に理解させよう・考えさせようというメッセージが伝えられていたのですが、何人かの教師の回答に「今回の研修は生徒の暗記に役立つ」というものがありました。

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これは教師の中に、勉強することは暗記することだという理解がまだまだ残っていることを示しているのかもしれません。またミャンマーの試験制度自体がいまだ暗記中心であるので、教師は生徒に暗記させることで試験に受からせなければならないという面もあります。暗記学習はミャンマーの仏教における経典の暗唱に起源があるといわれています。暗記は批判の対象になることが多いですが、暗記をすることは、”まず”勉強する対象のものを自己の中に取り込み、自他の距離を縮めるという面もあるそうです。

しかしながらグローバル化が急激に加速する現在、創造的で自ら思考する人材が求められているのも確かです。今後どんな学習・教育をめざすべきなのか、様々な関係者の間で議論が進むことを期待しています。

上記のほかに教師をめぐっては低い給与の問題など多くの課題があります。何かと世界的な注目を浴びているミャンマー。普段なかなか聞こえてこない教師の声を拾うことでミャンマーの教育の特徴や課題が垣間見えたような気がします。

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ミャンマー事務所
インターン
山田

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夏募金2016特集ページも開設したので、ぜひご覧ください。

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