2019.11.28
海外での活動

11月、読み聞かせで始まる新学年度

カンボジア

皆さま、チョムリアップ スオ(クメール語でこんにちは/こんばんは)。

日本の学校の新年度は4月から、つまり11月は2019年度が始まって半年以上過ぎたところですね。こちらカンボジアでは、11月1日から新学年度が始まります。

先日、シャンティの活動対象幼稚園の一つであるバッタンバン市中央幼稚園から2019年度の新学期の始業式へお招きいただき、シャンティの幼児教育事業を担当するスタッフでお邪魔してきました。

この始業式の規模や形態は学校によって違えども、新学年度には毎年、各学校でセレモニーが持たれるそうです。以前、小学校の新学期の様子を紹介しましたが、その際は子どもたちが先生や地域の人と一緒に村を大行進していましたね。(学校がはじまるよ!~カンボジア、子どもたちの大行進~

バッタンバン市中央幼稚園でのセレモニーでは、一部の園児とその保護者が参加する中、園長・来賓のあいさつ、首相から全国の学校に宛てたメッセージが代読され、セレモニーの後には、シャンティから保護者の皆さんに向けて、幼児教育の重要性やメリットを、啓発リーフレットを配布しながら説明しました。

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大人からのちょっと難しいお話が続いて、隣のおともだちにいたずらしてみたり、立ち上がってみたり、保護者の方を向いて見たり、退屈気味の子どもたち…。

ここでようやく、子どもたちのお楽しみの時間。シャンティの幼児教育事業を通しておはなし研修を受け、それ以来研修のトレーナーとして一緒に活動してきた幼稚園の先生、カンボジア事務所職員が一緒に絵本の読み聞かせを披露しました。

先生の読み聞かせ

この日のために選んだ本は、主人公のうさぎが初めて学校に登校する様子を描いたおはなし。

先生の楽しいアイスブレイクから始まり、それまで少し落ち着かなかった子どもたちも、後ろで見ていた保護者のみなさんも一気に表情がほころび、物語の世界に引き込まれて行っているのが分かりました。

読み聞かせの後には、自由に読書をしてもらいました。

先生に「せんせい、このほんよんで!」と言って読んでもらう子どもたち。お友達と絵を指さして、おしゃべりしながら読む子どもたち。一人で黙々と読んでいる子どもたち…

それぞれ好きなスタイルで絵本を楽しんでいましたが、この日は保護者が参加している子どもたちもいたので、親子読書をする姿もありました。

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お母さんと一緒に
『ふたごのまるまるちゃん』犬飼 由美恵・文 やべみつのり・絵(教育画劇)

子どもたちが「読んでみたいな」と思った絵本を、自由に本棚から自分で選んで、親子で一緒に読む。日本ではよく目にする風景ですが、絵本が十分に普及していないカンボジアでは、まだまだ珍しい姿ではないかと思います。

絵本を通じて親子でコミュニケーションしている姿がとても微笑ましかったです。

お友達や先生、保護者と一緒に、笑ったり、泣いたりしながら、わくわくの幼稚園生活が送れますように。

カンボジア事務所 石塚