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震災4周年を迎えたネパール

2019.5.11   ネパール

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ナマステ。ネパール事務所長の三宅隆史です。4月25日にネパールは9,000名が犠牲になった震災の4周年を迎えました。ネパール政府復興庁と日本の国際協力機構(JICA)は、復興事業の進捗を報告し、経験をふりかえるための会合を開きました。会合には宮城県の東松島市の副市長が招かれ、東日本大震災からの復興の教訓を発表しました。

復興庁によると、家屋を失った76万世帯のうち、50%の38万世帯は家屋を再建を完了できておらず、24%の世帯はいまだ着工さえできていません。再建ができない主な理由は、政府は家屋を失った世帯に30万ルピー(約30万円)を3回に分けて支給しているのですが、少なくとも80万ルピーが資材費や石工代として家屋再建に必要なため、貧困世帯は自己負担額を捻出したり、借金をしたりすることが難しいためです。

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一方、日本政府(JICA)が支援している2つの郡では、モバイルメイソン(他の石工への技術的指導、再建者への助言やサポート等を行う熟練石工)を各コミュニティに配置し、住民が相互に協力しながら家屋の再建を行うなど住民参加、相互扶助、能力強化の仕組みを取り入れているため、83%の世帯が住宅再建を終了しています。

大規模災害が起きると日本では政府が仮設住宅を建設しますが、ネパールではそれはないので、仮設家屋といっても、被災者が自らトタンなどで建てた簡素な家屋です。仮設の家屋に住める人はまだましで、住んでいた土地が地震によって地滑りが起きやすくなったため、住んでいた場所に戻れず、農協などの施設や川沿いの空地で避難生活を送っている人もいます。

学校の校舎については、被害を受けた7,553校の校舎のうち49%にあたる4,476校が再建工事が完了し、23%の1,772校が再建中ですが、17%の1,305校ではまだ再建工事が始まっていません。

被害を受けた1,197の病院のうち54%の643の病院が再建されました。また被害を受けた753の文化遺産のうち30%にあたる224の文化遺産が再建されました。

復興庁は、今後の計画として、震災の経験を次世代に着実に伝えていくための博物館の設立を進めていくことを発表しました。

昨年度執行された復興予算は1,860億ルピー(約1860億円)で、このうち1,190億ルピー(64%)はネパール政府が負担し、670億ルピーは日本を含むドナーが支援しました。震災4年目を迎えドナーからの支援が減少していく傾向にあることから、ネパール政府が復興予算を増額するとともに、自治体レベルでは復興の取り組みだけでなく、次の大規模災害に備えた、防災計画の策定や防災能力の強化が必要とされています。

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