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「できない」よりも「できる」を探す

2018.3.20   NGO海外研修プログラム参加者募集ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

ハラゲー!(カレン語でこんにちは)、法政大学国際文化学部3年の小嶋鈴乃です。
シャンティ・ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所でNGO海外研修プログラムに参加させていただいています。寒いのが苦手なうえ花粉症もちなのでこの時期のメーソットは本当に過ごしやすいです!タイ料理はパッタイとカオソイがお気に入りです。

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メーソットに来て3週間が過ぎました。「早かったなあ」と思う反面、日記を見返すと「いろんなことがあったなあ」と思います。本日はこの機会を利用し、研修前および研修を通じて考えたことを書いていきます。

<研修前>
今回の研修における私のテーマは、「難民に対して自分にできることは何か」でした。実は今回のメーソット滞在は、私にとって2回目です。私は2017年夏、大学のゼミのフィールドワーク(以下FW)でメーソットを訪れました。その時に調査したのがタイの「難民支援」です。シャンティ・メーソット事務所をはじめ、カレン民主同盟(KNU)、カレン難民委員会(KRC)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、メータオクリニック、メラキャンプなど、様々な場所を訪問しインタビューを行いました。FWの中で2つ、印象的だったことがあります。

1つめは、FWをコーディネートしてくださったタイ人の言葉です。彼女は「国際協力の場は日本人の学校ではない」と言いました。国際協力に参加する日本人の多くが、「いい経験になりました」と言うのだそうです。私もその言葉に違和感を持ったことはなかったし、言ったこともありました。しかし国際協力の場にいるのは先生でなく、国際協力を必要としている人たちであることを強く感じました。私は将来国際協力に関わる仕事をしたいけれど、国際協力の場で自分にできることは何だろうと思いました。

2つめはメラキャンプで出会った2人の10代の学生の話です。「将来はどんな仕事につきたいですか?」という質問に対し、2人ともキャンプ内で働くことを考えていました。それを聞いて私は、彼女たちが思い描ける将来像の範囲の狭さに驚きました。そしてキャンプを出た後「話を聞くだけで何もできなかった」という思いが残りました。

帰国後、調査をもとにグループで論文執筆・学会発表を行いましたが、私の中には「難民に対し何もできなかった」という悔しさが残り続けました。そんな中知ったのが、このプログラムです。「もう一度メーソットに行って難民のために何かしたい」と思い、応募を決めました。

合格を頂いた後、改めてフィールドワークで印象的だった2つのことを思い出しました。そして「私がNGO海外研修プログラムに参加し、できることは何なのか」ということを考え、今回のテーマを決めました。テーマに対して自分なりに見つけた答えを、シャンティでやらせていただいた活動をもとに書いていきます。

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<オフィスワーク>
第1週目と第4週目はオフィスでの活動がメインでした。まずミャンマー難民の現状を教えてもらい、わからないことを聞くことができました。FWの際に文献をたくさん読んだので、難民についてはそれなりの知識を身に着けて研修を迎えたつもりでした。しかしスタッフの方の話を聞くと、FW以降に進んだ事業・始まった事業・終わった事業があり、知らないことだらけになっていました。ミャンマー難民をめぐる状況は日々変わっており、状況を正しく理解するために常に学ぶ姿勢を持たなければならないことを痛感しました。

またオフィスワークは翻訳シールを切る、アンケートをPCに入力するなど、地道な作業が多いです。ですが私が切ったシールが本になって難民の子どもたちに届く、というのを想像すると集中して取り組むことができ、自分にとって意味ある作業になりました。もし私が難民についてよく知らなかったら、ただの単純作業として進めていたでしょう。知識不足ではあったものの、事前学習はとても重要なことだと思いました。

オフィスワークで学んだことは2つあります。1つめはすべての作業に意味があること。2つ目は、その意味に気付くためには学ぶ姿勢を怠ってはならないことです。十分な知識をもち、目の前にある作業に意味を見出しながら精いっぱい取り組むことが私にできる最大限のことだったのではないかと思います。

