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国際女性デー:被災女性が築く復興

2019.3.8   寄付募集中緊急救援

3月8日は国連で定められた国際女性デーです。現在、シャンティでは、インドネシア、スラウェシ島地震の被災女性を支援しています。今日のブログでは、国際女性デーの成り立ちや、経済面の男女格差、シャンティのインドネシア被災女性支援について、ご紹介させて頂きたいと思います。

国際女性デーの成り立ち

国際女性デーのはじまりは1908年、アメリカ。3月8日に起きた女性労働者のストライキ が起源とされています。1917年に国際女性デーに合わせて、ロシアで始まった女性たちの抗議とストライキは、国中を巻き込み、2月革命となって、帝政ロシアを倒しました。第二次世界大戦を経て、戦後、国際婦人年にあたる1975年に国連が3月8日を、国際女性デー(国際女性の日)に定めました。

男女格差世界ランキング

世界経済フォーラムが毎年発表しているグローバルジェンダーギャップレポートでは、各国の統計を元に男女格差のランキングを出しています。

日本と欧米との比較という形で、この指標を見たことがある方も多いかもしれませんが、今日はシャンティが女性支援事業を行っているインドネシアと日本を比較してみたいと思います。

ジェンダーギャップレポート2018World Economic Forum, Global Gender Gap Report 2018 より作成

世界149か国中、日本は110位、インドネシアは85位です。この表だけ見ると、日本はインドネシアよりも男女格差が大きい国ということになります。
ちなみに2018年の1位はアイスランドでした。しかし、実はこのアイスランド、日本が41位の健康分野では121位なのです。

もっと詳しく、先ほどの統計を見てみましょう。日本では、管理職における女性の割合が低いことが経済分野全体の順位を下げているようです。
インドネシアは経済分野で96位、その指標の一つ、収入格差では115位です。しかし、同等の仕事に対する男女賃金格差では世界32位です。労働市場への参加は118位と大きな男女格差があります。

グローバルジェンダーギャップレポート2018経済World Economic Forum, Global Gender Gap Report 2018 より作成

つまり、インドネシアでは、賃金の格差よりも、女性が仕事を得られるかどうかという最初の段階に壁があることがわかります。シャンティは、実際にインドネシア、スラウェシ島の被災地でこの壁にぶつかっている女性たちに出会いました。

インドネシア、スラウェシ島で復興を目指す女性たち

2018年9月28日にスラウェシ島、ドンガラを震源とするマグニチュード7.5の大きな地震が発生しました。シャンティは10月より職員を派遣し、緊急救援物資を1200世帯に配布しました 。

【12/12】1,200世帯に緊急救援物資を配布しました

被災地では、地震によって男女関係なく、多くの人々が自宅を失い、農業や漁業といった仕事を失い、時には友人や家族を失いました。しかし震災後、女性だけが危険にさらされていることもあります。

2月の被災地の様子2019年2月時点のスラウェシ島被災地の様子

現地で、様々な暴力の危険、特にテント生活の中でジェンダーに基づく暴力にさらされている女性たちに出会いました。

ある女性は、夫からの暴力が原因で離婚し、2人の子どもを抱えるシングルマザーとなったのですが、行政のデータに自分の家族の名前がないことから、政府の緊急救援物資をもらえませんでした。物資が配布されても、男性たちが取り合いになって、時には暴力に発展することもあったそうです。

年を越して、今なお、被災女性の多くが、避難テントで暮らしています。避難キャンプの中では、プライバシーが十分に守られていません。また、女性が嫌がらせを受けることがあります。実際に、シャンティが共同で事業を実施している女性支援NGOに、震災後、43件の相談が寄せられており、今なお増加傾向にあります。仮設住宅に移動した後も、共同トイレや共同シャワーで嫌がらせを受けるケースが報告されています。このような生活環境では、女性が始められる仕事がありません。

No.1ロリ村20190304
スラウェシ島被災地の避難テントの様子

しかし、この困難な生活をもろともせず、自分が被災しながらも他の人を助けたいと、現地のNGOに参加した女性たちがいます。ある村では、夫が漁師をしていましたが、震災により仕事ができなくなったので、自分の手で家族を支えたいという女性たちに出会いました。

 

No.1ロンボンガ村女性グループ0190304-min

漁業ができなくなり夫の収入がなくなったロンボンガ村の女性グループ

復興に向けて走り始めた女性たちとシャンティ

シャンティは、彼女たちを応援するために、スラウェシ島地震の被害が大きかったドンガラとシギという地域で、被災女性の生計回復支援事業を開始しました。

この事業では、女性たち自身の力で復興することを目指しています。支援対象村ごとに被災女性のグループを作ります。グループごとに身近な食材を使って、加工食品を製造し。それを自分たちで考えたマーケティングを元に、各地で販売することで、生活の糧を得られるようにします。また、収益の一部を次の材料費の購入に回し、自分たちで一連のサイクルを回して、安定した収入を得て、そのお金を元手に、復興することが目標です。

ココナッツオイル
製造予定の加工食品の一つ、ココナッツオイル

シャンティは、加工食品製造のための資機材を提供し、加工食品の作り方や販売・マーケティングの手法、またジェンダーに基づく暴力や女性の権利に関する研修を行います。

2018年3月8日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は「女性にとっての前進は すべての人にとっての前進 」というメッセージを発信しました。そして、UN Womenが発表した今年の国際女性デーのテーマは「Think equal, build smart, innovate for change:平等に考え、聡明に構築し、変化のための革新を」 です。

今まさに、インドネシアの女性たちは自分たちの手で変化を生み出そうとしています。彼女たちの挑戦はやがて、彼女たち自身だけでなく、家族を、村を、スラウェシ島を、そしてインドネシア全体に変化をもたらす力になっていくかもしれません。

3月8日をきっかけに、歴史を変えた女性たちに思いをはせ、そして今この瞬間も、懸命に復興を目指すインドネシアの女性たちを応援して頂けましたら、幸いです。

事業サポート課 竹本 舞

海に沈むモスクと被災者

震災により海に沈むモスクと被災者

被災者の祈り

被災者が書いたメッセージ ”DOAKAN KAMI”「私たちのために祈ってください」

現在実施中の事業は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆様のご支援を受けて実施しております。

「インドネシア地震 緊急募金」受付中

郵便振替: 00150-9-61724
加入者名: 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
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