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【イベント報告】難民を受け入れる社会とは

2018.10.15   イベント報告ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

10月10日、株式会社学研ホールディングス 学研ビルにて講演会「難民を受け入れる社会とは」を開催し、シャンティ国際ボランティア会ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 所長代行のジラポーン・ラウィルン(セイラー)と、NPO法人みんなのおうち代表理事の小林普子さんが登壇し、シャンティが活動をしているミャンマー(ビルマ)難民キャンプの様子や、現在の日本と難民の関わりについての講演が行われました。

当日は26人の方がご参加され、そのうち6人が講演後の絵本作りのワークショップにも参加されました。

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難民を受け入れる社会とは?~タイ国境の難民キャンプで暮らす難民の現状と日本の受け入れ現場から考える~

難民キャンプの設立の背景と現状

タイとミャンマーの国境にあるミャンマー(ビルマ)難民キャンプは、ミャンマー国内の少数民族弾圧から逃れてきた人々が、避難をして1984年に出来た難民キャンプです。

現在は、タイ政府とミャンマー政府の合意の下、ミャンマーへの帰還政策が始まっていて、第1陣が今年の5月に帰還し、第2陣、3陣と続いていく予定です。制度として帰還は始まりましたが、帰還後の生活に不安を感じて帰還をしない人や、難民キャンプが長期化していることから、キャンプで生まれ育った子どもたちの中には、ミャンマーを祖国と感じられない子どももいます。そうした社会的、心理的な面で帰還には多くの課題があります。

一方、難民キャンプでの生活も厳しいものになっています。現在、帰還の動きにシフトしていることから、キャンプ内よりも本国での支援が増えた為、国際NGOは相次いでキャンプの事業から撤退しており、キャンプ内サービスは減っています。その影響は子どもたちの教育にも影を落としていて、教科書の不足等が問題になっています。また幼稚園、保育園への支援はほとんどなく、現在は園での昼食もないような状況です。

帰還と厳しさを増すキャンプ生活の狭間で多くの難民の人たちが苦しんでいます。

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私の見てきた難民キャンプ

難民キャンプが出来ていく様子を当時見ていました。戦闘により多くの難民がタイに来て、まさに混乱の中でした。子どもも多くいた為、キャンプ内には学校が開かれましたが、教師が不足していました。その時、同じタイで教師をしていた友人から声をかけられ、2年間の教師ボランティアとして働きました。

当時は教科書もなく、生徒も戦闘で心の傷を負っている子もたくさんいました。その中には「将来、ビルマ軍に復讐したい」と言っている子もいました。私はそうした状況を目の当たりにして、心のケアも必要だと強く感じた。難民の人々は夢を持っていませんでした。学校に来ていても、勉強をする意味が分からず、「また逃げなければならないかもしれない。戦わなければいけないかもしれないのに、なぜ勉強しなければならないの?」そう言われたこともありました。それは子どもだけではなく、大人もそうでした。

そうした経験から、彼らが再び夢を持てるようにするにはどうすればよいのかそう考えたときに、教育、絵本、図書館の必要性を感じました。これが私の原点で、その後、シャンティに出会い、その原点を持ちながらずっと働いています。最近は運営側にいることが多くなりましたが、キャンプで直接子どもたちに会うたびにパワーをもらい、彼らの目を見るたびに私も穏やかな気持ちになります。

最初はなぜ図書館が必要なのか理解されませんでしたが、子どもたちの表情が変わる中で、周りも変わってきたと思います。いつも難民キャンプへのご支援ありがとうございます。今後も変化の中にある難民キャンプへの関心を持ち続けて頂ければと思います。

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日本国内での、外国ルーツを持つ人々との関わり

最近、海外から日本に働きに来る方は多く、その中で子どもたちの教育参加の状況も大きく変化しています。小林さんは、新宿で外国にルーツを持つ子どもたちの教育支援を行っています。

公立の義務教育の現場では、以前は外国人だから受け入れないという議論も一部ではありましたが、現在ではそうしたこともなく、外国籍の子どもたちであっても教育現場に参加しています。その中で今までは無かった、日本語指導への取り組みも学校内で行われるようになりました。しかし、まだ課題は多く、現在、日本語指導が必要な生徒は増加している傾向にあります。また、今までは義務教育課程への支援が中心でしたが、高校の中退率の高さ(普通の日本人の7倍)や、卒業後の進路も非正規の仕事や働いていない子が日本の子どもたちよりも多いという現状から、政府も支援の検討を始めています。

教室開催の経緯

外国人が増加しているのは、新宿区も同様で、特にアジア各国から働きに来ている方や留学目的の方が中心となっています。その中で彼らの家族や特に自分の意思ではなく、親の都合で来た子ども達は様々な課題を抱えています。公立の小学校に通っていても、親が飲食業などで夜仕事をしている場合は家で宿題や学習が出来ず、そこから学校の勉強にもついていけなくなり、毎年100人を超える子どもが区の学校に馴染めないという状況にあります。そうした状況を改善するために、教室は開かれました。

教室には高校生からシニア層まで幅広いボランティアの方々が来て、英語や数学を中心に勉強のサポートを行っています。教室の共通言語は日本語ですが、同じ外国ルーツの子ども同士であれば、その国の母語を使ってお喋りをしていることもあります。

教室での気づきと今後の全体的な課題

教室を開き、子ども達が通ってくるなかで、多くの気づきがありました。

1つは、母語や英語で各国の子どもたちと話す居場所にもなっているという点です。小学校では日本語で話すことを強要はされていませんが、母語を使うことはほとんどありません。なので、教室に通う前は馴染みのある母語を話せるのは家庭の中だけでした。しかし、教室では同じルーツの子と母語でお喋りが出来るので、貴重な機会になっているようです。

また、学校以外で大人と接することが出来る機会にもなっています。学校だけだと会話をする相手が子どもなので、日本語の使い方を間違えていることもあり、それを修正できる場にもなっています。そして最後に、高校生からシニアまで多くの人がボランティアに来ているので、国籍や民族を超えた関りができることです。こうした交流の場が成長過程にある子ども達の良い刺激になっています。

教室での交流やサポートの体制は進んでいますが、外国人ルーツを持つ人々はまだ多くの問題を抱えています。1つは親子間での祖国への思いの違いです。日本で生まれ育った子ども達は、祖国への思い入れが親世代ほど強くなく、母語を学ぶ意味や帰国をする必要性の認識に親子間で差があります。また、貧困や低所得による家庭学習の欠如、また外国人を受け入れる自治体も今は多くなく、地元住民の英語力や相互理解も進んでいないのが現状です。

今回、難民キャンプの現状や、日本での外国人ルーツの人々の受け入れ状況などの話を聞いて、難民問題は、発生から完全な解決までに多くの困難と課題があることを改めて感じました。

今後もシャンティとして出来る限りのサポートをしていきたいと思います。

登壇者:ジラポーン・ラウィルン(セイラー)、小林普子さん

イベント報告:
広報課 岩松

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