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新型コロナウィルスの影響で人道危機に直面するアフガニスタン

2021.1.6   アフガニスタン

アフガニスタン事務所より新年のご挨拶申し上げます。

年末年始も武力衝突や爆弾テロが相次いだアフガニスタンですが、昨年は長引く紛争に続き新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、これまでにない人道危機に直面しています。

COVID-19の現状(12月31日時点)

アフガニスタン保健省によると34州で累計51,526名の感染が確認され、2,188名が亡くなっています。ただし、脆弱な医療機関や検査センターに実際の感染状況は報告されている数値以上であると推測されます。

55%の国民が1日0.93ドル以下の生活

2016年から2017年にかけて実施された最新の生活水準調査では55%もの国民が1日0.93ドル(約96円)以下の貧困ラインで暮らしている実態が浮き彫りになりました。これは2006年から2007年にかけての調査時の34%から大幅に悪化しており、今回の新型コロナウィルスの感染拡大の影響で更に悪化しており、現在アフガニスタンで人道支援を必要としている人は、昨年の600万人から1400万人まで倍増しています。これらの必要な支援を実施するための資金は48.3%しか充足されていない状況です。

ワヒド物資配布受益者

(写真上:物資を配布するシャンティ職員、写真下:物資配布を待つ住民)

長引く治安不安

各地での武力衝突、テロ攻撃は、軍施設だけではなく、産業や生活の基盤である医療機関や教育機関も攻撃対象になっています。昨年5月にはNGOの運営する病院への襲撃、11月にはカブール大学が襲撃され多くの民間人が犠牲になっています。国連(UNAMA)の報告によると、2020年1月~9月末までの時点で5,939人の民間人が犠牲になっています。

「飢餓が深刻になっています」
職員からの報告によると、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で職を失った多くの国内避難民、帰還民の人々が街の中心部に食べ物を求めて道行く人々に物乞いをしている様子は、かつてタリバン政権が崩壊した直後よりひどい状況のようです。特に冬場は-30度といった極寒の中、子どもたちがどのように過ごしているのか気になります。昨年は、こんな時だからこそ私たちの役割がある、という職員の言葉に私たちができる限りのことはしていきたい、そんな気持ちで職員一丸となって支援活動を継続してきました。その中で、職員3名の感染が発覚し、1名は人工呼吸器を装着するなど重傷な状態となり、皆で回復を祈るしかできませんでした。幸い職員全員、無事に回復し業務に戻ることができました。また、日ごろの感染対策の徹底、特に少しでも体調に異変を感じたら自主的に隔離するということを徹底したおかげで、他者への感染拡大は食い止めることができました。

山積する課題を前に人々からは希望を持ち続けることへの疲労の声も聞こえてきます。私たちも現地に行くことができない状況が続く中でもどかしい思いを感じています。そんな中、子どもたちの笑顔は、まだまだ頑張ろうという勇気をもたらしてくれます。私たちは引き続き、アフガニスタンの子どもたちに笑顔を届けていく支援活動を継続していきたいと思います。

子ども図書館1子ども図書館3

(子ども図書館の様子)

昨年12月12日に行われたシャンティの40周年イベントで紹介した子ども図書館の職員のメッセージを改めてここに紹介させて頂きます。

今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

アフガニスタン事務所所長
山本英里

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。