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【南相馬】味とともに受け継がれる土地の記憶

2018.4.24   東日本復興支援

以前、南相馬の農家民宿を訪ねた際、昼食のお品書きに「べんけい」と書いてあったのが気になって、後日、またその農家民宿を訪れたところ、「この前言ってたべんけい、取っておいたから」と食堂から持ってきてくださったことがありました。

べんけいは、南相馬市のローカルフードらしく、大根やニンジン、サトイモの茎を干したものなどを油でからめて、そこに酢をこれでもか~とかけてなどと、作り方も教えてもらったのですが……疑問がひとつ。

「なんでべんけいって言うんですかね」
「なんでだろう。義経と弁慶の弁慶なのかな?」
「わからない。前からべんけいって言ってたから」
「べんけいはべんけいなんだよね」
「あはははは」などと言って、みなで盛り上がったのでした。

べんけい

それから3年ほど経ちまして、ついこの前、『懐食(なつしょく)』という、相双(福島県の浜通り。相馬・双葉郡地域)の懐かしい食べ物やお菓子を集めたレシピ集をお知り合いからいただいたのですが、出てました「べんけい」!

そこには、南相馬市原町区の海の近く、萱浜の郷土料理として紹介されていました(萱浜は、東日本大震災で大きな津波被害に遭った地区です)。そして、「弁慶の七つ道具」と言うように、7つ材料を入れるから「べんけい」だと、土地の人が語る名前の由来も一緒に。ようやく謎?が解けました。

この『懐食』という冊子をいただいたのは、庭に咲いている金木犀の花の写真を制作担当の方にお貸ししたことがきっかけ。出来上がった冊子には、「金木犀の花の香りがしてくると、きのこ採りの季節の始まりと、母に教わった」という、やはり土地の方のコメントが添えられていました。

金木犀

ここに暮らしていると、自然や季節、食べ物、思い出がひとつにつながっているのを感じます。懐かしい味、もう一度食べたいものなどについてだれかが口にすれば、みなさん話は尽きません。

このレシピ集をくださった方が、「ここに出ている食べ物が、南相馬での思い出として、古賀さんの懐食になりますよ」と。そうですね、土地の方にとって懐かしい食べ物を、私もいろいろと食べていきたいです。

南相馬事務所 古賀東彦

レシピ集『懐食』

写真)レシピ集『懐食』。特定非営利活動法人相双に新しい精神科医療保健福祉システムをつくる会作成(復興庁「心の復興事業」の助成)。「懐食」は制作担当者の造語だそうです。

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