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2年目の防災紙芝居ができました

2019.4.6   ネパール

ナマステ。ネパール事務所の三宅隆史です。ネパール事務所の「地震で被災した学校の防災能力強化事業」の活動の一つに防災紙芝居の出版と普及があります。1年目は『地震はなぜ起こるの?』と『学校で地震が起きたらどうするの?』の2タイトルを出版しました。2年目の今年制作してきた『(家や外で)地震が起きたらどうするの?』と『地滑り』の2タイトルがこのほど完成しました。地滑りはネパール語で「パヒロン」といいます。地滑りは洪水、火事と並んでネパールで最も多い災害です。今日は『地滑り』という紙芝居を紹介します。1_R

ナレーター:ある夜、小学校4年生のアスミタは、夕飯を食べてお父さんとお母さんと弟のラメスと一緒に眠りにつこうとしていました。その日は夕方から雨が降り続いていて、アスミタが眠るころには激しい雨になっていました。アスミタは「なんだか怖いなぁ。早く雨がやんでくれないかな」と思いながら眠りにつきました。

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ナレーター:アスミタは夢を見ていました。夢の中で茶色くて不気味な生き物がこっちに向かってきます。

パヒロン:俺様はパヒロンだ~!森も、木も、家も全部まるごと飲み込んでやるぞ~!

アスミタ:わ~!怖いよ~!いやだ、こっちに来ないで!

ナレーター:すると森の中から妖精が出てきて言いました。

妖精:これはパヒロンよ。パヒロンは大雨が降ったときや、地震の時に現れて、土砂崩れや土石流を起こすの。パヒロンは木も家も人も全部飲み込んでしまうから、とても危ないの。パヒロンに飲み込まれないように、パヒロンのことを知っておくことが大切ね。

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アスミタ:パヒロン怖いよ~。パヒロンはどんなときに現れるの?

妖精:雨がたくさん降ったときに現れるよ。特に短い時間に大量の雨が降ったり、長い間雨が降り続いているときは注意しなければいけないね。

アスミタ:雨がたくさん降ったときは注意をしなければいけないのだね。

妖精:それだけではないのよ。地震が起きたときや、起きた後も、山が崩れやすくなっているから注意が必要なのよ。4_R

アスミタ:そうなんだ。パヒロンって怖いから会いたくないな。パヒロンが現れる前に、来ることがわかったらいいのにね。

妖精:そうね。パヒロンが来る前には少しおかしなことが起こる場合があるのよ。例えば山からゴロゴロという音が聞こえたり、木が裂けたり、石がぶつかるような音が聞こええてくるときがあるよ。

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妖精:川の側では、川の水が濁って、水といっしょに倒れた木が流れてきたり、雨は降り続いているのに川の水が少なくなるという現象が起こることがあるのよ。

アスミタ:このようなことが起こったら、すぐに川の側から避難することが必要だね。6_R

妖精:その他にも山の斜面や崖の側にいるときも注意が必要ね。例えば、崖から小石がパラパラ落ちてきたり、崖にひび割れができたり、いつも水が湧き出ていない斜面から水が湧き出る、ということをみたら、パヒロンが現れる前触れかもしれないよ。このようなことが起こったら山の斜面や崖から離れて近づかないことが大切だね。7_R

アスミタ:でもパヒロンが現れるのを防ぐためにはどうしたらいいのだろう。

妖精:森にはたくさん木があって、たくさんの根が土にはりめぐらされていて土や岩をつかんでいるのだよ。こうやって雨が降っても土が流れ出すのを防いでいるんだ。だから山の木を切り過ぎないことも大切だね。

アスミタ:なるほど、森にはパヒロンが現れることを防ぐ大切な役割があるんだね。

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ナレーター:次の日の朝、アスミタは朝食を食べながら家族に昨日見た夢の話をしました。

アスミタ:昨日夢でパヒロンというお化けをみたよ。パヒロンは雨がたくさん降ったときや地震のときに現れて、木や家や人を全部飲み込んでしまうの。その後妖精が現れてどうしたらいいかを教えてくれたよ。大雨や地震が起こったときは川や山の斜面や崖に近づいてはいけないし、変なことが起こったらすぐに離れることが必要なんだって。

お父さん:そうか。パヒロンに会わないためには、パヒロンが現れそうな危険な場所を事前に知っておくことも重要だね。今日は土曜日だから、学校は休みだね?私たちの家の周りや学校に行く途中に、パヒロンが現れそうな危険なところはあるかどうかチェックしにいこう!

アスミタ、ラメス、お母さん:賛成~!

以上でおしまいです。

来年の1月から紙芝居の効果的な演じ方等の研修を小学校教員を対象に研修を実施した後に対象校に紙芝居を配布します。3年間で計36校に配布します。紙芝居はネパールに元々ないため、効果的な学習メディアとして注目されており、他のNGOを通じてコミュニティ図書館70館に配布します。

紙芝居制作にあたっては、紙芝居作家のやべみつのりさんにご助言をいただきました。ネパール人の作家、イラストレーター、編集者が、当会スタッフと共同で制作しました。

 

 

 

 

 

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