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緊急支援報告会「報道されないインドネシア地震の現場」開催報告

2018.11.21   イベント報告緊急救援

2018年11月15日(木)、緊急支援報告会「報道されないインドネシア地震の現場」をシャンティ国際ボランティア会 東京事務所(慈母会館)で行いました。

緊急支援報告会「報道されないインドネシア地震の現場」

9月28日に発生したインドネシア・スラウェシ島地震の被災地に、10月23日から初動調査に入った海外緊急救援担当の竹内と栗本から、現状や必要な支援について報告しました。当日6人の方にご参加いただき、意見交換なども行われました。

※インドネシア・スラウェシ島地震に関する調査と活動は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)と民間からご支援を受けて実施しています。

支援報告をした栗本(左)と竹内(右)

インドネシア・スラウェシ島地震災害の概要と状況報告

まず栗本より災害の概要と現地の様子を報告させていただきました。インドネシアのスラウェシ島に入り、被災地のパル・ドンガラ・シギで調査を始めてすぐ、沿岸部は津波被害、内陸に入ると地震による建物の倒壊被害といった大きな被害を目にしました。

スラウェシ島地震の特徴は地域によって被害の種類が異なるということです。私たちは、現地のカウンターパートのNGOと共に、津波被害の目立つパル、震源地のドンガラ、地盤が弱く液状化被害に見舞われたシギという3つの地域で調査を行いました。

インドネシア・スラウェシ島地震 被災地域

特にドンガラとシギは災害によって交通の便が悪くなり、支援が届きづらい環境にあります。ドンガラでは、地滑りや土砂崩れがあり、また、シギは山間部に位置するうえ、液状化現象によって道路が壊れ、車が通行できない道がありました。

地震の揺れによるトラウマ

国民性もあるのか、被災者の様子は、思ったより暗くなかったです。しかし、地震のことを話しているときの被災者の表情を見ると、心の傷の深さがうかがえました。被災者の多くが、今もテント生活を送っています。その背景には、建物自体の倒壊だけでなく地震のトラウマがあることが分かりました。自宅が残っていても、地震による家の倒壊を恐れ、夜は手作りのテントで眠っている人や、津波の影響で海が怖くなってしまった漁師さんもいるそうです。

栗本 愛(シャンティ国際ボランティア会 海外緊急救援担当)
(報告:栗本愛 海外緊急救援担当)

ある日、3、4階立ての建物の入り口で呼んだタクシーを待っていたのですが、なかなかタクシーが来ませんでした。実は、運転手さんが地震のトラウマから、高い建物の中にある1階の入り口までこれず、建物の外で待っていたのです。

一方で、強い志を持っている人々にも出会いました。自分も家族を失い、被災者にも関わらず、現地カウンターパートのNGOでボランティアをするフィラさんという女性は、他の人を助けたいと思って、活動に参加したそうです。「ボランティアを通して、自分のトラウマについて話す機会があり、知り合いも増え、気持ちが明るくなった」と話していました。また、「早く自宅と仕事を手に入れて、生き残った娘の将来を考えたい」とも語ってくれました。

自身も被災したがボランティアとして支援活動に参加しているフィラさん
インタビューに答えるフィラさん

現地では、主食のお米や生活用品、テントの資材、女性用品、ベビー用品が足りないとの声を多く聞きました。シャンティは、政府や他団体からの支援から漏れている人や、女性を世帯主とする世帯を中心に緊急救援物資の配布を開始しました。

支援活動の中間報告

次に、報告会当日に帰国したばかりの竹内が、緊急救援から復興支援に移行期の状況についてご報告しました。シャンティは元々インドネシアで活動しておらず、事務所はありません。スラウェシ島で活動する女性支援団体を現地カウンターパートとし、共同で調査と支援活動を行っています。

11月現在も支援活動は続けられ、いまだ行方不明者は多く、尋ね人の張り紙を街でよく見かけます。一方で、インドネシア政府は緊急支援期間を10月26日までとし、復興の期間に入ろうとしています。災害の被害や必要な支援の調査を行い、復興計画の作成とその実施を行う道のりを示すマスタープランをインドネシア政府とJICAで作成しています。NGOも参加できるようになっており、公式の調査で拾い切れない草の根の情報提供等を期待されています。

竹内海人(シャンティ国際ボランティア会 海外緊急救援/企画調査担当)
(報告:竹内海人 海外緊急救援/企画調査担当)

災害支援では、多くの支援団体が水衛生や女性の保護といった分野(クラスター)ごとに協力して活動しています。

例えば、住宅分野の会議では、約21万人いる避難民への仮設住宅支援について協議しています。インドネシア政府からは、集合住宅型の仮設住宅を建設するよう、要望が出ていました。しかし、子どもから老人まで様々な状況の人々が暮らしやすい仮設住宅を設計し、多くの支援団体が同じ基準で同程度の質を維持しながら建設するはとても難しいことです。

教育面では、壊れた学校の再建が必要ですが、学校という建築基準の厳しい大きな建物、お金のかかる建物の復旧は後回しにされやすいのが現状です。
現地では学校の学期自体は始まりましたが、地震のトラウマから学校に行くのが怖い、子どもを通わせることが怖い被災者もいます。先生も含めて心のケアが必要であると感じました。

地元インドネシア主導の復興支援

被災地では欧米の援助団体ではなく、インドネシア人主体で、支援活動が実施されているように感じました。政府や国際機関、NGO、専門家を中心とする支援活動の枠組み自体でも、インドネシア人を中心に活動していました。実際の現場でも、南の都市のマカッサルの学生や、地元の若者がボランティアに参加しており、一緒に活動しました。

他の災害支援では、基本的に英語で会議や運営が行われる現場をこれまで見てきました。しかし、インドネシアでは、インドネシア語で会議運営や文書の配布が行われていました。「WhatsApp」というLINEのようなチャットアプリが広く利用されており、インドネシア語で支援団体同士の連絡や政府からの通達なども「WhatsApp」のグループチャット内で流されていました。インドネシア語は分からないので、Google翻訳で訳したり、現地カウンターパートの職員に通訳してもらっていたりしました。

大きな会議では政府の職員や、現地NGOの代表、被災地では現地カウンターパートNGOだけでなく、その地域の行政職員と村長、そして地元のボランティアと一緒に活動する中で、強い一体感を感じました。インドネシアの人々の高い復興への意欲を応援したいと思います。

【イベント報告】
シャンティ国際ボランティア会
事業サポート課 竹本 舞

今後のシャンティの取り組み

シャンティは、現在、支援から取り残されている被災者を中心に、緊急救援物資を配布しております。
今後は、各支援対象世帯の状況に合わせて、ベビー用品や学用品、蚊帳等を配布する予定です。

シャンティは引き続き、インドネシア・スラウェシ島地震で被災された方々へ必要な支援を届けられるよう、緊急募金を募集しています。ご協力よろしくお願いします。

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