シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 「インドネシア・スラウェシ島地震/津波被災者支援報告会」開催報告

「インドネシア・スラウェシ島地震/津波被災者支援報告会」開催報告

2019.8.1   イベント報告緊急救援

7月24日(水)19:00から聖心女子大学グローバル共生研究所にて、インドネシア・スラウェシ島地震/津波被災者支援報告会~家族のために立ち上がった女性たち~を開催しました。16人の方にご来場いただき、和やかな雰囲気で報告会はスタートしました。

まず、事業サポート課 石塚よりインドネシアやスラウェシ島の基本情報と昨年のスラウェシ島災害について説明しました。

報告会の様子

インドネシア・スラウェシ島地震/津波被災者支援報告会の様子

昨年9月28日、スラウェシ島ドンガラ県を震源とするマグニチュード7.5の大地震が発生し、さらに津波や地滑り、液状化現象が発生しました。シャンティは昨年10月より現地入りし、初動調査を実施し、脆弱な1,200世帯に食品と衛生用品の基本パッケージを配布、さらに学用品やベビー用品といった各世帯のニーズに合わせた追加パッケージを1,020世帯に配布しました。現地の避難キャンプでは、女性がジェンダーに基づく暴力にあうこともあります。また、彼女たちは収入が減ったことで、生活の再建が難しい状況にありました。

モスク

津波の被害にあったモスク

シャンティは今年2月より昨年の地震で被災した女性たちを対象に、生計回復支援事業を実施しました。本事業では、被災女性たちが、身近な食材を使って加工食品を製造し、販売し、その収入を復興への基盤としています。女性たちが製造する加工食品として各被災村で材料が手に入り、インドネシアでなじむのある食品、6品目を設定しました。(魚チップス、魚でんぶ、ココナッツオイル、コーヒー、ニンニクチップス、インドネシアのお菓子ドドル)

事業概要

加工食品

続いて現地で事業調整を行った永井より事業での活動の詳細について報告しました。シャンティは現地で長年、女性支援を行っているNGO、KPKP-STと協同し、事業を実施しました。まず、被災村や女性たちのバックグラウンドなど、様々な条件を元に、支援対象村を選定し、女性グループを形成しました。そして、加工食品を製造するための資機材の供与を行い、ジェンダーに基づく暴力と女性の権利についての研修や、加工食品の製造やマーケティング、衛生管理などの研修を実施しました。各研修の講師は、主に島外から招聘した専門家にお願いしました。研修前は、専門家の講師の方のレベルが高く、スラウェシ島の女性たちが学ぶには難しすぎるのではないかと危惧していましたが、現地では日本での研修と異なり、参加者の女性たちから多くの発言があり、難しい部分に関しては、講師の方も柔軟に対応してくださいました。

次にココナッツオイルの製造を例に実際の生産・販売活動の様子を説明しました。シャンティが供与した資機材を使って、グループのメンバーが役割分担を行って生産活動を行っています。以前は収支管理を行っていなかった女性たちが、研修で学んで、ノートに書いて、お金の管理を行っています。販売経路についても知り合いへの販売や、地元の商店だけでなく、現地パートナーNGOが商品を集めて、都市部で販売を行ったり、拡大しつつあります。ニンニクチップスを製造しているグループでは、マーケティング研修で学んだことをすぐに実践している様子を間近で見ることができました。そのグループでは、現地のニーズを把握してシャンティが用意したパッケージよりも小さいパッケージを、自分たちで作り、安価で販売することで、子どもたちがお菓子として購入できるようになりました。
女性たちからは、「活動を通してグループで団結し絆ができた。」、「研修で権利意識が高まった」といった声がありました。地震で地盤がゆるんだことにより地滑りが発生し、支援対象村へのアクセスが難しく、資機材の供与が滞ってしまったこともありましたが、完了することができました。また活動に参加している女性の夫が、「震災前より、ラマダンの時に女性たちがお惣菜を作って販売していたが、この事業によって年間を通して、妻が活き活きと活動することができるようになってよかった。」と話していました。

現地行政に本事業事業を移管することができ、この事業のフォローアップに行政からの予算を付けていただくことが出来ました。今後の課題としては、村の中で販売する前提の製法やパッケージをこれから都市部での販売拡大を目指して改良していく必要があります。本事業は、現地メディアで紹介され、行政からも注目を集めました。NGOとして、インフラに集中しがちな行政に対し、パイロット事業として、女性たちのニーズと可能性を提言することができたという意味でも効果を上げることが出来ました。

報告会の様子

最後に参加者の皆さまに、質問を付箋に書いていただき、質疑応答を行いました。たくさんの質問を頂き、ありがとうございました。そのうち一部をご紹介します。

Q. 支援活動で特に感じたこと、伝えたいことはありますか?
A. 災害という苦しい時、困難な時こそ連帯、繋がりが効果を発揮することが分かりました。この事業による女性たちの本格的な生計向上はこれからですが、商品を作る共同作業を始めたことで、現段階で既にメンバーの気持ち、心理的な部分に大きな変化を与えることができていると思います。メンバーの生き生きした顔をみて、つらい時こそ人と繋がることの意味の大きさを感じました。

Q. 男性からの不満はなかったのでしょうか?
A. 男性優位社会のスラウェシ島ですが、支援対象村では、本事業についておおむね好意的にとらえられています。実際に資機材の運搬や設置などの力仕事を男性たちが手伝ってくれることもありました。

Q. 現時点で女性の収入はどの程度向上しましたか?
A. 販売を始めて、1、2か月しか経っておらず、現段階で女性たちの所得が大きく上がった状況ではありません。元々本事業は生計向上の基盤を作る仕組みづくりまでをターゲットとしているので、本事業終了後も活動を続けていくことが重要です。

Q. どのように他の製品との差別化をしているのでしょうか?
A. ジャワ島などで、現地NGOのネットワークを利用して販売することを計画しております。そのために、差別化や販売経路の拡大に向け、取り組んでいる最中です。また、地産地消として、ローカルで製造してローカルで販売するという両方の方向性を継続していきます。

Q. 同じような商品を製造しているグループはありますか?
A. 同じような活動を行っている団体もあると聞いています。女性グループが製造している加工食品はインドネシアで一般的な食品なので、今後スーパーなどで販売する際は、大企業もすでに販売しているので、競合は多くなると思います。

Q. 燃料の調達は誰がしているのですか?初期の資金は供与したのでしょうか?
A. 最初の燃料といった初期投資は資機材と共に供与しましたが、2回目以降の材料や燃料はグループが加工食品の製造・販売から得た収入より支出しています。余った収入は、貯蓄し、いずれメンバーに分配する予定です。

ガーリックチップスを製造している女性グループ

インドネシア、スラウェシ島女性グループのメンバー

ご来場いただいた皆様、また本事業をご支援いただいた皆様ありがとうございました。
今後も海外で災害が発生した際、緊急救援を行うので応援ください。

海外緊急救援:【7/26】 ネパール洪水被害調査を開始しました!

事業サポート課 竹本

本事業は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆様のご支援を受けて実施しております。

インドネシア地震 関連ページ

■プレスリリース

【03/28】被災女性の生計回復支援事業 -復興を目指す女性の自立を支援しています-

■インドネシア地震 関連記事

シャンティブログ「インドネシア地震」

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。