シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 難民キャンプで学んだこと~同じ地球に生きる市民(シティズン)として~

難民キャンプで学んだこと~同じ地球に生きる市民(シティズン)として~

2013.2.25   ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

 

 こんにちは。創価大学法学部2年の清水正夫です。現在、ミャンマー難民支援事務所で一ヶ月の研修に参加させていただいています。プログラムも終盤となり、帰国も近づいてきた今、一ヶ月間を通して感じたことを特に難民キャンプ訪問のことを中心に書きたいと思います。

 私はウンピアム、ヌポ、メラ難民キャンプの三つを訪問させていただきました。どのキャンプでも難民の方々にインタビューをする機会をいただきました。特に心に残っているのがメラキャンプのポストテン(キャンプ内の高校を卒業したあとに入る学校)でのインタビューです。ここでは学校の校長先生にインタビューをすることができました。お孫さんもいらっしゃるおじいちゃん先生です。このインタビューを通して、私の難民キャンプに対する、難民キャンプ=人が悲嘆にくれている場所、というネガティブなイメージが払拭されました。インタビューの中でその校長先生はこうおっしゃいました。「私には夢があるんだよ。いつかキャンプにカレン民族の大学を作りたいんだ。私の家族は海外に既に定住している。私はUNIDを持っているから、機会があれば家族のもとに行ける。でもね、私は教育者として、カレン族の一員として、カレンのアイデンティティを守りたいんだ。そのための大学を作るんだ。だから今は自分のことより将来のカレンの子供たちのことを優先してるんだよ」独裁政権が長く続いたビルマでは多くの学校が政府によって厳しい規制を受けました。子供達が平等に教育を受けることができなかった歴史があります。校長先生は教育によって自分の民族を全力で守ろうとされているのです。まるで少年のような目の輝きで構想中の大学の図面や企画書を私に見せてくださるその姿に、私は目頭が熱くなりました。故郷を離れて暮らす寂しさ、家族と離れ離れで生活する辛さを抱えながら、未来の子供たちのために尽力する校長先生は本当に偉大な方だと感じました。白蓮の花は泥が深ければ深い環境ほど、大きく美しい花を咲かすと言われています。校長先生の姿はまさにその白蓮の花でした。私の当初あった難民キャンプに対するネガティブなイメージだけだった思いはこの出会いによって打ち砕かれました。

 この他にもキャンプでの思い出はたくさんありますが、それらのことを通して感じたことは「多くの視点を持って世界を見ていくこと」は非常に重要であるということです。日本で生活し、普段通りの生活をしていると、偏った考え方に陥りがちです。例えば難民問題にしてもこれまでは、「どこか遠く起こっている問題だし、僕には関係ない」という思いがやはりありました。また、深刻な問題に対して自分から目を背けてしまうこともあるかもしれません。しかし、キャンプでのインタビューを通して、例え遠い場所で起きている問題だとしても、同じ地球に自分が生きている同じ人間として、もっと問題を近くに感じることができるはずだ、という考え方に変わることができました。つまり「あの人はどう思っているんだろう」という想像力です。「自分」という一つだけの視点だけではなく、別の視点からも問題にアプローチしていくことによって偏狭な自分を打破できると信じています。そのための勉強であるし、青年時代の経験だと思います。

 構造的暴力で有名な平和学者の父、ヨハン・ガルトゥング博士が昨年の春、来日された際、「一つの物事を異なる多数の視点から同時に見ることができる人こそが世界市民、グローバル・シティズンなのだ」と言われました。単に英語ができて、頭が良いというのではなく、相手の側に立って物事を考えることができる人こそが、グローバル・シティズンなのだと思います。そう考えると、同じ地球に生きる人間として、考えるべき問題はたくさんあると思います。そうやって目を外に向けていくことの重要性を難民キャンプで学ぶことができました。今後、キャンプで学んだことを土台として、さらにさらに勉学に打ち込んで行きたいと思います。

 最後に一ヶ月間、私を支えてくださったSVAのスタッフの皆様をはじめ、全ての方々に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

ミャンマー(ビルマ)難民支援事業事務所 研修生                                                                清水正夫

 

 

  • 特集:35周年特設サイト
  • 本の力を、生きる力に。
  • はじめての方でもよくわかる シャンティのこと