シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 【7/20】トークイベント「ジャーナリスト×駐在員が見たカンボジアの今」

【7/20】トークイベント「ジャーナリスト×駐在員が見たカンボジアの今」

2016.7.25   イベント報告カンボジア

「カンボジアに行ったことはありますか?」そんな投げかけから、トークイベントがはじまりました。

カンボジアを何度も訪問しているフォトジャーナリストの川畑嘉文さんと、シャンティのカンボジア事務所に駐在している江口秀樹によるトークイベント「ジャーナリスト×駐在員が見たカンボジアの今」を2016年7月20日にArts Chiyodaで開催しました。

カンボジアで撮影した写真も展示

会場は、元は中学校だった建物を改装し、芸術や文化の発信拠点に生まれ変わったArts Chiyoda。絵画やアートの展示などに使われる部屋には、カンボジアを身近に感じられるように、川畑さんがカンボジアで撮影した写真も展示しました。

Arts Chiyodaでのトークイベント風景

シャンティ広報課でインターンをしている大学生の増田さんと高橋さんが司会進行を担当し、トークゲストのプロフィールが紹介され、いよいよイベントスタートです。

カンボジア都市部にあるスラムの今

アンコールワットなどの観光地に行かれた方は多いと思いますが、旅行では行く機会が少ない珍しい露店やスラム街などの様子を、川畑さんが写真を見せながら紹介してくれました。

カンボジアの露店で撮影した写真はどれもとても美味しそう(?)です。カンボジア料理の中でも有名なロックラックやパラミツ(ジャックフルーツ)、カンボジア人も普段はあまり食べないような食材まで…。川畑さんが食べている様子を現地の人が珍しそうに見ていたそうです。

スラム街の写真に写っている子どもたちは笑顔ですが、生活は楽ではなく、実際は治安が悪く危険な場所です。多くの人は掘っ立て小屋のような住まいに、壁やしきりもない環境で暮らしています。電気が通っていないところも多く、冷蔵庫の代わりに氷を買って食べ物を冷やしています。スラムで暮らす人々は、汚水がたまりで魚を釣ったり、ゴミを拾うなどして生計を立てています。雨期になると、排泄物や汚水が混じった水は、高床式の住居部まで上昇します。

カンボジア都市部のスラムで暮らす人々の様子

そんなカンボジアのスラム街でシャンティは、教育を受けられない子どものために移動図書館活動も行っています。唄を歌ったり、ゲームをしたり、絵本の読み聞かせなどを通じて、子どもたちに学ぶ機会を提供しています。

子どもたちに読書の機会を!‐スラムの移動図書館‐

埋まっている地雷の数は減っていない?

地雷原を取材されたエピソードもとても興味深かい内容です。カンボジアでは、いまだに600万個埋まっていると言われ、その数字は数年前から減っていません。どれだけの数の地雷が埋まっているかも分からないからです。

カンボジア地雷原を取材した様子

金属探知機で見つけにくい木で作られた地雷もあります。爆発するとクレーターができるほどの対戦車地雷に比べ、対人地雷の威力は高くありません。その理由は、人を殺害することが目的ではないからです。負傷した兵士を1人救護するためには、2人の兵士が必要で、合計3人の戦力を戦場から遠ざけることを狙ったものが対人地雷です。

カンボジアでは、17~18歳の女の子が地雷除去の仕事に従事している現実も。女の子に趣味を聞いてみると、お友達と服を買いに行くことが楽しみだと話してくれました。

戦争が人々の意識の中に残した爪痕

カンボジアの農村で使われているアルファベット表を見ると、私たちが普段使わないような単語が載っています。

カンボジアの農村部で使われているアルファベット表

Oは高級腕時計ブランドのOMEGA(オメガ)で、Pはparachute(パラシュート)、TはTank(戦車)、WはWar ship(軍艦)など。内戦や戦争を体験したおとなたちが見てきたことがアルファベット表にも現れています。

カンボジアの子どもたちが元気に遊んでいる様子や約9割の人が従事している農作業の風景など、平穏に感じられる写真もありますが、壁のない校舎の写真など、カンボジアの現実を見せつけられる写真も少なくありません。

