2020.07.30
海外での活動

電子図書館をオープンしました

カンボジア

チョムリアップ・スオ。皆さまこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本も含め、シャンティの活動地であるアジア各国にもその影響が広がり、子どもたちもこれまでの日常とは違う日々を過ごしています。そのような状況の中、子どもたちの命や学びを守るための活動を各国で実施しています。

study at home

自宅で勉強する子どもたち(休校中の子どもたちの学びを継続させるために、教育省はテレビ、インターネット、ラジオなどを使った遠隔教育を実施中です。また、先生が子どもたちの家を訪問し、自宅学習のフォローアップを行っています。)

カンボジアでは、3月中旬から全国すべての学校で休校が続いています(7月30日現在)。

「子どもたちが学校に行けない間でも、学びを支えるために、シャンティができることは?」と検討した結果、これまでカンボジア事務所で行ってきた図書館活動、絵本出版の経験を活かして、電子図書館をオープンすることにしました。電子図書館では、電子絵本30タイトルと、おはなし動画10タイトルの公開を開始しています。

電子図書館:Shanti Volunteer – Shanti Volunteer Association Cambodia

読み聞かせ動画:SVA Cambodia Official – YouTube

おはなしを演じるのは、カンボジア事務所が誇るおはなしのエキスパート、フーン職員とロアット職員。2人は、カンボジア国内の別々の事務所に勤務していますが、一時期は両事務所間の出張も規制していたため、準備から撮影、動画の編集作業は2つの事務所に分かれて作業を行いました。

おはなしがとても上手な2人も、目の前に子どもたちがいない状態でのおはなし披露には苦戦。子どもたちの代わりに、カメラの後ろでスタッフが応援していましたが、それでも撮影は緊張したそうです。

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『隠れんぼをして遊びたい大きなペーンの実』の撮影中の一コマ

カンボジアの人たちに気楽に図書館を楽しんでいただけるように、表示言語はカンボジアの言語であるクメール語のみにしました。

「沢山の人に見てもらうには?」「どんな人にも使いやすくするには?」「飽きずに観てもらうにはどうしたらいい?」など、スタッフにとっても初めての試みではありましたが、普段の活動で気を付けていることなどを活かして、工夫を凝らしながら制作を進めました。

そして、完成したのがこちらです。(サイト上部が電子絵本、下部がおはなし動画です)

elibrary

子どもたちにとって、これまでの日常と違う不安な日々の楽しみとして、休校中の学びを補う教材として、家族と一緒に読んだり観たり、ふれあうきっかけとしてなど、さまざまなかたちで活用してもらえることを期待しています。

同じく図書館活動の新しい取り組みを行っているミャンマー事務所の現地スタッフと情報交換をしたり、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事務所のスタッフにアイデアをもらったり、東京事務所のスタッフにアドバイスをもらったり、他事務所ともやりとりをしながら制作をしました。国を越えてシャンティの職員同士が繋がっているのは、心強いと感じる瞬間でした。

今後、より多くの人に電子図書館を利用してもらえるよう、カンボジア国内で広報活動も行っていく予定です。

おはなし動画はYouTubeからも視聴することができます。「シャンティで行っているおはなしってどんなもの?」「クメール語ってどんな言葉?」と、興味のある方がいらっしゃいましたら、是非ご覧いただければ嬉しいです。

パネルシアターによる、『オオカミとペリカン』のおはなし

カンボジア事務所 石塚