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報告会「あれから16年。アフガニスタンから逃れた難民の今」開催報告

2017.12.5   イベント報告東京事務所より

報告会「あれから16年。 アフガニスタンから逃れた難民の今」

2017年11月30日、東京・恵比寿のEIJI PRESS Labにて、報告会「あれから16年。アフガニスタンから逃れた難民の今」を開催しました。アフガニスタン所長代行のワヒド・アハマッド・ザマニと、アフガニスタン所長 兼 事業サポート課課長の山本英里が登壇し、アフガニスタンの話や他国に逃れていた帰還民たちの課題について報告しました。当日は、アフガニスタンに興味がある方を中心に、18人がご参加くださいました。

【11/30】報告会「あれから16年。 アフガニスタンから逃れた難民の今」

2mのナンと、美しい自然の国

報告会は登壇者の挨拶後、アフガニスタンの風土や文化の紹介からスタートしました。アフガニスタンはイラン、ウズベキスタン、タジキスタン、中華人民共和国、トルクメニスタン、パキスタンといった国々に囲まれた内陸国で、多くの民族が暮らしています。農業では、近年サフランが多く収穫できるようになりました。人々の食卓にはマンティという餃子のような料理やドライフルーツ、緑茶がよく出ます。ナンもよく食べられますが、「大きいナンだと2mになる」とワヒドは言います。「2m・・・。そんなナンがあるなんて」と非常に興味深かったです。

アフガニスタンはとてもきれいな国です

ワヒドは「アフガニスタンは本当に自然豊かで美しい国です。平和になったらぜひ遊びに来てください」と言って、見せてくれた写真には、青く澄んだ川や赤く紅葉した山が写っており、本当にきれいでした。2017年現在、外務省より退避勧告が出されており、日本人の渡航が禁止されています。彼の言うように、アフガニスタンが平和になったらぜひ見てみたいと思いました。

山積するアフガニスタンの課題と平和を取り戻してくれる希望

現在もアフガニスタンは政治が不安定です。大統領と行政長官の二人が政治の主導権を握っているため、度々衝突があり、国の復興を遅らせていると言われています。政治の混乱を反政府勢力が狙うため、2017年現在、アフガニスタンの40%がタリバンの支配下にあります。治安状況も悪く、大規模なテロもあります。テロは街中や大使館近くで発生し、市民や国際協力の従事者も多く犠牲になっています。治安が不安定なため539校の学校も閉校に追い込まれました。

2001年に行われた米軍による空爆は現在も継続されており、2017年4月、大規模爆風爆弾(MOAB)が使用されました。「試験的に投下されたのではないか」という見方や、米軍による「MOAB投下による市民の犠牲者はいない」という報道に対して疑問の声が上がっています。

女性問題も特に深刻で、多くの女性は外を自由に歩くことができず、14~15歳での早婚を迫られています。早婚や衛生面の関係で、アフガニスタン国内では30分に1人の女性が出産で亡くなっています。教育を受けられる機会も少なく、40%の女性が教育を十分に受けられていません。課題は山積な一方、少しずつ復興もしており、学校の建設などで900万人の子どもが学校へ通えるようになりました。ワヒドの「彼らが平和な社会を取り戻してくれる」という言葉がとても印象的でした。

アフガニスタンの未来を担う子どもたち

あれから16年、帰還する人々

アフガニスタンが抱える大きな課題の一つに“難民問題”があります。シリア難民に次いで世界で2番目に多いのがアフガニスタン難民です。その多くはパキスタンなどの隣国に逃れています。しかし、2016年にパキスタン政府の方針で帰還への動きが進み、2017年の1月末までに60万人以上の難民が帰還しました。しかし、帰還後の生活は厳しく、家族で帰還しても両親は仕事に就くことがなかなかできません。そのため、安価で細かい作業もできる子どもたちが働きに出ることもあります。市内の様子を撮った映像では、ゴミの中からお金になりそうなものを探す子ども、タクシーの呼び込みをする子ども、車の下に入って修理をする子どもが映し出されました。彼らは、パキスタンでは学校に通っていたけど、金銭的な問題で学校に通えない子どももいれば、パキスタンで使っていた言葉とアフガニスタンの学校で使う言葉が違うため、学校へ通えない子どももいます。帰還してからの生活の変化は子どもたちにも大きく影響しています。

帰還民の抱える課題

緊急で問題視されている越冬も深刻な課題です。寒い地域では、冬は-15℃にもなり、帰還民の多くが越冬に向けた住居や毛布の準備ができていません。そのため、子どもや老人の多くが冬を超えることができるのかが非常に不安視されています。

シャンティの活動と成果

シャンティは今まで、アフガニスタンで帰還民に対する緊急救援や、学校建設、図書館員研修、図書出版、子ども図書館の運営を行ってきました。

学校建設では、39校の学校を建設し、地元の人を雇って雇用の創出にも結び付けました。完成した時には地元の人や行政機関の人々を呼び、完成をみんなで祝いました。

図書出版では、93タイトルの絵本と23タイトルの紙芝居の出版をしました。もともと、アフガニスタンには絵本がほとんど無かったため、絵本を出版するまでの苦労話も山本からありました。例えば、絵本に描かれている動物に対し、現地の関係者からは「動物がなぜ服を着て、2本足で立つことができるのか」など戸惑いが多くあったそうです。他にも、残酷なシーンの絵を残すか残さないかで4時間も真剣に議論した話など、絵本1冊を出版するにも多くの苦労と話し合いがあったそうです。

報告会「あれから16年。 アフガニスタンから逃れた難民の今」

子ども図書館の運営はもともと短期で行う予定でしたが、スタートしてから学校に行けない帰還民の子どもやストリートチルドレンの憩い場になっていることから、運営期間を延長しています。図書館で本を借りた子どもは家に帰って文字の読めない家族にお話を読んであげています。

アフガニスタンでの活動をぜひ応援ください

写真:川畑嘉文

アフガニスタンの課題はいまだ多く、特に帰還民は多くの問題を抱えています。一方で復興は少しずつ進んでいます。国が平和になり、ワヒドが話してくれたような美しい自然を見に行けるように、シャンティでも引き続き活動に力を入れてまいります。シャンティが活動を行っている事業地(国・地域)や、活動内容を指定してご寄付いただけます。ぜひ、アフガニスタンでの活動への応援とご支援をよろしくお願いいたします。

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【イベント報告】
シャンティ国際ボランティア会
広報課 インターン 岩松 智子

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