シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 集計するだけが仕事ではない「経理の仕事」

集計するだけが仕事ではない「経理の仕事」

2017.11.13   スタッフの声東京事務所より

経理の仕事で大切なこと

こんにちは。東京事務所の瀧です。海外事務所の経理を担当して2年が経ちます。

経理業務に携わると、一枚一枚の伝票から、全ての費用をチェックできます。月次決算の後、試算表全体を見て、費用は削減できているかを分析、把握できるのです。経理マンの資質とはなんでしょうか。

経理マンに必要な5つの資質

●実務経験

経理マンに必要なのは実務経験です。会計士や税理士といった有資格者でも経理実務の経験がなければ、うまく回るとは限りません。資格を取得していれば、その知識と努力は評価されますが、大切なことは、信頼して仕事を任せられることだと思います。「信頼感」「誠実さ」「人間性」が仕事への適性となるのはどの職務でも同じです。

●内勤が苦にならない

経理は、デスクワークで椅子に座っている時間が多く、外出を伴う仕事ではありません。営業や支援者対応をしていれば、外回りで休憩や息抜きができますが、経理はそれができません。私も以前は、クライアントを回り、人と会って話す仕事をしていた頃がありましたが、今はそれを懐かしく思います。日常業務である内勤を「息が詰まる、耐えられない」では難しいです。

●コミュニケーション能力

経理は、人脈や対人スキルの世界ではなく、知識と技能重視の職人的な世界と思われるかもしれませんが、違うと思います。経理は組織内外のさまざまな人たちと対話し必要な情報を入手したり提供しなくてはならず、経理知識が関係のない人に対してもうまく説明しなくてはいけないからです。仕事上でのいわゆる「コミュニケーション能力」はとても重要です。

●迅速かつ正確な処理

私が民間企業で働いていた時、「作業や対応を迅速に処理すること」がとても大事にされていました。グローバルな環境で競争には、迅速な判断と対応が不可欠で、決定事項は、即行動しなくてはならないということです。スピードは事業会社でもNGOの業界でも欠かせない不可欠なものです。地震や災害が発生すれば、支援や救援に一刻を争う状況になり、対応が遅れれば、尊い人命が失われることになります。

また、経理は報告期日が決まっていますので、提出物は期日までに仕上げなくてはなりません。ただ、数字を扱う仕事でスピードだけを追い求めた結果、間違いが生じれば、結果として訂正する時間と労力が増える結果になります。経理は「ミスを摘発する」仕事ではありませんが、「ミスを指摘し修正する」重要な役割を負う仕事ではあります。ミスに気づかないまま放置してしまうと、誤った報告に繋がります。

●経理実務と監査

海外経理は、海外拠点に出張し、内部監査の実施や立会を行うことがあります。組織内で、管理的な役割を負うと、別の担当が作成した書類や数字をチェックする仕事も増えてきます。外部会計監査が、実務とは異なることを痛感します。

監査と経理では異なる視点が必要

監査サイドと経理サイドでは仕事内容も視点がそもそも違うのです。

経理実務→会計数値を取りまとめ正確に作成し報告する仕事。
監査業務→財務報告の結果が適正かどうかチェックし正しく作成されるよう指導する仕事。

私が外部監査業務に従事していた頃、難しいことを簡単に話すことができないもどかしさ、監査対象の事業や取引を深く理解する視点を持てないことなどを感じました。一方、経理の実務のほうは、圧倒的に事業現場に近く、会計、予算、資金管理など、幅広い業務があります。監査は、一定の経理実務を経験した人が行わないと難しいかもしれません。

監査は、BS残高と証憑や帳簿との整合性を重視するので、PL項目、特に原価への指摘は甘くなりがちです。また表面的な規則準拠や整合性に気を取られがちです。

一般に監査人は保守的で、ルールに則った教科書的な意見を言いがちです。監査される側からすると杓子定規で融通が利かないと思うこともあります。監査人は実際に事業に携わっていないのだから当然とも言えますが、監査側がどれだけ柔軟な考えを持とうと努力しても、考えが固いと思われることはよくあります。

しかし、内部監査でも外部監査でも、監査の機能はとても重要だということも実感します。組織内部や実務の慣習や常識にとらわれない外部のコメントは貴重なものです。内部の利害にとらわれない、外部の指摘は内部の人が発揮できないものです。

まとめ~経理は集計するだけが仕事ではない

経理部門はどの組織でも必要な収益を生まないコストセンターですから、コストや課題を常に意識し、執行部へ提言する姿勢が必要です。

証憑をまとめて集計するだけが経理業務でよいなら、外部業者に委託してしまったほうがいいのかもしれません。経理マンは、事業全体の収支に関する視点を持ち、執行部や事業責任者へ指摘や提案ができなくては価値を発揮できません。

NGOが求めているのは即戦力ですので、机に向かってもくもくと業務をこなすだけでは務まりません。監査が入れば、監査対応もありますし、税務調査が入れば、課税当局と折衝をしなければなりません。知識に加え、論理的な思考と交渉力がなければ、一人前の経理マンになれないと思っています。

海外拠点でも、経理に携わっている担当者は同じ人間です。経理マンの資質は誠実性、常識、知識と正確性と数字を守る責任感が必要と思います。

事業サポート課 瀧 龍太郎

>> NGOの経理に関する他の記事

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 特集:35周年特設サイト