【ラオス ダム決壊】洪水被災者に緊急支援を行いました
皆様、こんにちは
ラオス事務所の玉利です。
2018年7月23日夜、ラオス南部のアタプー県において大雨に伴うダムの決壊により、同県サナムサイ郡の6つの村が濁流に飲まれ、死者30名以上、行方不明100名程度、被災者13,000人以上と大きな被害をもたらしました。日本でもニュースになったので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
(水に使った村の様子)
この災害に対してラオス市民の反応は早く、銀行などが設けた募金サイトでも数日で2,000万を超える寄付があつまり、物資も届けられたようです。シャンティ・ラオス事務所でも、ラオス人職員から支援活動を実施すべきという声があがりました。しかし、被害発生当初は「被災地までの橋が壊れ物資の運搬ができない」、「支援物資を現地に送っても物資が倉庫で止まっており被災者に届いていない」など情報が飛び交っており、雨が降り続いていたため二次災害の危険もあり、なかなか動けない状況でした。ですが、すでに現地に入り活動していた複数の団体からは、翌週になっても「避難所では未だに物資が不足している。道路状況も改善しているのでぜひ現地まで物資を運んで来て欲しい」という強い要望を受け、支援活動を決定しました。また、現地からその時点に避難所で最も必要な物資の詳細情報も頂いたため、それに基づいて、調理器具や毛布、長靴など生活物資をビエンチャンで購入し、パッキングを行いました。
(シャンティの事務所があるビルの駐車場を埋め尽くした支援物資)
この支援物資配布活動には、シンガポールに拠点をおくマーシーリリーフ様が資金を助成して下さると共に、職員の方もラオスまで駆けつけてくれ、一緒に配布活動を行いました。また、シャンティのパートナー団体であるタイのシーカー・アジア財団からも義援金を頂きました。
物資配布を行ったのは8月3日、被災者の避難所となっている地元の中学校です。数百世帯の方々が滞在していますが、予め現地の赤十字社の職員が、主に最近この避難所に到着し、まだ支援物資の配給を受けていない150世帯の方々のリストを作成してくれており、そのリストに沿って名前を呼んだ方に物資を取りに来て頂くことで、スムーズに配布を終える事ができました。支援物資を積んだトラックが配布予定場所から少しはなれた場所で泥にうもれて動けなくなってしまいましたが、多くの被災者の方々が流れ作業で物資運びを手伝ってくれました。被災者の方々からも「配給された食料は都会の人向けのものが多く我々の口には合わない、頂いた調理器具で今日から自分の好きな料理を自炊できる」、「長靴はこの土で泥だらけの場所を歩くには非常に便利」など、喜んで頂きました。
(悪路を進む支援物資を積んだトラック)
(トラックから物資の積み下ろし、被災者の方が手伝ってくれました)
(物資配布の様子)
今回の洪水被災者支援活動は、ラオス人職員の強いコミットメントがあって実現しました。現地で活動している団体との連絡、物資の調達、現地までの物資運搬・配布はほとんど彼らが行い、私はルアンパバーンで調整を行っただけでした。現場に行かなかった他の職員からも「支援を決めてくれてありがとうございました」とお礼を言われるなど、困難に陥った自分たちの仲間を助けたいという思いを強く持っていました。全体の被害規模に比べると我々の支援は微々たるものであったかもしれませんが、ラオス人職員の気持ちを現場に届けることができたという意味においても、本支援活動を行って良かったと感じています。
ダム建設会社が仮設住宅の建設を始めましたが、それが完成するまでに2カ月程度、被災者は避難場所での避難生活を強いられます。また、元の村では家屋のみならず田畑も泥で埋まり、多くの家畜も死んでしまった中で、生活の再建には更に多くの時間が必要となります。被災者の方によってはこれからも大変な時期が続きますが、少しでも早い生活再建、生計の回復をお祈りします。
(支援物資を配布した被災地での集合写真)
シャンティのラオス ダム決壊被害者支援活動について
避難生活で必要な物資支援を行いました(8/10)
生活必需品の配布を決定(8/1)
ダム決壊による大規模浸水被害発生。情報収集を開始。(7/26)