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スラム図書館のその後

2017.7.15   カンボジア

皆様、こんにちは

昨年まで実施していたスラムのコミュニティ図書館事業で、アピワット・ミンチェイ地区に建設した図書館のモニタリングに行ってきました。この図書館は2015年半ばに開館し、今年の初めにコミュニティ組織に引渡しを行ったものです。それから半年間、図書館の運営や利用状況がどのようになっているかを見に来たのですが、嬉しい事に予想以上に有効に活用されていました。

まず目に付いたのが、多くの子どもたちが絵本を読んでいる様子です。同じコミュニティで私立小学校を運営している団体が、彼らの授業の一環として、毎日午前中と午後の1時間、児童をこのコミュニティ図書館に連れてきているとの事。従って、毎日100名程度の子どもが図書館を利用して本を読んでおり、更に以前は行っていなかった本の貸し出しも始めていて、その記録もしっかりとつけられていました。

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また、ボランティアで働いている図書館員が、子ども達とゲームを行ったり、歌を歌ったり、紙芝居の読み聞かせをしたりと、プロジェクト終了時も活動を継続し、技術を向上させている様子が伺えました。子ども達が大きな声で笑い、楽しんでいる様子を見ながら、この図書館がスラムの子ども達の成長や学習に大きな効果をもたらしていると改めて感じました。

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図書館の開館時間は月曜日から金曜日までの午前8時から11時半までと午後2時から5時までですが、それに加え、夜6時半から2時間、住民の有志によって子ども達への補習校のような授業行われています。更に、土日も手が開いているボランティアで不定期に開館しているようです。

引継ぎの時に心配された電気や水道代などの維持管理費ですが、こちらは住民による資金調達や一部協力団体の援助により工面できているようです。まだ住民達自身が図書を追加購入する事はできていませんが、この半年間で来訪者から300冊以上の本の寄付があったそうで、図書の冊数も増加していました。

コミュニティに設置した図書館が、事業終了後も継続して機能し続けることは簡単ではありません。しかし、この図書館はすでにコミュニティにしっかり根付き、住民の生活空間の一部として存在している様子が伺われました。この成功の理由はいくつかありますが、特に住民代表の強力なリーダーシップと住民の主体性、同じコミュニティで活動している他団体の協力が大きいと思われます。

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国の発展と共に貧富の差が拡大しているカンボジア。その発展から取り残されているスラムの住民ですが、せめて子ども達には良い教育を受けさせ、将来は良い仕事について欲しいと願う大人たちの気持ちがひしひしと伝わってきました。本にふれる機会が限られているスラムの中で、このような図書館活動が継続・発展している事を非常に嬉しく思うとともに、事業を実施してきて本当に良かったと思えるひとときでした。

ご支援頂きました皆様、本当に有難うございました。

カンボジア事務所 玉利清隆

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