シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 熱気よみがえる昭和の映画館

熱気よみがえる昭和の映画館

2017.11.21   東日本復興支援

寒波に見舞われた週末の南相馬。

映画『シン・ゴジラ』上映とトークショーの開始を待つ人たちが長い列をつくりました。

 

朝日座前の行列

『シン・ゴジラ』イベント当日。開館を待って長い行列が伸びる。

 

会場となったのは「朝日座」。

JR常磐線原ノ町駅から歩いて15分ほどの場所に立つ、大正末期の芝居小屋の流れをくむかつての映画常設館です。

朝日座

1923年(大正12年)に建てられた芝居小屋を元とし、映画常設館として市民に長く親しまれた朝日座。1991年、観客数減少の影響もあり閉館。その後、2008年に発足した市民活動団体「朝日座を楽しむ会」が、建物の保存に取り組むとともに、不定期ながら映画上映会を開くように。2013年には、国の登録有形文化財に。

 

映画『シン・ゴジラ』は、2016年公開とともに大ヒット。第40回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、多くの映画・音楽賞を獲得しました。今回、日本アカデミー賞協会が2013年から行ってきた、映画で東北を応援する取り組みの一環で、朝日座での上映も実現しました。

特製ポスター

このイベントのために特別に作られたポスター。朝日座の文字が見える。作成は、本イベント実現に奔走した、宮崎のNPO法人宮崎文化本舗。このほか、多くのボランティアがイベント成功を願ってかかわりました。

 

イベントの1週間前にテレビの地上波で放映もあったため、イベント開催関係者はやきもきしたようですが、当日はその心配を吹き飛ばす盛況ぶりで、座席はほぼほぼ満員。「大きい画面で見ようと、テレビをがまんした」という声も聞かれました。

映画上映後のトークショー

映画上映後のトークショー「怪獣・特撮映画談議」も、イベント前から話題に。登壇者は、富山省吾氏(前東宝映画社長、日本アカデミー賞事務局長)、佐藤敦紀氏(『シン・ゴジラ』で日本アカデミー賞最優秀編集賞受賞)、開田裕治氏(怪獣絵師)の3氏。「『シン・ゴジラ』を南相馬で上映する意味は特別」という言葉も聞かれた。進行役は石田達也氏(NPO法人宮崎文化本舗)。

 

南相馬市内にも、映画上映できる施設は数か所ありますが、映画館らしいたたずまいを持っているといえば、やはり朝日座。思い出はふとしたことで蘇るものですが、昔の面影を残す建物などもそのきっかけのひとつですね。映画館として一旦幕を閉じたため、映画の上映を時々行っていることを知らない市民も多かったようですが、開始の列に並んでいると、朝日座で見た映画の思い出、何を見たのか、だれと来たのか、朝日座以外に市内にあった映画館の話など、昔を懐かしむ会話があちこちから聞こえてきました。

朝日座

晴れた日の朝日座。青空によく映える。

 

シャンティ南相馬事務所では、南相馬市および宮城県山元町の仮設団地で行っていた移動図書館活動の終了に伴い、本の運搬・展示を同時にできるブックトラックと、映画・演劇関係の書籍を、朝日座に寄贈しました。

寄贈したブックトラック

シャンティ南相馬事務所が朝日座に寄贈した、ブックトラックと映画・演劇関連書籍。

 

朝日座では、週2日ほど、平日の昼間にサロンを開いて、ロビーを近隣にお住まいの方たちや映画好きのおしゃべりの場として開放しています。お茶なども出しているので、映画・演劇の書籍を積んだブックトラックは、朝日座サロンのブックカフェ風演出にひと役買っているようです。

『シン・ゴジラ』イベント当日は、トークショー登壇者以外にも、映画関係者が訪れ、そのうちのおひとりが「いい本が多いですね。あ、僕の本もある。うれしいな」と、喜びの声も聞かせていただきました。

ゴジラグッズとブックトラック

寄贈したブックトラックの一台が、ゴジラグッズの展示棚に利用されていた。

 

前回のブログでは落語会をご紹介しましたが、映画もいいですね。

市民により愛される朝日座であること(横への広がり)、そして若い人に受け継がれていく朝日座であること(縦へのつながり)が大切。そんな声も聞かれました。

シャンティ南相馬事務所では、これからも、文化を通じて人が集う場づくりの応援を続けていきたいと思います。

南相馬事務所 古賀東彦

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 特集:35周年特設サイト