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2020年 年頭のご挨拶 事務局長 山本英里

2020.1.2   事務局長東京事務所より

新しい年の幕開け、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
事務局長の山本英里です。

2019年も多くの人々に支えられ支援活動を継続できましたこと、心より感謝申し上げます。

今も尚、被災生活を強いられている多くの方々が一刻も早く日常生活を取り戻せますようお祈り申し上げます。

さて、2020年はシャンティ設立39年目を迎え、40周年を前に私たちが「なぜ支援をするのか」、足元を見つめなおす年になります。私たちは、設立してから一貫して「貧困」、「紛争」、「教育」、「災害」といったキーワードを軸に、特にこれからの平和な社会を担っていく子どもたちを中心に支援を継続してきました。世の中が大きく変化する中で私たちはいつまで支援を継続するのか、私たちの前に立ちはだかる課題は果たして解決されつつあるのか、新しい年を迎える度に振り返ります。

私たちを取り巻く環境

2019年、オックスファム・インターナショナルが「世界で最も裕福な26人」=「最も低い所得の38億人」であると報告し、世界で1%の長富裕層の資産は、残り99%の資産より多くなっている現実をつきつけられました。現在の社会構造における経済成長は、貧困の改善どころか貧富の差を拡大し、1日約200円以下で生活をする絶対的貧困層の解消は鈍化しています。

こういった社会構造の中、子どもたちが置かれる環境も残念ながら厳しい状況が続いており、子どもの5人に1人が紛争地域で爆撃や襲撃のリスクにさらされながら生活をしています。シャンティの活動地の一つであるアフガニスタンでは、紛争に巻き込まれて死傷した市民の人数は毎年増加しており、犠牲者の多くは子どもだと言われています。

シャンティが解決を目指す課題は「過去最大の人道支援の危機」として毎年更新されつつあるように思えます。私たちはどのようにこの課題に向き合っていけるのでしょうか。

2019年の新たな挑戦

2019年、シャンティは新たな支援を届けることができました。

タイとの国境に面したミャンマーのカレン州にコミュニティリソースセンターを設立しました。この地域は、ミャンマーで長年続いた内戦の戦地でもあり、多くの難民、国内避難民を輩出した地域です。武力衝突が終結を迎え、平和に向けて今、国内避難民や難民、戦地で暮らしてきた人々が一緒に暮らす村づくりが行われています。コミュニティリソースセンターは、住民の手によって、異なる背景の人々が集うことができ、これから生活をしていく上で必要な知識や術を身に着けていく中心的な場となっていくことを目指しています。

また、いまだ武力衝突が絶えないアフガニスタンでは、隣国から半ば強制的に帰還させられた人々が、安全な場所を求めて移動を重ねながら不安定な生活を送っています。そのような状況の中で、教育の機会を失った子どもたちに緊急下であっても教育の機会を提供したいとコミュニティベースの教室を開設しました。これらの事業は、長年の紛争や貧困で複雑化する支援ニーズに対応するため、これまでシャンティが現場で培ってきた複数国での経験を活かすことで実施に至りました。

「生きる力」をつけるお手伝いをする、私たちができることはやはり教育を通して人々や子どもたちが自ら生活ができ、社会を変えていく力をつけることしかないのです。

2020年の抱負

2019年、これから先の6年間で達成していくべく目標を掲げた中期計画を作成しました。中期計画の2年目に突入する今年、海外での活動だけではなく、日本国内の外国人ルーツの子どもたちの課題への取り組み、頻発する国内災害への対応強化など、国内にも目を向けていくことを目標の一つに掲げています。貧困や紛争などの課題に対し、国境を超えて、解決策を共に見出していくことが必要になっています。

そして、私たちが取り組む目標の主柱の一つは組織の基盤強化です。2018年12月に国連総会で採択された「難民に関するグローバルコンパクト(Global Compact on Refugees)」に示されたように、難民支援など現在の複雑化する社会課題の解決には政府、国際機関、企業などさまざまなアクターの参画が必要になってきています。その中で私たちは「NGO」としての役割をより果たしていく必要があります。しかしながら、組織が脆弱故に必要な支援を必要なタイミングで届けることができないことがないよう、システム構築、組織効率、内部統制の強化といった運営基盤を整備しなおすことが必要になっています。皆様の思いをより現場に届けられるよう、効果的な組織運営を目指します。

2020年も、一人でも多くの子どもたちに教育の機会を届けるため走り続けて参りますので、どうぞ皆様からの変わらぬご協力、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、皆様のご多幸とご健康を心よりお祈り申し上げます。

アフガニスタンの子どもたち(Photo by Hiromi Yasui)

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
事務局長 山本英里

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