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イベント報告「ネパールの震災から3年。ネパールの今と学校防災能力強化事業のチャレンジ」

2018.4.17   イベント報告ネパール

2018年4月13日、東京、広尾の聖心グローバルプラザで報告会を行いました。当日は、26人が参加し、映像やビンゴなどを交えながらネパールの現状とシャンティの取り組みについてネパール事務所所長の三宅が報告を行いました。

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ネパールという国

ネパールはインド、中国、ブータンに囲まれた内陸国で、人口約2694万人の多民族国家です。

2006年まで約10年におよぶ内戦があり、約17000人が犠牲になりました。その後、2015年には新しい憲法が制定され、連邦制への移行や19年ぶりの選挙が行われました。経済は、国民の7割が農業に従事し、エベレストを始めとする観光業も盛んです。一方で製造業は盛んとは言えず、高等教育を受けた人々の多くが海外に出稼ぎに出て、国のGDPの約30%を海外送金が占めています。

教育面を見ると、2015年初等教育就学率は96.6%で、小学校、中学校の教育は無償化、義務化されています。民族の平等を重視した教育制度で、教育現場で使える指導言語は22言語と充実しています。しかし、地域や所得による教育状況の格差、正規教員の不足、複式学級での環境改善が必要であることなど多くの課題も抱えています。

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3年前の地震からの復興状況

2015年4月25日、マグニチュード7.8の地震がネパールを襲いました。歴史的な建物は倒壊し、死者は約9000人。学校も国内に3万近くあるうちの7923校が倒壊しました。もともと、学校は現地の人々がお金を出し合って建てたもので耐震構造がされていなかったことも、多くの校舎が倒壊した原因の一つだと考えられています。現在では、3分の1にあたる約2700校が再建されていますが、いまだに仮設教室で授業を受けている子ども達も多く、復興の遅れが懸念されています。また、地震により人々の生活や社会状況は大きく変わり、貧しい環境にいる人々の生活を直撃しました。その結果、教育面に加え人身売買など、子ども達を取り巻く環境が一気に悪化しました。

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シャンティによるネパールでの取り組み

2015年の発災時から、緊急救援活動として現地に入り、復興の遅れや震災前にもあった経済的な理由による子どもの学校離れに対し2017年に事務所を開設しました。そこから、現在に至るまで、学校建設や図書活動を通じた防災教育と心のケアを行ってきました。

学校建設では、「Build back better(被災前よりも良いものをつくる)」という精神のもと、耐震性の確保された学校を建ててきました。また、図書活動では教室での図書コーナーの設置や図書活動の研修を行っています。小学校の複式学級では、複数の学年を先生1人が見なければならない為、授業の時間配分や進め方など課題を抱えているクラスも多くあります。そのため、授業中に課題が終わり、時間を持て余してしまう子どももいました。

しかし、図書コーナーを作ったことで、彼らが余った時間に本を読むことができ、授業時間を無駄にすることが無くなりました。防災教育では、紙芝居を使い子どもが理解しやすい内容にしています。紙芝居は「地震はどうして起こるの?」と、「学校で地震が起きたらどうする?」の2タイトルで、工夫を凝らし、各学校の耐震性の状況に合わせた防災教育を行っています。

紙芝居の詳しいことが書かれたブログはこちら

防災紙芝居が完成しました!

 

この紙芝居を作る際には、紙芝居作家のやべみつのり先生にもご協力頂き、報告会の当日はコメントもして下さいました。特にやべ先生に好評だったのは、耐震性のある学校と無い学校で紙芝居の見せる絵を変えるという点です。ネパールでは学校によって地震対策に差があるので、どこの小学校でも使えるようにという三宅のアイディアだったそうです。

この紙芝居は各学校で使えるように、2017年11月に使用法に関する教員向けのワークショップも行われました。

参加した教員からは、児童は初めて紙芝居を見たのだが、大変集中しておはなしの世界に入っているのを感じました。地震が起きた時、どうやって自分の身を守るべきなのか、よくわかったと思う」という声が聞かれました。地震についての知識を子どもの頃からつけることで、発災の時にも被害を最小限に抑えられるようになってほしいと願うばかりです。

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ネパールでの活動は始まったばかりですが、子ども達の教育環境改善と防災の観点から、今後もスタッフ一同それぞれの立場で活動をしていきたいと思います。

また、ネパール事業に関心のある方、学校建設や防災教育への募金も受け付けていますのでぜひご検討ください。

ネパール事業への指定寄付について

 

【イベント報告】

絵本を届ける運動担当
岩松智子

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 特集:35周年特設サイト