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学校図書室から広がる夢

2017.8.28   ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

こんにちは。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所では、難民キャンプのすべての人が図書へアクセスできる環境を目指して、従来のコミュニティ図書館での読書推進活動に加え、近年、学校や難民キャンプ内の地区で読書推進活動に力を入れています。

今日は、昨年実施した学校図書室改善活動を経て、大きく変わったメラ難民キャンプの第2高等学校の様子をご紹介したいと思います。この学校図書室改善活動は、外務省の日本NGO連携無償資金協力を受けて実施されました。

メラ難民キャンプの第2高等学校(1年生から12年生までの小学校~高校レベルまで含まれる学校)では、もともと図書は学校事務所内の狭いスペースで管理されており、ほとんど図書を読む人はおらず、図書の多くが埃をかぶっている状態でした。

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この学校に通う、ソーヤーザーさんは、図書館青年ボランティアとしてコミュニティ図書館でのお手伝いや読書推進イベントに関わっていましたが、ある日、学校図書室の修繕活動の話を聞き、是非自分の学校を対象にしてほしいと学校の先生に働きかけました。

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(メラ難民キャンプで活躍する図書館青年ボランティア。前列の一番右側で立っているのがソーヤーザーさん。)

教育部会、学校とシャンティの協議の結果、この学校を修繕対象とすることに決定し、2016年、ソーヤーザーさんをはじめ、この学校の多くの学生の参加・協力の下、図書室の拡大、修繕活動が実施されました。
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修繕実施後、彼は、友人たちと一緒に、学生による学校図書室委員会を作り、図書館ボランティアの経験を活かしながら、「生きた」学校図書室へと変えていきます。学生に役立つ図書を集め、学生が利用しやすいように図書の配置や分類を工夫しました。図書室内に折り紙で装飾を施して、誰もが親しみやすい空間を作りました。さらに、委員会のメンバーを4つのグループに分けて、曜日を分けながら、下の学年の子どもたちへの読み聞かせ活動も実施しています。また、最近は学生への図書の貸出活動の他、図書室を運営するためのファンドレイジング活動も実施しています。こうして大きく変わった図書室は、「New Light Library(新しい光の図書館)」と名付けられました。

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この学校図書室委員会のメンバーの多くは、今年、図書館青年ボランティアとなり、学校以外にも、難民キャンプ内の地区でも週末におはなし会を実施しています。学校図書室委員会や図書館青年ボランティアを経験して、彼らは自身の変化やおはなし会に参加する子どもたちの変化に気が付いたそうです。

「学校図書室を改善し始めたら、もっとこんなことができる、あんなことができると思うようになりました。これまで、子どもたちの前で話をするなんて恥ずかしくて考えられなかったのに、今では自信をもって話すことができます。子どもたちはおはなしが大好きで、週末のおはなし会に行くと、今度はいつあるの?とよく聞いてきます。子どもたちから「先生」と呼ばれると、恥ずかしいですけど、嬉しいです。また、子どもたちの行動も変わってきています。おはなしの中に私たちが大切にすべき道徳の話もありますし、私たちや多くのお友達と触れ合うことを通して、どのように他人を尊重するのか、自ら学んでいるようです。子どもたちの変化は、私たちが変えようと思って何かしているわけではなく、子どもたちが自分たちで変わっていっています。このような状況を見ると、読書週間は大切だと思います。次の世代の子どもたちには、読書を大好きになってもらいたいです!」

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第2高等学校の学校図書室が大きく変化したのは、学生の力だけではなく、それを見守り、学生を後押しした先生の力もありました。この学校の校長先生、ソーカポーシー先生は、この学生たちの熱意、取り組みについて、このように話していました。
「これまでは、図書は学校事務所内のスペースに保管していました。コミュニティ図書館から図書を借りることはありましたが、図書を傷めてしまうこともあり、最初に学生たちから学校図書室の改善の話を聞いたときには、本当にそれができるのか、教員の負担が増えるのではないか、正直心配はありました。しかし、学生の熱意に触れ、彼らに任せてみようと最終的に判断しました。その後、学生の参加や図書館員からのサポートを受け、2016年に学校図書室を修繕することができました。図書室修繕後、学生たちは自ら学校図書室を使用する際のルールを決め、ルールを破った者が場合には、教員が罰を与えるという決まりも作りました。心配はありましたが、今では、彼らがここまで熱心に取り組んでいることに感心し、彼らを誇りに思っていますよ。」

ソーヤーザーさんは、このように話しています。
「第2高等学校のこの図書室は、この地区ではとても有名になりました。今は、学生だけでなく、この地区に住む人々も本を借りたいと学校に話しています。次の目標は、この学校図書室を、コミュニティの誰もが利用できるコミュニティ図書館にすることです。」

学生たちの夢はどんどん広がります。シャンティは、彼らの取り組みを応援していきたいと思います。

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ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 菊池

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