2019.07.27
海外での活動

ミャンマー国境支援事業事務所マネージングダイレクターよりご挨拶

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

セイラーさん

こんにちは。ミャンマー国境支援事業事務所(MBP事務所)のマネージングダイレクター(Managing Director)のセイラーです。シャンティで仕事を始めたのは、18年以上も前のことです。住んでいる場所、生い立ち、信条が全く違っても、同じ夢や目標を持って、支援を必要としている人々を助けるために一緒に進んできたシャンティは、私にとっては大きな一つの家族のようなものです。

BRCスタッフ集合写真

私は子どもの頃から、教育の機会を得るのにとても苦労しました。そのため、私の夢は、私のように教育に恵まれない子どもたちに教育の機会を届けることになりました。この夢について、私はとても恵まれていました。シャンティと出会えたからです。優しくて誠実で勤勉な日本人をはじめ、異なる文化や背景を持つ人々と共に働き、いつも喜びを感じられていることに感謝いたします。

シャンティで身に着けたおおくの知識や技術は、私の仕事だけでなく私生活にも大いに役立っています。そして、私が学んだことを他の人たちに伝えることで、その方々の生活に良い影響を与えられていることをとても嬉しく思います。このような前向きな変化が、私の活力となり、夢に向けて私を駆り立ててくれるのです。

会議に出席するセイラーさん

私はキリスト教徒です。マタイの福音書22章39節にはこうあります。「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」この聖書の一節をより深く理解できるようになったのは、日本の人々、特に私たちを支援してくれる方々や友人たちと出会ってからです。心から他者を愛し、気にかけ、シャンティの一員としてより良い変化を他者に与えるためにご支援を続けてくださっていることは、まさにその一節の通りだと気づいたです。私たちの目の前に立ちはだかる超えなくてはならない山の数は計り知れません。しかし、この言葉が意味することをシャンティの仕事の中で感じられた経験は、どんな困難も乗り越え、いつかその頂きをこの足で踏むことができると信じさせてくれます。

子どもたちと遊ぶセイラーさん

現在、私たちはあらゆる点で変化の中にあります。タイ側の経済的な発展、ミャンマー側の和平プロセスの進展、NGOのキャンプに対する支援事業の縮小、難民の人々の帰還など、状況は大きく変化しています。この状況下で、シャンティはできる限り国境地帯でより良い変化をもたらす方法を模索してきました。そして、国境地帯で築き上げてきたネットワークやノウハウをもとに、これまで取り組んできた政治的立場や価値観の異なる人を合わせたすべての人に資する事業をさらに推し進めるため、新たな事業を始めました。

新しく始まった事業は、これまでの事業の意志を受け継ぎ、対象者をサポートするだけでなく、彼ら自身で運営する力を養うことで、これからも図書館の価値が受け継がれていく事業です。私はマネージングダイレクターとして、事業に関わる全ての人々とより一層信頼関係を築きいていきます。そうすることで急速な変化の中でも、追いついていない難民の受け入れ体制という脆弱な部分を改善し、より多くの人々に効果をもたらす事業展開ができると考えるからです。

新事務所のタイ上げを進めるセイラーさん

私はMBP事務所が、社会の結合や地域の活性化、平和に寄与する教育の質向上のための重要な一歩になると確信しています。皆様にもどうか、一緒に進んでいただきたいです。私たちはこの状況を変えられる、山の頂に到達できるのだと信じて。

どうもありがとうございました。

ジラポーン・ラウィルン(セイラー)
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所(BRC) 副所長
ミャンマー国境支援事業事務所(MBP)マネージングダイレクター

ミャンマー国境事業に関するブログ記事はこちら