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7年間の学び

2018.10.11   スタッフの声ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

ハラゲー!
菊池礼乃です。

10月1週目に任期を終え、無事に帰国しました。
私が、ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所のブログを書くのは、今回が最後になります。
皆さま、これまで大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所に赴任したのが2011年4月になりますので、実に7年半、タイ・ミャンマー国境の町で過ごし、ミャンマー(ビルマ)難民支援事業に尽力してきました。

赴任当初は、はじめてのNGOでの仕事、はじめての長期の途上国での仕事で、分からないことも多く、先輩方、現地職員の皆さんの背中を見ながら、自分なりにできることを模索する日々でした。皆さんからの温かいサポートを受け、時間が経つにつれ、自分の責任や自分にできることが少しずつ増え、私自身の意識も、私個人の仕事から、より、事業全体、事務所全体を考えるようになったように思います。特に、最後の1~2年は、現地職員のセイラー(所長代行)と二人三脚で、難民帰還が徐々に始まり、国際支援が著しく減少する難民キャンプやタイ・ミャンマー国境の将来を見据えながら、日々議論し、事務所や事業の方向性を作っていくことは、大変な時もありましたが、非常によい経験になりました。

7年間を振り返ると、嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったこと、楽しかったこと、たくさんの思い出がありますが、私なりの学び(次に続く後輩のために自身の反省を踏まえた教訓も含め)をご紹介したいと思います。

1. 「人間の尊厳」の言葉の重みを知る

「人間の尊厳」という言葉をこの7年間で何度も聞いてきました。そして、この言葉が持つ重みも、この7年間、肌で感じてきました。こうした言葉の重みを教えてくれたのは、現場で出会った人々でした。難民キャンプの中で、多くの人に出会いましたが、7年の間で、幼かった子は小学生になり、青年たちの中には、結婚し、子どもを持った人もいたり、第三国定住したり、ミャンマー国内に帰ったり、中には亡くなった人もいて、今は一人一人の顔が懐かしく思い浮かびます。彼らと一緒に様々な話をする中で、「ミャンマーの歴史を知っているのか?」「コミュニティ図書館の価値は?」「国際支援が少なくなる中で、今後どうしたらいいのか?」など、色々な問いかけがあり、一緒に考えたり、議論したりする中で、一つ一つの答えを自分の言葉で伝えられるようになったと思います。「人間の尊厳」をはじめ、「伝統文化」、「コミュニティ図書館の価値」、「難民」など、こうした言葉の重みを肌で知ることができたのは、自分の中で最大の学びであり、人生の財産だと思いました。

2. 恐れずにぶつかる、向き合うことが大事

これは、私の反省を踏まえた教訓ですが、私は、もともと自分の意見を伝えることが苦手でした。そもそも自分に自信がないし、恥ずかしいし、人に言われることをそのままやった方が、間違いが少ないし、時間を短縮できると思っていました。それが年数が経ち、様々な会議で事務所を代表して発言をするような機会が増えてくるにつれて、嫌でも自分の責任と向き合う日が続きました。自分の頭で考え、意見を持っていかないと、議論に入ることすらできない場面もあり(私がよく直面したのは、欧米系の国際機関・NGO職員が多く入る会議)、自分の意識や姿勢を見直すよい機会になりました。

私自身の反省点ですが、特に若いうちは、自分の頭でしっかり考え、物怖じせずに自分の意見をぶつけてみることは大切だと思います。絶対の間違えはないし、自分の意見が通らなくても、議論の中でよりよい結論を導くためのフックになるはずです。また、学びもたくさんあります。現場にいると、本当に色々な文化的背景を持った人たちがいて、様々な議論が交わされます。そういう場で、コミュニケーション力、交渉力はとても大切です。恐れずにぶつかり、しっかり向き合いながら、自分の考えを伝えることが、自分を成長させることに繋がると思いました。

3. 自分の専門性を高めよう

NGOの置かれている環境は、大きく変わってきていると思います。より、専門性を高めていくこと、十分なデータ分析やそれに基づく評価をしたうえで事業を作っていくことが求められているように思います。私自身、現場滞在の後半になって直面した課題のが、自分のスキル、専門性が限られているということでした。経験で得られることも多いのですが、よりよい事業に必要な知識や技術については、本や研修などからインプットすることが不可欠で、さらにアウトプットに繋げていくためには、インプットを自分がいるコンテクストで応用する必要があるように思います。特に、私が活動してきた難民キャンプの図書館事業は、20年近く活動してきて、現地の団体への移譲を進めていく中で、基本的な図書館運営や、難民キャンプのコンテクスト、同じ文化的背景を持つ人々の動かし方は、すでに彼らがよく知っていて、NGOとして求められていることは、専門性を持ったテクニカルサポートだと感じるようになりました(他に、資金もありますが)。7年間の滞在で、自分の中でできるアウトプットをやりきったように思い、今後、さらにより必要なアウトプットをしていくために、一度日本に戻り、より幅広い事業に携わりながら、自分のインプット、さらに専門性を高めていきたいと思っています。

長くなりましたが、今、改めて、私を支えてくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。同僚、難民キャンプで出会った人々、シャンティのご支援者様、その他、温かくサポートしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

自分の学びを大切に、次のステップでも、シャンティ海外事務所を支え、シャンティな社会を築けていけるように、尽力したいと思います。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の職員らと共に

菊池礼乃

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。