シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 幾多の山を越えて、医療機器を届けるまでの道のり

幾多の山を越えて、医療機器を届けるまでの道のり

2021.8.8   スタッフの声ネパール寄付募集中東京事務所より緊急救援

こんにちは。事業サポート課、ネパール担当の竹本です。今日は山の日ですね。本来は8月11日ですが、今年はオリンピックで8月8日(日)に変更されました。私の担当国、ネパールにはみなさんもご存知の、世界最高峰エベレストを擁するヒマラヤ山脈があります。現在、ネパール事務所では、新型コロナウイルス対策緊急人道支援事業として、山岳地帯のヌワコット郡の病院に医療機器と医療物資を支援する準備を進めています。今日のブログでは、山の日に合わせ、幾多の山を乗り越えて医療機器を運ぶ道のりについてお話したいと思います。

緊急人道支援事業の詳細:
【COVID-19】ネパールで新型コロナウイルス対策への緊急医療物資支援を開始

ネパールの山々

ネパールの山々

変異株の流行とインドでの感染拡大の余波を受け、ネパールではワクチン接種が開始されたにも関わらず、7月30日時点の新型コロナウイルスの感染者数は30,390名、9,800名が亡くなりました。ピーク時よりは減りましたが、1日当たりの感染者数は2,000人以上で、依然、高止まりしています。

事業地ヌワコット郡でも感染者が増えており、医療体制が逼迫しています。ヌワコット郡の病院では、医療機器や物資が足りないことで、命に関わる重症患者の治療に支障をきたしています。医療設備が整っていないヌワコットの病院では、これまで高度な治療が必要な重症患者は、首都カトマンズに搬送していましたが、現在は新型コロナウイルス患者の急増により、カトマンズの病院もベッド数が足りず、患者の受け入れが難しい状況にあります。

本事業は新型コロナウイルス重症患者の治療に必要な人工呼吸器など、ヌワコット郡行政や病院の予算では購入できない高額な医療機器と医療物資を病院に供与することで、重症患者が適切な治療や医療ケアを受けられるようになることを目指しています。人工呼吸器や集中治療用(ICU)ベッドなどの高額な医療機器はヌワコット郡では入手できないため、首都カトマンズの医療機器メーカーに発注し、カトマンズからヌワコット郡に輸送します。

カトマンズ

山の上から見下ろすカトマンズの街並み

首都カトマンズは盆地で、標高約1,400m、熊本の阿蘇山や神奈川の箱根山と同じくらいの高さにあり、周囲をさらに高い山々に囲まれています。人口密度の高い首都中心部からバイクと車両が無秩序にひしめき合う渋滞を抜け、最初の山を登ると、眼下にうっすらとした排気ガスのもやが広がっていて、ネパールの都会の街並みが見えます。そこから、山を越え、下ると、少し平野が続き、少し中心部から離れただけで、畑と山々、春には野の花畑が広がり、田舎の様相を呈します。山を登っては、下りを繰り返しながら、少しずつ、標高が上がっていきます。

菜の花畑

3月のネパール、菜種油をつくるための菜の花畑

事業地のヌワコット郡はネパール事務所がある首都カトマンズの隣の郡ですが、そこまでの道のりは、舗装されていない悪路を通り、山々を越えなければならず、車両で4時間ほどかかります。山の中を通るトンネルや整備された道路があるわけではないので、、日光のいろは坂のように山肌に沿って、赤土がむきだしの蛇行した道を四駆の自動車で登っていきます。道幅はせまく、片側は窓から手を出せば山の斜面に触れられるほどの近さで、もう片側は車輪の数m先は壁もガードレールもない崖です。野草に覆われて崖が判別できないような道を進んでいきます。

山肌に沿った道

山の斜面を登っていく

舗装されていない道

幅が狭い舗装されていない道路

対向車とすれ違う時は、2台の車の間は30cmもなく、サイドミラーを畳んでもぶつかりそうです。場所によっては、車1台の車輪の幅、ぎりぎりまでしか道幅がない場所もあり、不運にもそんな場所で対向車が来てしまうととても大変です。どちらかの車が車輪の幅しかない山肌にそってカーブしている道をバックして、2台の車がすれ違うことができる場所まで戻ります。現地では、トラックの荷台にぎゅうぎゅうになって人が乗り、移動している様子もよく見ました。また、定員人数以上に人が乗り、座席がなく立っている人もいるようなマイクロバスも良く見ました。そういったバスとすれ違う時は、とりわけ怖かったです。それは村総出で結婚式に行くバスでした。実際に崖下に車やバスが落ちる事故も頻繁に、起きています。

対向車とすれ違う

対向車とすれ違う

車1台分の道

車1台分の幅しかない道

6月~9月の雨季はさらに大変で、大雨によって道がどろどろになり、山の斜面から滝のように水があふれ、川のようになって道を分断してしまいます。雨季の終わりごろには、ついに道が崩壊し、土砂崩れが起きて、通れなくなってしまいます。山と山の間には、川が流れ、道がなくなり、橋もないので、川の浅瀬をじゃぶじゃぶと進みます。雨季の間は、増水し、渡ることができないので、川を越えた先の事業地に行くために、車を降りて、何時間も山を登ることになります。

川の浅瀬を渡る車

川の浅瀬を車で渡ります

川の中を進む

じゃぶじゃぶと進む

川の中をじゃぶじゃぶと車で進みます

これからヌワコット郡まで医療機器を届けます。新型コロナウイルス感染拡大予防のため、ネパール政府は行動規制をしており、移動制限のため、一般車両は、カトマンズからヌワコット郡に行くことはできません。しかし、緊急人道支援事業として行政に申請し、移動許可をもらって、医療機器を運ぶ予定です。

発展途上国では、日本では想像もしない、トラブルが起きます。緊急人道支援事業は、今すぐ助けを必要としている人に、支援を届けるため、事業期間も短く、スピードが大切です。幾多の困難、”山”を越えて、一日でも早く、病院に、最前線で奮闘している医療従事者に、そして、新型コロナウイルスと闘っている患者さんに、命をつなぎとめるための人工呼吸器や酸素ボンベなどの医療機器と医療物資を届けたいと思います。

山

本事業はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成と皆様のご支援を受けて実施しております。

「ネパール:コロナ対策2021緊急募金」受付中

郵便振替:00150-9-61724
加入者名:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
*払込取扱票の通信欄に「ネパールコロナ2021」と明記して下さい
*備考欄に「免」と明記して下さい(窓口で手続きした場合、払込手数料が免除されます)

シャンティの「新型コロナウイルス」緊急支援事業について

新型コロナウイルス緊急支援事業へのご協力のお願い

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。