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すべては図書館から始まった

2017.4.1   ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

こんにちは。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。

 

今年の1月の中旬に、私たちの事務所のfacebookのページに、1通のメッセージが届きました。

 

「はじめまして。僕の名前はシーショーです。昔、メラマルアン難民キャンプに住んでいた時に、多くの時間を図書館で過ごしました。図書館でたくさんの絵を描いてきました。そして、今、僕はプロのアーティストになります。今年の3月にアメリカの大学を卒業し、アニメーションの学位を取ります。僕のすべては、難民キャンプの図書館から始まりました。」

 

このメッセージをきっかけに、私たちと彼のメッセージのやり取りが始まりました。

 

シーショーさんは、現在24歳。4歳の時に国軍が迫ってきた村から逃げて、国境を越えてタイの難民キャンプにたどり着きました。いくつかの難民キャンプを渡り歩き、6歳の時からメラマルアン難民キャンプに住むことになったそうです。

 

「メラマルアン難民キャンプに図書館ができたのは、僕がまだ小さい時で、10歳頃だったと思います。図書館は、僕にとって第2の家でした。学校がない土曜日は、一日中図書館で過ごしました。学校がある日も、お昼時間に毎日図書館に行きました。僕は、絵本を読むことと、絵を描くことが大好きでした。図書館にある絵本はすべて読んでしまい、いつも新しい絵本が届くことを心待ちにしていました。それでも、絵本に描かれている美しい絵を見るために、既に読んでしまった絵本でも、ページをめくることをやめられませんでした。僕が一番好きだったのは、お絵かきの日です。家にいても何も描くものがないので、図書館に行って絵を描きました。特に、タイとビルマの美しい風景を描くことが好きでした。」

 

そうした日々が続き、彼は、シャンティが開催していた絵本コンテストに関心を持ち始めました。

 

「僕は絵本コンテストに毎年参加していましたが、ずっと賞を取ることができませんでした。それでも、絵の描き方を学びたいと思い、毎日図書館に行って、絵本に描かれている絵を見ていました。そして、ある年、僕の絵が賞を取ったと知って、信じられませんでした。はじめて出版された絵本を見たときは、本当に嬉しかったです。」

 

彼は、2010年6月、アメリカに第三国定住しました。

 

「僕の人生は、すっかり変わってしましたが、自分が世界の一部になれたと感じました。難民キャンプでは、何にも属していないと感じていたのです。それでも、アメリカに来てからは、カルチャーショックで何もかもが容易ではありませんでした。大変な思いもしましたが、高校卒業後、ずっと関心を持ち続けていたアートを学ぶことのできる大学に進学し、絵画を専攻することができました。その後、専攻はアニメーションになり、絵画や映画製作、写真撮影の手法なども学びました。そして、今年の3月に無事に大学を卒業することになりました。大学を卒業したら、まだ叶うか分からないけれど、アニメーションの仕事に就きたいと思っています。そして、機会があったら、子どもたちにアートの楽しさを教えたいです。」

 

そして、難民キャンプの子どもたちへのメッセージもくれました。

 

「僕が難民キャンプにいたときには、図書館が知識を得る唯一の場所でした。今、難民キャンプにいる子どもたちには、是非図書館で本を読み、世界を知ってほしいと思っています。そして、自分の将来を考え、何になりたいかを考え始めてほしいです。そうすると、きっと夢が見つかりますよ。」

 

はじめて受け取った初めてのメッセージを、BRC事務所の職員に話したとき、涙を流しながら話を聞く職員もいました。私たちが難民キャンプの人々と一緒に蒔いた種は、長い年月を経て、確実に実を結んでいると感じ、胸が熱くなりました。

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 (シーショーさんが絵の部門で最優秀賞を取った2009年の出版絵本『2人の王子』。イラストレーターとして、Saw Si Soeと名前が書かれています。)

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の活動へのご支援もよろしくお願い致します。

詳細は、こちらのサイトからご覧いただけます。

http://sva.or.jp/support/donate/brc.html

 

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 菊池

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