2019.09.25
海外での活動

ラオス:手作り教材事例集の開発会議を開催

ラオス

こんにちは/サバイディー(ສະບາຍດີ)。

ラオス事務所インターンの木村です。

ルアンパバーンでは雨季が終わりに近づき、しだいに朝晩が涼しくなってきました。

例年10月末ごろまで続くラオスの雨季ですが、今年は例年に比べて短く雨量も少なかったため、日本から持参したレインコートはあまり活躍せずに仕舞われることになりそうです。

9月16日~19日にかけて、ルアンパバーン市内で第1回目の「手作り教材(※)事例集の開発会議」を開催しました。
※ 教材・教具をあわせて「教材」と呼んでいます。

この会議は複式学級運営改善事業内の活動の一つとして位置付けており、教育スポーツ省職員、ルアンパバーン県、ルアンナムター県及びシェンクワン県の教員養成校教官、県教育スポーツ局職員、教材開発の経験がある教員などに参加いただきました。

手作り教材事例集開発会議の様子

手作り教材事例集開発会議の様子2

さて、唐突ですが、みなさんは小学校で使われる教材についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

算数セット、図工セット、習字や裁縫セット、鍵盤ハーモニカなど種類も様々ですが、 ほとんどが一人ひとりの持ち物として一式揃えられていたのではないでしょうか。

ラオスではそうではありません。

学校における教材不足は、ラオスが抱える教育課題のひとつです。

政府の教育予算が極めて少ないため、学校で既製品を購入する余裕はありません。また、支援団体などから供与された教材もあるものの、授業で活用するのに十分な数がそろっている訳ではありません。特にへき地の学校では、事務用品や使用できる工作材料も限られています。

身近な素材を用いて、なるべく手間をかけずに教材を手作りできる方法を紹介できれば、児童のより効果的な学びを補助するだけでなく、教員の負担軽減、児童にとってより魅力ある学習環境づくりにもつながります。

全3回のうち第1回目となるこの会議では、まず事例集のコンセプトを共有しました。教材開発の経験を持つ参加者が少ないため、なぜ手作り教材が重要なのか、なぜ事例集として作成する必要があるのか、参加者間での共通理解を深めました。

続いて、教材開発の経験のある参加者が、それぞれ教材の活用方法や実際の児童の反応などを紹介しました。参加者は事例集に掲載する教材のイメージをふくらませていました。

教材を紹介する教員1

<1桁から5桁までの数を学ぶ教材を紹介する参加者>

教材を紹介する教員2

<ラオス語の教材を紹介する参加者>

その後グループに分かれ、事例集に掲載する教材について話し合いを行い、最終的に事例集のアウトライン、掲載する教材候補を選定しました。

グループワークの様子

IMG_4227

なおこの会議には、現在ルアンパバーンにて小学校教育分野で活動中の青年海外協力隊員にも参画いただき、日本での教員としての経験、ラオスの教育現場での活動経験から、実情に沿ったアドバイスを多くいただき、会議を盛り上げてくださいました。教材を紹介する協力隊員

手作り教材事例集の開発はまだ始まったばかりで、教材を試作したり、本文を執筆したりといった作業が今後待っていますが、様々な機関のカウンターパートがかかわっているため、当初の予定通りに進まないこともしばしばあります。事業を効果的に進めるためにも、彼らの意見に耳を傾け、時には予定を見直しながら、協力体制を築いていくことがいかに重要かを実感しています。完成までの道のりは長いですが、彼らとともにあと2回の会議を経て事例集のドラフトを完成させ、その後も研修等で活用しながら、ブラッシュアップを図ります。

今回もお読みいただきありがとうございました。

ラオス事務所インターン 木村沙弥香

*この事業は国際協力機構(JICA)の草の根技術協力で実施しています。

********************お知らせ********************

現在、弊会では2020年春期「NGO海外研修プログラム」参加者を募集中です。ラオス事務所でも1名受け入れ予定ですので、国際協力に興味のある方、NGOで働いてみたい方は、ぜひご検討ください。

詳細は以下リンクからご覧いただけます。

https://sva.or.jp/wp/?p=34954