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カンボジアで発見!こんなところに日本の◯◯

2016.8.13   カンボジア

チュムリアップスーオ!皆さま初めまして、シャンティ カンボジア・プノンペン事務所にて1ヶ月の研修生をさせていただいております、稲葉です。

 

某テレビ番組ではありませんが、カンボジアで日本の◯◯を見つけてしまいました。

 

はじめてのおつかい
筒井頼子『はじめてのおつかい』(福音館書店 1977年)

 

そうです、カンボジアで日本の「絵本」を見つけてしまいました。

 

『はじめてのおつかい』、この絵本はきっとご存知の方も多いはず、5才のみいちゃんが初めてのおつかいをお母さんに頼まれ、一人で牛乳を買いに行くお話です。私も大好きな本で、小さい頃よくお母さんに読んでもらっていました。

 

これは、シャンティの活動の一つ、「絵本を届ける運動」によって日本からカンボジアに届けられた絵本の一つです。

読み書きができない、絵本を読んでくれる人がいない子どもたちへ、絵本を手にする機会をもってもらおうと1999年に始まったこの活動。これまでに届けた絵本の冊数は2014年度時点で24万冊以上、カンボジアには15万冊以上の絵本が届けられています。

 

なぜ絵本なのか、なぜ日本の絵本なのか

食べ物や病気の薬、日常に必要とされている支援はまだまだたくさんあります。

その中で、なぜ絵本なのか。

絵本がなくたって、生きていくことはできます。

しかし、絵本は楽しいというだけでなく、子どもたちが読み書きを習得することの助けにもなります。読み書きの習得は、健康や衛生、農業についての正しい知識を得たり、生活スキルの向上につながり、安定した職に就ける可能性だって上がります。

また、「やさしい気持ち」、「いじわるな気持ち」、「うれしい気持ち」、「かなしい気持ち」、絵本を通してであうたくさんの感情、それらの感情体験は子ども時代の私たちの心に強く訴えかけ、成長した今も深く私たちの心に残り続けているのではないでしょうか。絵本を通して私たちはたくさんの大切なことを学んだはずです。

 

お菓子より絵本がいい、お菓子はすぐになくなるけど、絵本はなんども楽しめるから-

シャンティが活動を始めたころ、カンボジア難民キャンプで、ある少女が言った言葉だそうです。

食べ物は食べたらなくなってしまうけれど、本を読んだ記憶は残り続ける-

そのときの絵本との出会いが、ときにその後の人生の支えとなることもあります。

 

なぜ日本の絵本なのか、

かつての暗い歴史から、多くの書物を失ったカンボジア。

現在ではカンボジア国内で出版される本の量も増えてきてはいますが、その種類や質も発展途上というのが現状です。

そこでシャンティは、日本で出版された質の高い絵本に、翻訳されたその国の言語のシールを貼って図書館に届けることを始めました。

国や文化、時代を超えたくさんの人に愛され親しまれてきた絵本たちだからこそ、質も良く、自信と確信をもって子どもたちに勧められます。

 

ぎゅうにゅうくださあい

「ぎゅうにゅう くださあい」

印象深いこのシーンの文字も、すべてクメール語になっています。

絵本を通し、海を超えて子どもたちが同じ物語を心に刻んでいく、とても素敵ではありませんか?

 

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そのほかにもみなさんのご協力の下、日本から届いたたくさんの絵本が配架されています。

 

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たくさんの方々のご協力と支えにより海を渡ってきた絵本はきっと、本を手に取る子どもたちの記憶の中に残り続けます。いつも温かいご支援ありがとうございます。

 

研修開始から早一週間、

目を背けたくなるような現実もここにはたくさん広がっています。毎日のように落ち込みます。スラム街を訪れた日や、物乞いの方に会った日には特に。私一人が何かした結果ではないし、私一人が心を痛めたところで何も変わらない。でも、どこかしらできっと私はこの現状に加担してしまっている、毎日1ドルで朝食を済ませながらそんなことを考えると、心がきゅっと締め付けられます。そんな中で、シャンティの職員の方々のようにこの現実から目を背けることなく、ここカンボジアの地で尽力されている方々の存在を間近に見させていただいて、日々たくさんのことを感じています。

この地に来て何より感じることは「支援する」ってなんだ?ということです。

研修期間中、何度かプロジェクト実施場所にも足を運ばせていただく機会があるのですが、現状を伺う度にその難しさを感じます。支援対象の方々のためにと行っている支援でも、なかなかその良さを理解してもらえず全員に受け入れてもらえないという事例も多く聞き、「こんなにいい成果が見えることをなんでやらないの??」なんてことも感じてしまいます。…でも考えてみればそれは仕方がないことなのかもしれません。支援側からすれば、プロジェクトの全体像があって、一つ一つの成果を達成した先に信じる目標が見えている。しかし被支援者となる方々にも苦しいながらにももともとの生活があって、信じてやってきたやり方がある。お互いに信じるものがあって、ここではある種の”文化の衝突”が起こっているのかもしれません。

そこではっとしたのが、今日一緒に同行させていただいた先生がおっしゃっていた『論より証拠』ということです。「こうやればうまくいく」という論を押し付けるのではなく、実際に上手くいく証拠を見せる、ということです。押し付けた支援はきっといずれ廃れていってしまいます。けれど、時間はかかっても被支援者となる方々が納得して、信じてくれた支援というのはきっとその地に根付いていくのではないでしょうか。そうした意味で、「支援する」というのはある種の信頼関係に基づいているのかなと感じました。支援側は支援対象の方々のコミットメントを信じて投入する、被支援者となる方々は支援側の提示する活動を信じて行っていく、そうした中で築き上げられる信頼関係によって、新たなニーズが見えたり、さらなる展望が見えたりしていくのかもしれません。予算や時間に限りのある中で、もどかしさを抱えつつも、それでもシャンティの職員の方々が熱心に何度も現地に足を運び、住民の方々と話し合い、再考し、ということを続けるのにはきっとそうした意味があるのだと気付かされました。

少し長くなってしまいましたが、この研修を通し、この他にもたくさんのことを教えていただいています。美味しいごはん屋さんもたくさん教えていただいています。あと3週間、精一杯この貴重な空間の中で吸収(※知識を。ごはんじゃありません)させていただきたいと思います!

カンボジア・プノンペン事務所 研修生
稲葉未希

★他のNGO海外研修プログラム参加者の声もぜひご覧ください。

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