世界の絵本を読んでみよう「マイナ鳥と不思議なかぼちゃの種」アフガニスタン
2020.9.5 アフガニスタン
シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちに質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。
今回、ご紹介する絵本は、2013年にアフガニスタンで出版した「マイナ鳥と不思議なかぼちゃの種」です。
「マイナ鳥と不思議なかぼちゃの種」表紙
オミッドはある日、森で足が折れて鳴いているマイナ鳥を見つけました。オミッドが足を布でしっかり巻いてあげると、マイナ鳥の痛みが和らぎ、オミッドに感謝しながら飛び去っていきました。
家に帰ると、さっき助けてあげたマイナ鳥が木の枝にとまっており、かぼちゃの種をくれました。
マイナ鳥が「この種をまけば、大きくて甘いかぼちゃが育つよ」と言うので、かぼちゃの種をまいてみました。すると芽が成長して、どんどん大きくなりました。
かぼちゃを割ると、中に宝石がたくさん入っていました。
オミッドは宝石を市場で売ったお金でお店を作り商売を始めました。商売のおかげで良い暮らしができるようになりました。
ある日、近所に住む少年が、どうやって良い暮らしができるようになったのかを聞きにきました。鳥からもらった種を育てた話を聞いた少年は、罠を作り、マイナ鳥を捕まえました。
鳥を捕まえた少年は、足を折り、折れた足を布で巻いてあげたのです。マイナ鳥は少年に怒りを感じながら飛び去っていきました。
数日後、マイナ鳥は少年にかぼちゃの種を渡しました。少年は鳥からもらった種をまき、大きなかぼちゃへと成長しました。大きくなったかぼちゃを二つに割ると、たくさんのハチが飛び出し、少年は顔や体を刺されてしまいました。
少年の顔はとても醜くなり、少年の友達が彼の顔を見ても誰だか分からないほどでした。少年はマイナ鳥にひどいことをしたと深く反省し、もう二度とこのようなことはしないと誓うのでした。
「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.298 (2019年冬号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
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・世界の絵本を読んでみよう「私の好きなカレン月」ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
まだ本を知らない子どもたちへ届けるために
シャンティは、本が足りないアジア各国で、絵本を出版する活動を行っています。出版絵本は、日本の個人、企業、団体のご支援をいただき、現地で制作、出版しています。出版した絵本は、シャンティによる研修を受けた教員や図書館員がいる学校、図書館などへ配布、配架され、子どもたちの手元に届けられています。
一人でも多くの子どもたちに絵本を届け、子どもたちが生きる力を身につけられるよう引き続き取り組んでまいります。ぜひ、活動へのご支援をお願いいたします。
読み終えた本がありましたら、ぜひ集めてお送りください。集めてお送りいただいた本の買取額が、アジアの子どもたちの教育支援の寄付になる「本で寄付するプロジェクト」を行っています。