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ミャンマー 先生たちのホンネ

2019.5.9   ミャンマー

ミンガラバー(朝晩兼用ミャンマー語こんにちは)!ミャンマー事務所の伊藤です。日本は令和の幕開けに、ゴールデンウィーク明けに、気持ちも新たにされている方も多いかと思います。ミャンマーは、引き続き夏真っ盛りです。

そんな中、先日、ミャンマーの教育省よりこんな発表がありました。

「ミャンマーの夏休み期間を一ヶ月短縮する」 

現在は、3~5月の3ヶ月間が基本的に夏休みですが、4~5月の2ヶ月間に夏休みを短縮して3月末まで授業を行うというものです。

本発表に、現場の先生たちの反応は如何に!??

早速何校かの先生たちに尋ねてみたところ、どの学校でも皆口を揃えて「暑くて、生徒も自分たちも授業なんてまともに出来ない」という反応が返ってきました。

ミャンマーの夏休みと言えば、以前のブログでちょっぴりご紹介しましたが、とにかくこの3~5月の時期は一年で最も暑い酷暑期となります。だから、夏休みなのです。

正式には、元々3月末まで授業期間とする様定められてはいた様ですが、実際には、2~3月は学年ごとに順次試験期間となり、試験対象以外の学年は登校しないのが一般的な状況でした。

もしこれを本当に実施しなければいけなくなった場合、通常授業だけでなく試験の中でも最重要と言われる大学入学資格試験(兼高校卒業試験)が現在よりも1ヶ月先の4月実施と変更になる可能性もあるとのことです。ミャンマーの一大祭りである水かけ祭りも行われる4月の暑さは尋常ではありません。また現在でも本試験の合格率は国平均で30%程度という超難関試験ですが、4月に実施となったら受験生にとっては更に過酷な試験となることが予想されます。。

また夏休み期間は、先生たちもずっと休んでいる訳ではありません。特に現在行われているJICA初等教育カリキュラム改訂プロジェクトもあり、教員研修期間も以前より長くなっています。

私たちの図書館事業の準備も夏休み期間を利用して行われます。先生たちは私服出勤!(普段は上は白で下は緑のロンジー姿)

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気候変動が与える影響の地域格差も指摘されていますが、気候は学習にも大きく影響するのだと、ミャンマーに来て強く意識する様になりました。

ミャンマーでも、年々気温が高くなっていて、今年も見事に各地で最高気温記録が打破されています。暑さによる集中力や生産性の低下は既に実証されていますが、気温だけでなく、雨季は激しい雨が降り学校へのアクセスも悪くなり、教室内も真っ暗となり、先生の声が聞こえなくなるなどと、気候は学習環境に様々な影響を与えています。また仮にエアコンが全国の学校に装備されるという夢の様な話が実現したとしても、とても現在の電力では追いつきません。また、日本の約1.8倍あるミャンマーの国土は、地域により地形や気候も異なり、全地域に最適な共通の教育システムを確立することも難しくあります。

現在のミャンマーでの1年あたりの授業期間は8ヶ月程度となり、日本の10ヶ月程度の授業期間と比較しても短く、確かに授業時間の確保は必要な状況ですが、上記の様な状況を考えると、授業期間を単純に延ばせば良いものでもなさそうです。気候が与える不利な条件が大きいことは確かですが、各種行事準備や自習時間と言われる放置状態の時間の短縮、またそもそもの教員不足の課題等々含め、現行の学習時間を如何に効率よく質の高いものにしていくかなど、まだまだ今後の教育施策の改善余地はありそうです。クーラーの効いた部屋にいると、つい一歩先の外のことを忘れてしまうのが人間ですが、様々な状況を考慮した政策立案を行う必要性を感じました。

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写真:校内が暑すぎて、屋外で先生たちとの会議を行っている様子。

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