学ぶ気持ちは何歳になっても

シャンティの作った公民館では識字教室も行われ、70歳を超えるおばあちゃんも通っています。おばあちゃんは仏教の本を読めるようになりたいと足繁く通っています。何歳になっても人は学ぶ気持ちを忘れないものなだと感じました。

トークイベントカンボジア2016

出稼ぎに行ってパソコンを買って帰ってきた青年の話

ある青年がタイへ出稼ぎに行って、パソコンを買って帰ってきたそうです。タイで見かけたインターネットカフェを自分の村でも出来たらすごいぞ、と期待を膨らませていたようです。

もちろん、インターネット回線はおろか、電気もない農村でパソコンを使おうとしても動きません。青年は文字も読めず、パソコンやインターネットの仕組みも知らなかったため、パソコンを買えば自分の村でもインターネットができるものだと思っていたそうです。村に帰ってくるまで気づかなかったのも不思議ですが、奥さんにものすごく怒られたことは、想像に難くありません。

川畑嘉文さんとシャンティ江口

農村地域では、学校に通ったことがなく、読み書きができないおとなが多くいます。それでも、子どもを持つ親たちに聞くと、いつか子どもを学校に通わせてあげたいと思っています。

カンボジアの今に対し、私たちにできること

フォトジャーナリストと駐在員の視点からカンボジアについて紹介してきましたが、最後に川畑さんから「お友達や家族と今日のイベントで得た情報をシェアしてほしい」とのお願いがありました。これまでさまざまな国を訪れ、過酷な状況におかれた人々の生活を目の当たりにしてきたが、ジャーナリストの仕事はそれらの真実を伝えること。これらの情報を受け取った人が、自分にできることを考えるきっかけになればよいと、締めくくりました。

質疑応答

Q.海外で危険だと思ったことはありますか?
A.地雷原での撮影では、プロテクターなどを着けて、ある一定の距離を保ちながら撮影をするなど、安全には心がけています。ただ、プロテクターを着用していても爆発すれば肋骨ぐらいは折れるそうです。以前、アフガニスタンで自由に歩き回っていた場所が、数年後地雷が残っている危険な地帯だと確認され立ち入り禁止になっていたこともありました。カメラなど高価な物を入れたカメラバッグを背負っているため、後ろから襲われて奪われそうになったこともありました。細心の注意を払って取材をするようにしています。(川畑さん)

Q.カンボジアで人気の絵本は? 日本で人気の絵本も反応が違うのでは?
A. カンボジアでは、劇画調の絵柄や写実的に描いたものが多いため、かわいく、デフォルメされた絵柄が苦手な子どももいるようです。絵本に対し、子どもたちや現地スタッフから受けたフィードバックを元に、シャンティは出版活動も行っています。(江口)

トークイベントを終えて

このイベントを通して、カンボジアがより身近に感じられるようになっておりましたら幸いです。カンボジアのスラムや農村でも、学校に行ったことがない親やおとなは、教育は大切だと認識しています。どうすれば子どもたちが学校へ通えるようになるのか、教育を受けるために何が必要なのかを日々考えながら、一人でも多くの子どもに教育の機会を提供できるようシャンティは活動を行っています。

川畑嘉文さんとシャンティ江口

もし、何かやりたいという方は、ぜひシャンティの活動でもかまいませんし、自分で考えた「私にできること」を実践していただけると嬉しいです。

【イベントレポート】
広報課 広報担当
召田安宏

参加者の感想(アンケートより一部抜粋)

・現地の写真や現地に行かれないとわからないようなお話など、大変貴重でした。お話だけでなく、写真があったことで想像しやすかったです。
・自分が知らない世界を知るのが好きで、世界についての本を色々と読んでいますが今日は語り手が目の前にいる状態で話を聞け、とても刺激を受けました。
・絵本に対するカンボジア人の感じ方が面白かった。

 

カンボジア駐在員 江口によるブログ記事もぜひご覧ください

3つか4つのいいところ

 

  • 特集:35周年特設サイト
  • 本の力を、生きる力に。
  • はじめての方でもよくわかる シャンティのこと