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映像「奇跡の図書館」の誕生にまつわるお話

2020.6.6   スタッフの声東京事務所より

こんにちは。広報・リレーションズ課の鈴木晶子です。

1996年、はじめてシャンティが建設した図書館を舞台とした映像、
「奇跡の図書館」の誕生にまつわるお話です。

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画像をクリックすると、映像を見ることができます。

1975年、カンボジアではポル・ポトが政権を掌握し、
独裁的な共産主義国家の樹立を目指しました。
教育や文化は破壊され、子どもからお年寄りまで、強制労働が課せられました。
4年続いた政権下で170万人以上の人が命を落としました。

映像に登場する学校のノッ・スィアン校長先生は、ポル・ポト時代を生き抜いたひとりです。この時代の苦しさと、教育を受けることの意味について語っています。

この映像の着想を得たのは、遡ること10年以上前のこと。
私がカンボジア事務所に駐在していた頃のことです。

事業進捗の確認に学校を訪問した時、ボロボロになった絵本を好奇心いっぱいの目で読む子どもたちに出会いました。10年以上前にシャンティが配った絵本でした。表紙が取れそうになった絵本でもなお、嬉しそうに読む子どもたちの表情に心打たれました。

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少ない絵本を何度も繰り返し読む子どもたち

しかし、それ以上に心に残ったのは、先生方の思いでした。
学校での教育を途中で絶たれ、命からがら生き延びた人たちのなかには、就学年齢を越えてから学校に戻り、勉強を再開し、先生になった方も少なくありませんでした。
ノッ・スィアン先生もそのひとりです。
そして、子どもたちが学ぶ環境を守ることが、使命だと話してくださいました。

また、ある学校を訪問した時、図書館に足を踏み入れると、シャンティが出版した絵本を見ながら踊っている生徒たちを見かけました。
よく見ると、「アプサラ(天女)の舞」という絵本に描かれているシーンを真似していたのです。
「アプサラの踊り、見たことある?」と尋ねると
「本物は見たことないよ。だけど、カンボジアの踊りだって知ってるから、踊ってみたかったの」と。
焚書政策で書物は焼かれ、芸術大学の先生も虐殺対象となった時代を経て、絵本を通して文化が継承される姿を見た時、絵本の力を感じました。

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シャンティ出版絵本「アプサラの舞」

この映像を通して、ポル・ポト時代を生き延び、先生になる夢を叶えたノッ・スィアン校長先生が学びの場を守り続ける思いと、絵本を通して文化を継承することの大切さを感じて頂けたら嬉しいです。
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ノッ・スィアン校長先生(撮影:川畑嘉文、「はらぺこあおむし」偕成社)

映像制作は、映像作家の江藤孝治さんにご協力頂きました。

シャンティの活動映像はこちらからご覧いただけます。
活動映像一覧

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。