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「世界の村で発見!こんなところに日本人」に出演した伊藤の帰国報告会 開催報告

2018.12.23   イベント報告ミャンマー東京事務所より

「こんなところに日本人」に出演した伊藤スタッフの報告会

2018年11月13日に放送された番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」に、ミャンマー事務所の伊藤が出演しました。番組が放送後「もっとミャンマーのことを知りたい」、「事業のことを知りたい」という声をたくさんいただきました。そこで急遽、伊藤の帰国に合わせてイベントを開催しました。

ミャンマーでの図書館事業とは 「世界の村で発見!こんなところに日本人」に出演した伊藤が語ります ~ミャンマーに届ける翻訳絵本作りワークショップ同時開催~

これまでのミャンマーの教育は、暗記が中心で、子どもたちが自ら考え、学んだことを応用する力に欠けていました。ミャンマーの子どもたちが生きる力を養えるよう、シャンティが取り組んでいる図書館事業を中心に報告いたしました。

ミャンマーってどんな国?

ミャンマー連邦共和国は135を超える民族が暮らしている多民族国家で、GDPは世界の中で下の方に位置します。仏教徒が9割を占め、ミャンマー国内どんなところにもパゴダ(仏塔)があります。托鉢の光景は日常です。ヤンゴンはたくさんの車やバスが行き交い、高層ビルの建設ラッシュが続く喧騒の都市です。シャンティが事務所を構えるピーは、ヤンゴンから車で6~7時間走ったところにあります。田園が広がり、ヤギや牛を見かけるのどかな風景です。

「こんなところに日本人」に出演した伊藤スタッフの報告会

ミャンマーは、植民地時代や長く続いた軍事政権が終わり、2011年に民政へと移行しました。軍事政権下は統制が厳しく、民主主義に移行してから自由化が一気に進み「アジア最後のフロンティア」とも呼ばれています。しかし、都市と地方の地域間格差、135を超える民族同士の問題、民族と政府の問題など、多くの課題を抱えています。内戦で国外に逃れる難民や国内の避難民、戦争孤児など、今も多く残され、障がい者への社会的なサービスは制度的に整っていません。

これだけは覚えておいてほしいミャンマーの教育事情 “暗記、暗記、暗記の教育”

義務教育で98%の子どもが入学していますが、約30%は小学校を卒業することができず中途退学を余儀なくされている状況です。中学校の就学率は60%、高校の就学率は30%と減少していきます。ただひたすら覚えることが中心の教育で、生徒たちの「どうして?」という疑問に授業は答えてくれません。教育に面白さを見いだせず、働いた方がいいのではと感じる子どもたちも少なくはないと思われます。

軍政時代の教育は国民をコントロールしたいという背景があり、国民に考えさせず、子どもたちは考えずに覚えることを求められます。学校の校舎や教室は古く、教室数は足りていません。複数の学年が一緒に勉強し、教科書に書かれていることを読み続け暗唱する状況で、私だったら集中することはできない環境です。

今、ミャンマーで求められていること

子どもたちに考える力がなければ民主化は難しいと思います。子どもたちがどういう国をつくりたいか、社会を担う子どもたちが考えられるかという点に、ミャンマーの未来がかかっています。今、ミャンマーでは「教育の質の向上」と子どもたちが自ら考え学んだことを応用しながら「生きていく力」を育むことが求められています。

「こんなところに日本人」に出演した伊藤スタッフの報告会

シャンティは、ミャンマーで学校建設、図書館事業、絵本の出版などの事業を行っています。ミャンマーの公共図書館は、軍事政権のプロパガンダの一つで政治的なツールとして使われていた経緯があり、図書館と聞くと身構える人もいます。学校の図書室は本棚に鍵がかかっており、子どもたちが自由に本を取り出せない状況でした。図書館事業では、いつでも図書館に行けて、いつでも本を手に取り楽しめる、そうしたことを大切に取り組んでいます。図書館が近くにない人たちのところへは、移動図書館活動を通して私たちが赴いています。こうした事業はあくまでツールで、これらをつかってミャンマーの子どもたちが、自ら考え、学んだことを応用しながら生きていく力をいかに培われるかに期待を寄せています。

女優・夏菜さんからのスペシャル・メッセージ

2018年11月13日に放送されたテレビ番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」では、女優の夏菜さんがミャンマーを訪れて下さいました。その夏菜さんから特別にいただいたビデオメッセージを会場でご覧いただきました。「子どもたちの目のキラキラした感じが忘れられない」と話される夏菜さん。自由な発想をもつ上で絵本は重要で、よりよい未来のためにぜひご協力いただければと、大変あたたかいメッセージをいただきました。

映像『“はじめて”の物語』を上映

今回の伊藤の報告に合わせて、ミャンマーの図書館員が初めて読み聞かせをする光景を捉えた映像『“はじめて”の物語』を上映しました。この映像を制作いただいた江藤孝治さんに会場にお越しいただき、映像制作にあたっての思いを語っていただきました。

「こんなところに日本人」に出演した伊藤スタッフの報告会
映像『“はじめて”の物語』を視聴している参加者のみなさん

絵本が初めてミャンマーに届く瞬間、子どもたち、先生たちの反応を映像に収めたいという依頼で始まった撮影でした。江藤さんは、貧困や紛争を背景に本や図書館を通した教育支援に対し途方のなさを感じると話された上で「スタッフが無力さを感じることもあると思いますが、子どもたちが一心不乱に本をめくる様子を見ていると、何か希望があるのではと感じます。今回の映像ではその部分を映せたと思います」と、思いを語ってくださいました。

「こんなところに日本人」に出演した伊藤スタッフの報告会
映像を制作した江藤孝治さん

江藤さんのコメントを受けて、伊藤より御礼をし、初めて映像を見た時は涙腺が緩んだエピソードなど話しました。「江藤さんに撮影いただいたところは一部です。どこに行っても、どんな場所に届けても子どもたちは素直で、全力で絵本のところに向かっていきます。正直驚き、子どもたちが求めていると感じました」と伊藤が話しました。

Q&A「活動をミャンマー全体に広げていくの?」

参加者よりご質問をいただきました。

Q「ミャンマー全体から考えるとシャンティの活動はミャンマーの一部分かと思います。こういう団体は他にもあって全体をカバーしようとしているのでしょうか」

A「ミャンマーでのニーズは限りないと思います。2014年から開始したシャンティのミャンマー事業、まずは地に足をつけて質の高い事業を進めていくことを目指しています。現時点でミャンマー全体をカバーすることは難しいです。ただ、自分たちで図書館を運営し、絵本を読み聞かせている団体は私たちしかいません。オンリーワンだと思います。政策と結び付けることができればより多くの子どもたちのニーズに応えることができると思います」

ミャンマーに届ける翻訳絵本づくり

報告会後は、日本語の絵本にビルマ語の訳文シールを貼る作業を行っていただきました。作っていただいた絵本を伊藤が受け取り、ご参加いただいた方より、あたたかいお励ましの言葉をいただきました。

「こんなところに日本人」に出演した伊藤スタッフの報告会
2人1組で絵本に訳文シールを貼っていただきました

今回のイベントでは、定員を超えてたくさんの方にお集まりいただきました。年の瀬も迫るお忙しい中、会場にお集まりいただいた皆さまに、心より厚く御礼申し上げます。

シャンティが取り組むミャンマーでの教育支援事業について詳しくは、下記よりご覧いただけます。

ミャンマーでの教育支援事業について

ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【イベント報告】
支援者リレーションズ課 吉田

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。