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難民キャンプはどんなところ?「世界難民の日イベント2017」開催報告

2017.6.26   イベント報告ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

世界難民の日イベント2017で登壇する浅木

2017年6月17日(土)、武蔵野プレイスの一室を借りて、世界難民の日イベント「インターンが見たタイ国境の難民キャンプの今」を開催しました。約1年間、長期インターンとしてタイ国境の難民キャンプで活動してきた浅木麻梨耶が難民キャンプの現状と難民を取り巻く環境の変化について報告し、約1ヶ月間の短期研修プログラムに参加した増田京美さんとともに難民キャンプとその周辺での暮らしについてトークセッションを行いました。難民に関心のある方、海外インターンや研修に興味がある学生など、35人の方にご参加いただきました。

【6/17(土)】世界難民の日イベント「インターンが見たタイ国境の難民キャンプの今」

タイ国境の難民キャンプの暮らしは

タイ国境の難民キャンプの歴史的背景とキャンプの概要を紹介する浅木

1949年頃からミャンマー(当時ビルマ)で少数民族の反政府勢力と軍事政権の対立が始まり、軍事政権からの迫害や抗争から逃れるため、1975年以降、避難民が国外に流出しはじめました。1984年にタイとミャンマーの国境に公式に難民キャンプが設置され、当時14万人の難民が集まり、現在も9ヵ所の難民キャンプに約10万人の難民が暮らしています。

難民キャンプはタイ政府の監督下におかれ、国連機関や国際NGOなどが社会サービスを提供しています。2015年にミャンマー国内での停戦合意の動きを受け、2016年10月には第1回目の難民が帰還するなど、帰還に向けた準備が加速しています。

シャンティからのお知らせ|30年ぶりの祖国へ。タイ国境ミャンマー(ビルマ)難民 帰還開始

衣食住、医療や教育、宗教施設、井戸などのインフラ、帰還や自立支援など、難民キャンプでの暮らしは、すべて国際的な支援でまかなわれています。近年は国際支援の減少に伴い、NGOの撤退や事業縮小が相次いでいます。

難民たちはどこへ行くのか

シャンティ国際ボランティア会 浅木麻梨耶

何十年にもおよぶ難民キャンプでの暮らしは、政府への不信感を募らせ、故郷への愛着を薄れさせてきました。NGOは帰還に向けた支援に動き始めた一方、難民の中には、キャンプに留まりたいと思う人も少なくありません。

難民の行く先には、大きく3つの選択肢があります。

1.避難先への帰化
2.本国への帰還
3.第三国定住

帰化や第三国定住の可能性は限りなく低く、実質的に本国への帰還が選択肢となります。2016年10月、タイとミャンマー両政府の合意の下での初めての難民帰還があり、20世帯、71人が国際機関の支援を受けて祖国へと帰りました。

しかし、難民帰還の動きがある一方、帰還を希望する人は少ない状況です。帰還した先で、住む場所や仕事、医療、教育など、安全に暮らせるのか、まだ不安に感じているからです。

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプが抱える課題

世界難民の日イベント2017に35人以上が参加

難民キャンプでは、小学校から高校まで、教育を受ける機会があります。しかし、難民キャンプで受けた科目=カリキュラムは、ミャンマーへ帰国しても、正規の教育として認知されず、教育を受けた修了証明として使えません。

また、難民キャンプでは常に帰還や第三国定住などで人の出入りが多く、人材が流動的です。特に教育従事者の低年齢化と、教育の質の低下が課題となっています。教育関係団体の撤退も相次ぎ、教材や教具も不足しがちで、教員の負担も増えています。

そんな難民キャンプの子どもたちが描いた絵には、ある特徴があります。ヌポ難民キャンプの学校図書館に飾られた子どもたちの絵の多くに、カレン族の旗が描かれているのです。難民キャンプで暮らしていても、自身の民族やアイデンティティを大切にする気持ちが絵に表れているのかもしれません。

難民キャンプの子どもたちが描いてくれた絵にはカレンの旗が描かれています

難民キャンプの子どもたちが描いてくれた絵にはカレンの旗が描かれています

インターンの仕事は多種多様。サッカーを教えるため走りながら通訳したことも

シャンティは、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプでコミュニティ図書館の運営を通し、カレン語やビルマ語の図書の提供、読み聞かせ、レクリエーション、出版、帰還地や本国の情報配信などを行っています。また、週末には青年ボランティアによる読書推進活動なども実施しています。

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプでの活動について詳しくはコチラ

インターンや短期研修生は、難民キャンプでのさまざまな活動、業務に関わります。帰還先の情報提供や難民へのヒアリング、キャンプを訪問する人たちのアテンドなど、その業務は多岐にわたります。6/20=世界難民の日に合わせて行われている「サッカーフェスティバル」では、元Jリーガーの本田さんの通訳として、一緒に走りながら通訳を担当したこともありました。

We Stand with Refugee

難民キャンプでのインターン・研修生の過ごし方

長期インターン経験者の浅木麻梨耶(左)と短期海外研修プログラムに参加した増田京美さん(右)

シャンティは、夏休みや春休みなどの大学の長期休暇に合わせ、短期間、現地事務所での活動を経験できるNGO海外研修プログラムを実施しています。その研修プログラムに2016年の春に参加した増田京美さんも登壇し、難民キャンプでの活動と周辺での生活について教えて紹介してもらいました。

タイ国境の難民キャンプは、普通の観光客が入れる場所ではありません。シャンティのミャンマー(ビルマ)難民支援事業事務所のあるタイのメーソットには、難民支援を行う国際機関や各国NGOのスタッフなど、多様な人たちがいます。休日には他団体の人たちと料理を作ったり、ムエタイに通ったり、現地での生活を楽しむ時間もありました。

難民キャンプでは、人々の生の声や姿を見ることができます。難民キャンプで得た経験は、2人にとってかけがえのないものになったようです。

 

★シャンティでは「長期インターン」や「NGO海外研修プログラム(短期海外研修)」、「東京事務所インターン」などを随時募集しています。海外インターンや研修に興味がある方、国内で国際協力の活動に関わりたい方は、ぜひチェックしてみてください。

人材採用について|公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)

 

絵本への翻訳シール貼り体験会も開催

「絵本を届ける運動」で届ける絵本に貼る翻訳シールをハサミで切り取ります

難民キャンプの報告会終了後、「絵本を届ける運動」の翻訳シール貼り体験会を行いました。2人1組で翻訳シールを切り貼りし、難民キャンプに届ける絵本1冊を仕上げていただきました。

「絵本を届ける運動」の翻訳シール貼り体験の様子

タイ国境の難民キャンプでは、難民の帰還が始まっていますが、すべての人の希望が叶えられるわけではありません。それでも、子どもたちが未来へ向かって進んでいけるよう引き続き、活動へのご支援と応援のほどよろしくお願いします。

シャンティ国際ボランティア会では、難民キャンプの子どもたちをはじめ、アジアのまだ本を知らない子どもたちに「絵本を届ける運動」を行っています。ぜひご協力お願いします。

絵本を届ける運動 特設ページ

イベント報告
シャンティ国際ボランティア会
広報課 広報担当 召田 安宏

難民について詳しくはコチラの記事もぜひご覧ください。

世界の難民と日本の私たち

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