<難民キャンプ>
第2週目と第3週目は、難民キャンプで行われた四半期会議に同行させていただくことがメインでした。私が訪問したのはタムヒン・バンドンヤン・メラ・ウンピアム・ヌポの5つのキャンプです。最初に訪問したタムヒンキャンプで、いきなり壁にぶち当たりました。

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私はタイ語・カレン語・ミャンマー語、いずれも話せません。そのため、四半期会議で何を話しているか全くわかりません。そんな中で私にできることと言えば、英語が話せる人にキャンプを案内してもらうこと、四半期会議の様子を写真に収めることくらいしか思いつきませんでした。なので最初はとても戸惑いました。

そのことを所長のセイラ―さんに伝えたところ、以下の2つのことを言われました。

1つめは「キャンプの外の人がキャンプの中に入ることは、難民にとってとても興味深くて新鮮なもの。だから外のことを伝えてあげてほしい」

ということ。これを言われて、確かにキャンプ内の学校を案内してくれた同い年くらいのは、人は日本の教育システムや私が学んでいることに関して、とても興味を持ってくれていたな、と思いました。特に義務教育制度にとても驚いていました。カレン語やタイ語ができなくても、キャンプの外から来た私だからできることがあることを気付かせてくれました。

2つ目は「(ミャンマーが民主化して)難民帰還の動きがあり、キャンプ内への資金援助が減っている。でもミャンマーに帰りたくない人は多くて、キャンプの状況はどんどん厳しくなっている。少しでも難民を取りまく状況をよくするために、日本に帰ったら友達にこの研修のことをたくさん話してほしい」

ということです。私は、カレン語もタイ語もできないと「できない」ことばかりを考えていましたが、この言葉によって日本語と英語が「できる」ことに目を向けることができました。ならば難民たちに代わって難民キャンプのことを日本の人に伝えようと思えるようになりました。

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上の2つに共通しているのは、「伝える」ということです。キャンプの外のことを中の人に「伝える」。キャンプの中のことを外の人に「伝える」。これも、研修に参加した私にできることです。

<まとめ>
私が掲げたテーマ「難民に対して自分にできることは何か」の答えは「学ぶこと」そして「伝えること」です。この答えは微々たるもので、当たり前と思われるかもしれません。

しかし、メーソットに1か月間滞在した日本人学生は数えるほどしかいません。難民について学ぶことと、難民の具体的なイメージとを結びつけられる人は限られています。また、日本にいる人にキャンプのことを、キャンプにいる人に日本のことを伝えられる人も決して多くはないということです。

学び、伝えることはこの研修に参加した人にしかできない、価値のあることだと信じて、今後もミャンマー難民支援およびシャンティの活動に関わっていきたいと思います。

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メラキャンプの方と再会することができました

<最後に>
ここまで読んでくださってありがとうございます!
いろいろなことがありましたが、今回メーソット滞在を通して一番に思うのは「とても幸せだった」です。充実した時間を過ごすことができたのは、たくさんの人が支えてくださったからだと思います。あまり書けませんでしたが、研修も休日も、すべてが本当に素敵な時間でした!

最後になりましたが、今回の研修をサポートしてくださったシャンティ東京事務所およびメーソット事務所の皆様、研修の中で出会った皆様、時間を作って私と会ってくださった皆様、叱咤激励をくださったゼミの先生・ゼミ生、応援してくれた友人、たくさんの面で支えてくれた家族、私に関わってくださったすべての方々に、心から感謝申し上げます。

本当にありがとうございました!Thank you!ターブル!コップンカー!チェーズーベー!

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研修前に本を読んで知った、ミャンマー出身の画家マウンマウンティンさん

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FWでもお世話になったジムさん・小野さん

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職員の皆さまありがとうございました!

シャンティ国際ボランティア会 NGO海外研修プログラム
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所研修生 小嶋鈴乃

*現在シャンティでは、2018年夏期にミャンマー事務所で実施されるNGO海外研修プログラムへの参加者を募っています。
くわしくは、こちらのページをご覧ください。

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