シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 英国NGOの底力と苦悩を実感!

英国NGOの底力と苦悩を実感!

2019.5.2   東京事務所より

東京事務所・常務理事の市川斉です。

3月Bond会議に参加ため英国へ。Bondとは英国の450のNGOが加盟する連合体。年に一度、1,200人のNGO関係者が一堂に会します。私自身、日本最大のNGOネットワークである国際協力センター(JANIC)に関わっていることもあり、日本でも同様な大会の開催の可能性を模索するため、JANIC派遣団として参加。

Bond会議開会式。人と熱気があふれています
(Bond会議開会式。人と熱気があふれています)

英国のNGO予算は年間5,400億円。日本は約800億円で、英国の人口が日本の半分にも関わらず、圧倒的な差があります。英国一のNGOは年間640億円で、日本のNGO全体の4分の3に匹敵し想像を絶します。

会場のThe QEⅡ カンファレンスセンター(ウェスタ―ミンスター寺院の真横)
(会場のThe QEⅡ カンファレンスセンター。ウェスタ―ミンスター寺院の真横)

2日間で30の分科会では熱く活発な議論が飛び交いました。私が参加した分科会では、いわゆる発展途上国のNGOリーダーがパネラーで「社会開発は、私たち現地の人間でも進めていく力はあるしパワーもある。しかし、肝心な資金は欧米が中心だから、そこにたどり着けない。私たち無しに資金提供者は、何もできないことを理解すべき」とズバリ。また、「女性リーダーは、どこにいる?」の分科会では、NGOの女性経営層の割合が3割に留まっていることを指摘。「市民団体で働く7割が女性もいるのに、何が阻害しているか?」を議論。海外の不平等問題に取り組んでいるのに組織内の構造的問題を解決できないことを積極的に議論。一方、マスコミ報道とNGOの分科会では、マスコミが分かりやすく人々が関心を持つことのみ伝えることに重視するあまり、ニュースの見出しになるような報道の競争になっている課題が指摘されました。本来の姿、開発や援助の難しさや複雑さをきちんと伝えるべきことの重要性を確認するような場となりました。

INGOの今後を考える分科会。NGO代表者が一堂に集う
(INGOの今後を考える分科会。NGO経営層が一堂に集う)

大会は50の企業・団体が協賛・出展。日本のある業界トップ企業も出展していて、「日本で、こういう大会を開催するのであれば、協賛するから連絡くれ」と積極的なアプローチを受けました。また、水と衛生を扱う会社は、緊急救援活動では、NGOと業務提携して、いつでも水施設を設置するとのこと。日本だと、企業は社会貢献活動の一環としてお付き合いをするようなイメージですが、英国では、NGOはビジネスパートナーとして魅力的な存在であることを感じました。

企業の出展ブース。大学、コンサル、会計事務所、銀行など多彩。
(企業の出展ブース。大学、コンサル、会計事務所、銀行など多彩)

一方、昨年、NGOスタッフが被災者に対して性的搾取等の不適切行為が発覚し、英国で大きな社会問題となりました。政府、NGO、国連が連携し、新たなセーフガーディングの基準を作成。また、捜査当局と協力し、英国NGOにおいてハラスメントに関連した91人を解雇して、新たな出発を誓ったことが報告されました。

メインスポンサーのヒアリング
(メインスポンサーのヒアリング)

今、英国はEU脱退問題で大きく揺れており、NGOでも大きな影響が受ける可能性があります。しかし、国境を越えて大きな連携ができる可能性、そして、日本のNGO関係者が集い、国際協力を語り発信する”場”づくりの必要性を痛感した英国行きでした。

会議会場からは、ビッグベン、ロンドンアイが一望
(会議会場からは、ビッグベン、ロンドンアイが一望)

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。