息子が字を読めるようになったことが、私の中の「内戦」の終わりなの
2017.9.7 寄付募集中
こんにちは。
支援者リレーションズ課の神崎です。
一人の女性が駆けよってきました。その女性は私の目の前で立ち止まると、息を切らしながら
「ありがとう。ありがとう」と言いました。
「聞いてください。息子が、私のために、本に書いてあるお話しを読んでくれたんです」
©Yoshifumi Kawabata
カンボジアで一番残虐な政治が行われたポル・ポト時代は、1975年から1979年までの間です。
でも、実際には1979年に政権が崩壊してからも、ポル・ポト派の兵隊たちはジャングルに身を隠し、
政府との戦闘を行っていました。
最後、カンボジア全土に平和が訪れたのは1998年にポル・ポト死去後といわれています。
「私も学校に行きたかった。でも行けなかった。
だっていつゲリラと化したポル・ポト兵が襲ってくるかも分からないし、
学校はどうせ燃やされてしまうだろうといって建てられなかった」
と自分の幼少の頃の話をしてくれました。
学校に通うどころか、安心して勉強ができる環境がなかったお母さんは字の読み書きができません。
農作業で得られるお金は少なくても、「自分のような思いをさせたくない」と息子を小学校に通わせていました。
©Yoshifumi Kawabata
ある日、息子さんが言ったそうです。
「僕がお母さんの目になって本を読んで、聞かせてあげる」
私たちが設置した小学校の図書室にある本をノートに書き写し、家に持って帰っては、寝る前の時間、
息子さんがお母さんに読み聞かせをしてくれるようになりました。
「息子は私が字を読めないのを知っていて、不憫に思ってくれていたのかもしれない」と涙を流すお母さん。
「でもね、息子が字を読めるようになったことが、私の中の「内戦」の終わりなの」と言いました。
だからお礼をあなたにいいに来たんだよ。
この話を聞いた時、胸にこみ上げてくるものがありました。
「本当は、私が読み聞かせをしてあげたいんだけど」その声を聞いて、
学びたいと願う人が、何歳になっても通うことができる場が大切だと実感しています。
“学びたいと願うカンボジアの人々に教育の機会を!”
ご協力お願いします。
http://sva.or.jp/wp/?atenashi=17894