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「遊びや環境を通した学び」をカンボジアの幼児教育へ

2019.1.26   カンボジア

みなさま、こんにちは。カンボジア事務所の萩原です。

突然ですが、「遊びや環境を通した学び」という考え方をご存知でしょうか。幼児にとっての「遊び」は発達の基礎を培う重要な学習であり、幼児が主体的に身近な「環境」と関わり合う中で学べるよう工夫することが大切であるとの考え方で、日本の幼稚園教育要領でもその重要性が明記されています。

制作活動を楽しむメイメイちゃん(中央)

そんな「遊びや環境を通した学び」の取り組みを、カンボジアの幼稚園で実践してみたのがこちらの写真。年長クラスのメイメイちゃん(写真中央)が作っているのは、ストローとペットボトルのふたで作った「聴診器」。身の回りにある廃材を活用した工作遊びです。完成すると、「先生、できたよ!」とうれしそうに担任のソヴァンナ先生に見せました。

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一方、別の園児は廃材を使った「腕時計」作りに没頭。材料を工夫し、好きな色を選んで文字盤に色を塗る姿は真剣そのものです。

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子どもたちに作り方を説明するソヴァンナ先生。自分でどんどん進めていく子、なかなかうまくいかず試行錯誤する子、完成を友達と喜ぶ子、とにかく夢中に取り組む子。子どもたちの様子を見ながら声をかけ、完成を一緒に喜びます。

この活動は、日本の子ども園での実習を受けたソヴァンナ先生が考案したもの。シャンティは2016年から、JICA草の根技術協力事業でカンボジアの幼児教育支援を行っており、「遊びや環境を通した学び」について学ぶ日本での研修やカンボジアでの技術指導を、静岡県の社会福祉法人天竜厚生会の子ども園の先生と実施してきました。

日本で実習に参加するカンボジアの先生
日本での実習に参加するカンボジアの先生(牛乳パックとペットボトルの「なるこ」づくり)

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実習メモを取るソヴァンナ先生(左から2番目)

日本で遊びの大切さを実感したソヴァンナ先生は、「子どもが自ら考える遊びや身の回りの物を使った制作活動に取り組みたい」と話していました。

幼児教育カリキュラム

本事業の一連の取り組みは、教育省が2018年6月に承認した幼稚園の新カリキュラム(写真)にも影響しました。カンボジアでは教員が一方的に「教え込む」指導になりがちですが、新カリキュラムは、幼児期の学習は「遊び」を通して行われるべきとし、さらに園児の主体的な学びを「手助けする」存在としての教員像を示したのです。

訪日研修に共に参加した教育省の行政官は、新カリキュラム起草の担当者でもあります。「カンボジアの幼児教育は今変わらなければ」と意気込む彼らの姿を、とても頼もしく思いました。

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日本での研修に参加する教育省幼児教育局副局長のブンチューン氏(左)とカリキュラム開発局のティー氏(右)

次の挑戦は、新カリキュラムの理念が現場の幼稚園で定着するよう支援すること。次の目標に向け、日本の先生、カンボジアの先生、行政官の皆さんと協力しながら、シャンティは活動を続けていきたいと思います。

※本記事は「JICA教育だより24号」に掲載された記事を基に作成しました。

カンボジア事務所 萩原宏子

★過去のカンボジア幼児教育事業のブログ
2018年10月9日 【イベント報告】カンボジア駐在員報告会 カンボジア幼児教育の『今』
2018年10月4日 頼もしい幼児教育の現場の人たち
2017年11月28日 カンボジアの農村の子どもたちと幼稚園
2017年6月23日 【カンボジア幼稚園】ペットボトルのキャップから…伝えたい想い
2017年2月28日  カンボジア幼稚園 ビフォー・アフター!
2016年11月26日 国際協力の現場における信頼関係の構築
2016年10月28日 おはなしからはじまる「多文化共生」
2016年10月28日 日本の幼児教育をカンボジアへ~静岡での幼児教育研修
2016年8月5日  なぜ幼児教育?~カンボジア・幼児教育研修会ダイジェスト
2016年4月12日 カンボジア・幼児教育事業指導!~子どもたちのより良い成長のために~
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