前向きになるためのリラックスタイム
2019.4.25 緊急救援
「Selamat siang!」そして、「Namaste!」インドネシア語とネパール語でこんにちは!
事業サポート課の栗原です。
4年前の今日、2015年4月25日にネパール地震が起きました。4年前、シャンティはネパール地震の被災者のため、緊急救援事業を実施しました。これまでの月日の中で、ネパールは着実に復興を遂げつつあります。
昨年の9月に大きな地震と津波に襲われたインドネシア、スラウェシ島も少しずつ、復興に向けて歩みだそうとしています。シャンティは、現在、スラウェシ島地震被災女性を対象に生計回復支援事業を行っています。先日、本事業の運営のため、現地に行ってきました。
スラウェシ島では、とても自然が豊かで、町の中にはとてものんびりした雰囲気が流れていました。
パル市内では、牛さんも売店を訪れています
しかし一歩、海沿いの港町や、被害の大きい山間部に出向くと、このような光景が広がっています。
座礁したままになっている船
多くの人たちが未だに、避難生活を余儀なくされており、テントや仮設住宅で暮らしています。
そのような状況の中、3月31日にドンガラ郡の女性と子ども保護局主催で、女性のためのレクリエーション大会(レク大会)が開催されました。避難生活を続ける住民が、少しでも気分が休まる時間を持つことがこのレク大会の目的です。
私たちが、市内から数時間車で行った仮設住宅地に到着すると、すでにレク大会は始まっていました。大雨にも関わらず、ビニールシートで作った屋根の下にたくさんの人が集まり、何やら爆音で音楽が流れてきています。
大雨の中会場に集まる人たち
近づいて様子を見ていると、なにやら女性たちがペアになってものすごい勢いで踊っています…!
何やら大盛り上がりの皆さん
地元の人に聞くと、これは良く行われるレクリエーションで、二人の人がペアになり、手を後ろに組んで踊りながら、おでこで風船を挟み、それを落とさないようにするゲームだそうです。
そして皆さん、とっても上手で、全く風船を落とす気配がありません!!
(参加者の皆さんの真剣さが伝わりますでしょうか…?)
風船ゲームが終わった後も、ひたすら踊り続ける女性たち。
伝統的な踊りと流行りのズンバ(ダンスエクササイズ)を合わせたダンスとのことです
レク大会の最後には、ゲームの勝者だけでなく、参加者全員に参加賞が配られました。参加賞はコップや鍋など、避難生活で必要な日用品です。シャンティでは、皆さまから頂いたご寄付の一部を用い、この参加賞の購入に協力させて頂きました。
参加者全員に配られた賞品の日用品
とっても明るく、楽しそうなインドネシアの女性たちですが、お話を聞いてみると、長引く避難生活の苦労が伝わってきます。
この仮設住宅地に住むワヒダさんは次のように語っています。
「主人と2人の息子と暮らしています。昔は海の近くに住んでいました。やはり昔の暮らしと今の暮らしは全く異なります。このようなイベントが開催されるのは、ここに越してきてから2回目になります。みんな踊ることがとても好きなので、このようなイベントはよいリラックスの時間になりました。いろいろと大変ですが、いつでも前向きでいるように、そしてこの仮設住宅での暮らしを快適なものにするように、心がけています。」
困難な状況に置かれても、力づよく前向きでいることを心掛けている女性たちの姿に大変感銘を受けました。
そして私が帰国したあとの4月12日、またスラウェシ島近郊でまた大きな地震があったとのニュースが入ってきました。津波などの被害はないとのことですが、私が出会った女性たちは今どのような気持ちで過ごしているのだろうと考えています。
つらいときでも、レク大会でもらった参加賞を見ることで、楽しいダンスやリラックスした気持ちを思い出してくれることを願っています。
参加賞を受け取った女性たち(左:ワヒダさん)
インドネシアやネパール、日本、どこでも、自然災害は起きます。これまで、皆さまのご協力のおかげで、シャンティは緊急救援活動を続けてきました。
「ありがとうございます」(日本)
「Terima Kasih」(インドネシア語でありがとう)
「Dhanyavad」(ネパール語でありがとう)
引き続き、インドネシア被災女性のための生計回復支援事業に関心を持っていただけましたら幸いです。読んでいただき、ありがとうございました。
レク大会に参加した女性たち
現在実施中の事業は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆様のご支援を受けて実施しております。