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カンボジアの教育事情の変化

2017.11.3   カンボジア

皆様、こんにちは
カンボジア事務所の玉利です。

先日カンボジア市民フォーラム等の主催によるシンポジウムで、UNTAC以降カンボジアの教育事情の変化を発表する機会があり、それに向けて過去のデータをいろいろと調べてみました。
私自身、1999年から2年間カンボジアに駐在していましたので、その時の様子を思い浮かべながらの作業でした。

果たしてこの20年余りの間でカンボジアの教育事情はどのように変ったのでしょうか。

改善点としてまず上げられる点は、小学校就学率の増加です。1997/98年では78.3%であった純学率が、2016/2017には97.9%まで上昇しました。

また、先生の給料が大幅に上昇しました。1994年は月給が$8程度、1998年でも約$20ドルで、生活のためには副業せざるを得ない状況でしたが、現在は月に最低約$240と、農村では十分に生活できるレベルにまで上昇しました。
更に先生の学歴も向上しました。1994年には中学校を卒業している先生は5%程度でしたが、2011年には約65%、高校卒業の先生も4割を超えています。

学校の校舎も援助団体の支援もあり、木造やトタンを使用した校舎から鉄筋の校舎がかなり新設されました。しかし、教育省はまだ3,000校の校舎の建設が必要としています。

また、教育政策が改善され、政府も教員研修やカリキュラムの改善、現場視察の重視、障害児や少数民族の児童への配慮も行うようになりました。

シャンティ国際ボランティア会

一方、あまり改善していない点、最近になって上がってきた問題もあります。

まず、未だに校舎や教員の不足から全国の7割の小学校は午前と午後の2部制となっており、1日の学習時間は4時間程度で必要とされる授業時間を確保できていません。

また、義務教育である中学校の純就学率は未だに4割弱です。中学の就学率には貧富の差が顕著に現れており、2012年の社会経済調査によると、富裕層20%の就学率が57.6%であるのに対し、貧困層20%は17.3%となっています。農村では徒歩圏内に中学校がある場所が少なく、貧困層は通学手段が確保できない、下宿費が払えないという問題に加え、家計を支える為に働かなければならない状況があります。小学校入学が遅く、留年などもあって小学校卒業時の年齢が高い子も少なくなく、卒業とともにタイや首都に出稼ぎに行く子どもも増えています。
先日も小学校建設対象校の先生との話しの中で、昨年6年生で一番成績の良かった児童が、家庭の事情で中学に進学する事ができず、シェムリアップの市場で働いているという話を聞き、なんともやるせない気持ちになりました。

また、本来は無料であるはずの小学校や中学校でも、先生が有料の補修授業を行い、しかもその補修でテストに出るような重要な内容が教えられる傾向にあります。これは先生の給与が少なかった時代にはやむを得ない事であったのかもしれませんが、給料が上がっても悪しき慣習が残っている状況です。1年間に小学校教育にかかる経費は、2004年には$9.9、2008年は$20、2012年が$67.2というデータも出ており、やはり貧困層には厳しい現実となっています。

ポルポト時代に徹底的に破壊されたカンボジアの教育、その復興には多くの時間が必要です。今後10年、20年後にはこの状況が改善していることを願っています。シャンティも微力ながら改善のための貢献を行っていきたいと思います。

シャンティ国際ボランティア会

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