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「みんなが教育を受けられる環境を作りたい」ミャンマー寺院学校の校長先生が来日

2018.6.27   東京事務所より

2018年6月25日(月)、ミャンマーのタタナパルラ寺院学校の校長先生であるウ・エインダカ僧侶(36歳)がシャンティ東京事務所に来所されました。ミャンマーのピー県にあるタタナパルラ寺院学校は、シャンティが2017年に学校建設を支援した寺院学校です。

学校建設を支援してくださった日本のみなさんに会って、直接感謝の気持ちを伝えたいと来日されたウ・エインダカ僧侶。幼少の頃、民主化運動の混乱に巻き込まれ苦労した経験があり、同じように苦しむ子どもたちを守ってあげたいと、教育支援を始められました。

ミャンマーの寺院学校改善事業について詳しくはコチラをご覧ください

ミャンマー寺院学校|シャンティブログ

 

子どもたちに教育の機会を届けるため、自分の家を売却

1982年、ミャンマーのマグウェ地域の田舎で生まれたウ・エインダカ僧侶が6歳の頃の1988年、ミャンマーで民主化運動が起こりました。混乱の中、逃げながら生活し、辿り着いたお寺で小僧として生活していたそうです。

ミャンマー・タタナパルラ寺院学校長 ウ・エインダカ僧侶
東京事務所でお話しいただきました(通訳:足立チョチョアイ様)

その後、20歳で出家して僧侶に。幼少時代に苦労した経験から、ずっと子どもたちのことを気にかけ、守ってあげたいと思っていたそうです。村の周りの子どもたちはとても貧しく、ごはんを食べることができず困っていました。この子どもたちを助けたいという思いで、2011年5月5日、当時28歳だった校長先生がタタナパルラ寺院学校を開校しました。最初は学校に建物(校舎)はなく、自分の家を売って学校を始めたそうです。

寺院学校には、離婚などのため親がいない子どもや生活が苦しい家庭や貧しい村出身の子どもたち、戦争孤児など、タケノコやキノコを売って生活している子どもたちなどが来ています。

貧しい人が食事を食べられないのならば、自分も同じような気持ちになることもまた、仏様の教え。しかし、愛情と同情という気持ちだけではなく、実現しないとダメだということを感じる出来事がありました。親がおらず、学校にいけない子どもたちに食事を食べさせたところ、学校にくる子どもの数が増えたそうです。それから、行動することが大切という信念で続けてきました。

勉強に興味を持ってもらうためのテクニック

寺院学校に子どもを通わせるだけでは、子どもたち自身が生活を続けていくことはできません。そのためには勉強が必要だと学びました。

学校を始めた当時、ジャングルの中で育ったような、まるでターザンみたいな7歳くらいの男の子がいました。親を亡くして、育てくれる人もおらず、一人で暮らしていたようです。小さいナイフを持って、山の中で果物をとって生活している彼を見つけ「こちらにいらっしゃい」と声をかけました。

学校で面倒を見ながら勉強を教え始めましたが、最初は言う事を聞いてくれず、大変でした。ある時、子どもが好きそうなゲームや漫画をパソコンで見せたところ、その子の関心を引くことができました。村には電気が通っておらず、パソコンでゲームや漫画を見せているとバッテリーがなくなってしまい、遠くの村に充電しに行ったこともありました。少しずつ距離を縮め、その子に「一緒に住む?」と聞いたら、「うん」と答えてくれました。

5年間、寺院学校で勉強したその子は、字が読み書きできるようになりました。最初に学校に来たときはナイフで人を脅すような乱暴な子どもでしたが、学校を卒業する頃には優しい子どもになっていました。そうしていくうち、寺院学校に寄付してくれる人が増えていきました。

ミャンマー・タタナパルラ寺院学校長 ウ・エインダカ僧侶

最初の生徒は7人だけでした。文字の書き方を教えても興味がなさそうだったので、勉強をした子にはパソコンで映像を見せてあげるようにしました。映像は短くカットして、長く見せないように工夫し、なんども勉強して、競争させながら勉強を教えました。すると、だんだんと勉強できるようになり、「問題を2つ解けたら2回映像を見せてあげるよよ」と言うと、さらに勉強をがんばったそうです。パソコンで映像を見せるだけではなく、よく勉強した子を町へ連れて行くようにしました。町で滑り台やブランコに乗るのが子どもたちの楽しみになっていきました。

心を大切にして生きられるような国になってほしい

ウ・エインダカ校長先生は、「子どもたちには国づくりに貢献できるような人材になって欲しい」とおっしゃいました。

「みんなが教育を受けられるような環境を作ってあげたい」そのためには、国がよくならないといけません。シンガポールや香港を訪問した際、ミャンマーはまだまだ遅れていると感じたそうです。寺院学校の先生に、他の国の教育システムを教えたり、自分の目指す教育について共有しているそうです。

ミャンマーはどんな国になって欲しいですか、と質問すると「技術的な面では、日本や他の先進国のようになってほしいが、精神的な面では、お互い助け合って、愛し合って、心を大切にして生きられるような国になってほしい」と。

みんなが助け合うような国になってほしい。そのためにも、子どもたちみんなが学校に通えるような国にならないといけないと重ねておっしゃっていました。

ミャンマー・タタナパルラ寺院学校長 ウ・エインダカ僧侶

寺院学校がある地域には、中学校や高校がないため、小学校を卒業後は遠くの街に行かなければなりません。村の子どもたちが中学校や高校へ通えるよう続けたいが、先生の給与の問題や教材など、まだまだ課題はたくさんあります。

校長先生は「国が抱える問題には、教育が関わっている」とおっしゃいました。国が抱えるさまざまな課題を乗り越えていくためにも、シャンティはこれからも、子どもたちに安心して学べる機会を届け、ミャンマーの教育の質の改善に取り組んでまいります。

引き続き、寺院学校支援をはじめとしたミャンマーでの活動へのご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

一人でも多くの子どもたちが本を開き、未来を拓けるように。

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報告:広報課 召田 安宏

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